
今回のテーマは薬の通販です。
オランダの大手通販薬局がドイツ国内の消費者に向け、
「ポイント制度」
を開始。
これを
「違法だ!」
と、バイエルン州の薬局団体が訴えました。
最高裁の判決が出て、
「白黒ついた」
ので、紹介したいと思います。
この記事の目次
Preisbindung
以前、ここで解説しておきましたが、
ドイツには薬剤価格に対して
“Preisbindung”(価格固定制度)
があるんです。
此の為、どこの薬局で薬を買っても、同じ値段です。
それは片田舎での薬の安定供給を確保する為です。
もし薬の割引販売が可能なら、アマゾンのような大手の薬の通販サイトが市場を独占してしまいます。
すると片田舎の薬局は、
「赤字だ。」
と閉店。
結果、人口が少ない地方に住む国民への薬剤の安定提供が、不可能になります。
そこで
「薬剤の割引販売は禁止」
となったわけです。
例外
勿論、例外もあります。
それは処方箋が要らない薬。
此の為、頭痛薬、抗アレルギー剤、下痢を直す薬などは、
「ネット薬局」
で買うと、
「嘘!」
のように安く買えます。
鎖国日本の薬剤事情
この機会に日本の
「薬事法」
正確には
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
の批判をさせてもらいます。
そもそも外国では、手軽に薬局で買える薬が日本では
「要処方箋」
となっています。
典型的な例が睡眠薬。
此の為、
「寝れない。」
という大人の半数に近い人が悩む症状で、診療所に行って処方箋を処方してもらう必要があります。
すると
「処方箋料金」
に加えて
「精神科専用療法」
が徴収されます。

しかし!
その専用療法の中身は
「先生、次回の予約は4週間後に」
「わかりました。」
という10秒の会話だけ。
「これを無くせば、日本の医療費が軽減できるよね!」
と知人の薬剤師に言うと、
「そうならないように、日本医師会が政治家に大口献金しているんだよ!」
と教えてくれます。
日本は終わってる、、、
薬の通販 大手がポイント制度導入
ここでオランダの薬の通販大手が、ドイツ人の顧客に向けてポイント制度を開始!
処方箋が必要な薬を買うと、ポイントが付与されます。
そのポイントは次回の購入時に
「割引」
として利用できます。
これをバイエルン州の薬局団体が、
「薬剤固定価格制度に抵触する!」
と訴えたわけです。
高等裁判所では、
「薬の通販大手のポイント制度は違法である。」
という判決が下りました。
これを不服として薬の通販大手が、最高裁に上告したわけです。
ポイント付与は違法 それとも合法?
しかし最高裁判所は
と判決を下しました。
面白いのはその判決理由。
と、原告の論拠不足を指摘。
そう、バイエルン州の薬局団体とその弁護士は、
「肝心要の証拠」
を提出せずに、
「状況証拠」
だけで訴えていたんです。
そりゃ~負けるよね!
薬の通販 EuGH判決
この最高裁の判決は、すでに2016年にルクセンブルク国内の懸案で下された
EuGH(欧州裁判所)
の判決に準した内容だった。
というのも、ルクセンブルクにはドイツと同じく
「薬剤固定価格制度」
があったんです。
しかし外国の薬の通販サイトは、ポイント制度を導入していたんです。
「これが合法化、違憲か?」
の争いで欧州裁判所は、
との判決を下していたんです。
その意味で、ドイツの最高裁の判決はある程度、予測できました。
薬の通販 判決の余波
この判決後、薬の通販会社の株価が急上昇。

投資家は、
「これで売り上げ増が見込まれる!」
と薬の通販会社の株を購入。
でも、これが大きな間違い。
というのもこの
“Redcare Pharmacy”
はドイツの薬の通販サイト。
此の為、薬剤固定価格制度の例外は適用されない。
加えてドイツ政府は2020年、薬剤固定価格制度を
と改革していたんです。
此の為、今回の最高裁判決は
「すでに存在してない法令の判決」
となりました。
新たにバイエルン州の薬局団体が、
「薬の通販サイトのポイント制度は、改革後の価格固定制度に抵触する。」
と訴えれば、話は別ですけどね。
でもそれには、その主張を裏付ける証拠が必要です。
おまけに欧州裁判所は、
「外国の薬の通販サイトのポイント制度は合法」
と判決しているので、訴えるだけ無駄。
これで今後、薬が少しでも安くなると消費者にとっては万々歳。
