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ロシア ウクライナ侵攻か? ドイツは軍事支援を約束!

投稿日:2022年2月1日 更新日:

ロシア ウクライナ侵攻か? ドイツは軍事支援を約束!

ロシアがウクライナ侵攻準備を着々と進めている。

しかし西側諸国の反応はイギリスを除き、

「会話で解決できる。」

と信じているようで、実に呑気なもの。

その中でもドイツの政治家の反応は、この世離れしたもの。

遠く離れた日本の政治家ならまだしも、

「ソビエト占領よる苦渋辛苦」

を味わったドイツ人の口からこんな

「平和ボケ」

した言葉が出てくるとは、、。

あまりにも目に余るので、日本の皆さんにロシア軍ウクライナ侵攻前夜のドイツの

「平和ボケ」

を知ってもらいたい。

ドイツの歴史的な責任

直近の

「ウクライナ危機」

を解説する前に、ドイツの歴史的な責任から始めよう。

ドイツは1941年6月22日、300万の兵力を持ってソビエト侵攻を開始した。

その主戦場はウクライナ領でキエフ包囲戦、ハリコフ攻防戦、セヴェストポリ要塞陥落など、ドイツ軍が名だたる勝利を挙げた。

しかし攻勢は長続きしなかった。

1943年以降ドイツ軍は後退を始めたが、占領地では穀物を接収後、市民が飼っている家畜を殺し、その家屋を焼き払った。

ウクライナ市民は真冬に食料はおろか、寒さから守ってくれる家までも奪われた。

何処かの国の軍隊は占領地で民間人を殺傷したが、ドイツ軍は直接手を下さないで自然に任せた。

そのせいかウクライナはポーランド、あるいは韓国や中国のように、

「ドイツの戦争責任」

を問う事を(あまり)しない。

だからといってドイツが、ウクライナに対して歴史的な責任から解放されているわけではない。

近視眼的なドイツのガス政策

90年代以降、ドイツはロシアからのエネルギー供給への依存度を高めていった。

かってオイルショックで煮え湯を飲まされたのに、

「熱さ喉元を通れば、、」

で、

「供給先の一極集中の危険」

を、すっかり忘れたようだった。

ドイツの首相が選挙で負けて

「民間人」

になると、ガスプロムの親会社の取締役員に就任した。

するとかっての首相はコネを使いまくり、ますますドイツをロシアの腕の中に追い込んだ。

その極みが”Nordsteam2″という名前の、新しいガスパイプライン計画だ。

このパイプラインはウクライナを経由せず、北海を通って、直接ドイツにガスを送る。

新たなパイプラインが出来ればウクライナにとって大切な

「トランジット料金」

の収入が大きく減って、国庫に大きな穴が空く。

ウクライナはドイツ政府に抗議した。

しかしドイツ政府は

「ウクライナの当然の抗議」

を無視した。

結果、”Nordsteam2″は完成、

「あとはドイツ政府が使用許可を出すだけ」

となっている。

参照 : Nordsteam2

 

ウクライナ危機は何故発生したのか?

こうした状況下でウクライナ危機が発生した。

ロシアは軍事演習を口実に軍を集結させたが、演習が終わっても軍は集結したまま。

まさに、

「いつでも侵攻できるぞ。」

と、ウクライナに圧力をかけている。

というのも民主主義を導入したウクライナは、プーチン大統領にとって目の上のたんこぶだ。

かってポーランドやチェコ、バルト三国がそうだったように、旧共産圏で民主主義を導入した国は、ほぼ”Nato”に加盟している。

2020年には危うくベラルースまで

「西側の毒」

に冒されそうになった。

しかし同志ルカシェンコの

「英雄のような働き」

で、スラブ民族大共栄圏からの脱落を妨げることができた。

問題はウクライナだ。

ここではロシア拠りの大統領は

「違法な民衆蜂起」

で、国から追い出されてしまった。

このまま指をくわえているとウクライナが

「西側のデマ」

に乗って

「スラブ民族大共栄圏」

から脱退するのは時間の問題。

これを阻止するには西側、とりわけドイツがロシアからの

「ガス奴隷」

になっている今が絶好のチャンス!

