ドイツの政治 ドイツの最新情報 社会問題 タブー

コロナワクチン接種義務導入! 【医療 & 介護職限定】

投稿日:2022年2月17日 更新日:

コロナワクチン接種義務導入! 【医療 & 介護従事者限定】

ドイツで遂に コロナワクチン接種義務導入! が決まりました。

本当は一般の接種義務にしたかったんですが、

「ワクチン接種反対派の一致団結した反対」

を交わすため、医療 & 介護職限定となりました。

もっともドイツは何処かの国と違い、法治国家。

コロナワクチン接種反対派が次々と国を提訴。

挙句の果てには法案に賛成したバイエルン州が、、、

コロナワクチン接種義務導入! 【医療 & 介護職限定】

医療 & 介護職限定 コロナワクチン接種義務は、

„einrichtungsbezogene“ Impfpflicht”

と呼ばれています。

 

そのまま日本語に直せば、

「施設限定接種義務」

です。

ワクチンが開発されて、

「待ってました!」

と喜んでいた去年は、

「接種義務は導入しません。」

という、生半可な態度。

あのコンクリート頭のドイツ人が、それで説得できるわけがない!

案の定、300万人の国民はワクチン接種を拒否。

ここでやってきたオミクロン株。

当初は、

「オミクロン株が広まる前に、一般接種義務を導入しよう!」

と始まりました。

でも、反対派の300万人を団結させることは避けたい。

そこで、

「医療 & 看護職従事者は3月15日までに、コロナワクチン接種を(3回)済ませるべし!」

となりました。

本当は1月導入の予定でしたが、

「2月はカーニバルのお祝いをしなくっちゃ。」

などという諸所の事情で導入が遅れ、3月に。

同時に政府の肝いり政策、

「獣医、及び薬局でのワクチン接種」

を可能にする法案も同時に採決されて、下院と上院を通過。

もう抵抗するだけ無駄?

いえいえ、そこはドイツらしい諸所の状況があります。

コロナワクチン接種反対派による提訴

医師、あるいは看護師として働くには、さまざまなワクチン接種義務が存在しています。

その接種義務に、

「コロナワクチン」

がひとつ加わるだけ。

なのに、

「自由を奪うのは間違っている!」

とワクチン接種に単体する医療 & 介護職従事者。

看護師になるには、

「人並み以上」

の頭脳が必要。

その教養のある人がたった3回、

「チクリ」

するのを、失職する危険を冒してまで反対する

「その心」

が理解できません。

でも日本なら、

「mRnaワクチンなんて信用しない!」

という屁理屈もまだ可能。

でもドイツではノヴァヴァックスの

「伝統的な製法のワクチン」

も認可されています。

この為、

「mRnaワクチンなんて信用しない!」

という屁理屈はもう使えない。

論理が働くなら、

「そろそろ白旗を上げる時期かな?」

と考えるもの。

しかしワクチン反対派は

「一億総玉砕!」

とキャンペーンを張った旧日本軍の思考回路を踏襲。

最高裁に、

「憲法違反の緊急差し止め申請」

を上げました。

しかし最高裁は、

「ワクチンはオミクロン株の抑制に効果がある。」

として緊急差し止め申請を却下。

これで3月15日からの、コロナワクチン接種義務導入は避けられません。

しかしこれで終わらないのがドイツです。

バイエルン州 コロナワクチン接種義務導入 に反対!

コロナワクチン接種義務導入に反対なら、州は上院で反対票を投じることができます。

しかし上院での決議では、各州はコロナワクチン接種義務導入に賛成。

いよいよ法案が法律になり、

「3月15日から導入!」

となったら

「導入は見送る。」

と言い出した州がある。

そう、バイエルン州だ。

バイエルン州は

「田舎」

なので、とりわけワクチン接種反対派が多い地域。

結果として感染者数も、西ドイツで一番多かった。

その変わり者が多いバイエルン州で、州知事に就いているのがゼーダー氏。

言い換えれば変わり者のトップ。

去年、自分が首相候補になれなかったのを根に持って、同僚のラシェット氏を逆恨み。

同氏の選挙戦を妨害し続けた。

その態度に

「流石のバイエルン市民」

もあきれ返り、支持率は下がる一方だ。

 

ここでさらにワクチン接種義務が導入されれば、さらに支持率が下がるのは目に見えている。

これが理由でバイエルン州は、ワクチン接種義務導入を見送ると言い出した。

なんという近視眼的な人間だろう。

そのゼーダー氏、世論で

「ボコボコ」

に叩かれると、

「導入してもいい。」

と、また方向転換。

同氏が首相にならなかったことを、神に感謝したい。

病院 & 療養施設の反対

病院 & 療養施設の反対

一見するとコロナワクチン接種接種反対派には、

「絶対絶命のピンチ!」

のように見える。

しかし!

ドイツ特有の事情で、コロナワクチン接種接種義務の導入が遅れそうだ。

その原因はドイツの病院や介護施設で、絶望的に足らない看護師だ。

もし3月15日からコロナワクチン接種接種義務が導入されると、

「ただでも足らない看護師」

を、クビにしなければならない。

これでは病院や介護施設の運営ができくなる。

そこで病院や介護施設の一部は、コロナワクチン接種義務の導入を

「無視」

する意向だ。

一般 コロナワクチン接種義務

冒頭で書いた通り政府の目標は、一般コロナワクチン接種義務の導入。

今回の医療 & 介護職限定のワクチン接種義務を

「橋頭保」

にして、反対派の抵抗拠点を

「各個撃破」

していく戦略を取っている。

本来なら政府が次の一歩である、

「一般コロナワクチン接種義務導入法案」

を国会に出すべきだ。

しかし新政府は、

「倫理上の疑問が残る。」

と、及び腰。

その政府よりも一般コロナワクチン接種義務に熱心なのが、野党のCDU。

煮え切らない三党連合政府に代わって、法案を国会に提出すべく細部を協議中だ。

その法案の草案によると、まずは

「60歳以上のドイツに住んでいる市民」

が対象だ。

これが済むと、

「50歳以上のドイツに住んでいる市民」

に対象が広げられる。

これが済むと、

「社会活動に欠かせない仕事に従事している市民」

に対象が広げられる。

そして最終的には、

「18歳以上の男女は三回のワクチン接種を受けるべし。」

という一般コロナワクチン接種義務に移行する。

政府はこの野党の法案を議論して、

「5月15日から法律の施行」

を目指している。

なれば当然、コロナワクチン接種反対派の

「恣意行動」

が激しくなる。

ウクライナ危機でも、

「ヘルメットを送る。」

という及び腰の新政府が、どれだけ反対デモに絶えれるか見物だ。

-ドイツの政治, ドイツの最新情報, 社会問題 タブー

執筆者:

nishi

コメントを残す

アーカイブ