さっさとウクライナに侵攻して、ベラルースを

「お手本」

にした傀儡政権を建てるしかない。

いわば、ロシア流の満州国だ。

これが

「ウクライナ危機」

と誤った名前で呼ばれているロシアによるウクライナ侵攻の原因だ。

ドイツは軍事支援を約束!

ドイツは軍事支援を約束!

この危機的な状況下で、

「ウクライナに歴史的な責任」

を感じている筈のドイツは、勿論、軍事支援を約束した。

ドイツ国防相はウクライナに、5万個のヘルメットの供給を約束した。

 

このドイツからの

「軍事支援」

をウクライナ大使は、

「冗談にもほどがある。」

「次は枕でも送るつもりか?」

と、苛立ちを隠そうともしなった。

このドイツの及び腰は言うまでもない、ロシアからのガス供給に一存しているが故だ。

ロシアを怒らしてガスの供給が止まれば、ドイツ人とドイツ経済は2月の真冬に文字通り凍えてしまう。

だからエネルギーの供給先を分散すべきだったのに、ドイツ人の平和ボケが今の状況を招いた。

そしてロシア軍がオーダーに集結するまでは、ドイツ人は夢から覚めそうにない。

ロシア ウクライナ侵攻か?

次に

  1. ロシア軍は本当に侵攻するのか
  2. 侵攻するならその時期・戦術は

を考察してみよう。

ここでも参考になるのはナチスドイツの戦略だ。

ドイツはイギリス・フランスが平和の夢を見ている間に、軍備を増強した。

「今から軍備増強を始めても、ドイツのレベルに追いつくまで2年はかかる。」

という切り札を手中に収めると、間髪置かずに周辺諸国の侵略を始めた。

イギリスのチェンバリン首相は二度もミュンヘンまで飛んで、

「戦争を阻止した。」

と宣言したが、ヒトラーにはそんな気は毛頭なかった。

ドイツが優位にある今戦争を始めないと、2年後には

「手遅れ」

になるからだ。

白紙手形

ヒトラーはチェコを飲み込むと、次はポーランドに目を向けた。

そのヒトラーの唯一の心配事は、

「戦争になるかもしれない。」

ではなく、

「イギリス・フランスがここでも譲歩する事。」

だった。

イギリス大使はベルリンを訪問、

「ポーランドを攻撃するなら、同盟を結んでいる以上、ドイツに宣戦布告しなくてはならない。」

と、手の内を明かしてポーランド侵攻を止めようとした。

するとヒトラーは、

「イギリスが白紙手形を切ってしまったなら、払うしかない。」

と、冷酷に回答した。

今のプーチン大統領もほぼ同じ立場にある。

圧倒的な軍事上の優位を備えている今、これを利用して

「将来の危機」

を排除しない手はない。

問題は西側諸国の妥協。

西側が妥協するなら、ロシアも軍を引き上げるしかない。

それ以外、例えば

「経済政策の脅し」

「5万個のヘルメット」

でロシアがウクライナ侵攻を止められると考えると、チェンバリンの二の舞になる。

侵攻時期

今週から始まるオリンピックは、ウクライナ侵攻に絶好の機会を届けてくれる。

世論が、

「日本は金メダルを何個取れるのか。」

と浮かれている時ほど、軍事作戦に適した時期はない。

今、ロシアが交渉に応じているのは、侵攻した際に

「西側が妥協しないから、やむを得なかった。」

というアリバイ作りに過ぎない。

プーチン大統領は軍を展開しつつ、攻撃に最適な時間を待っている。

侵攻の目的

「ウクライナは20万を超える兵力を持ち、西側の武器提供で十分な防衛力を持つ。」

というアナリストが居る。

「アフガニスタンの敗戦」

を見ていないのだろうか。

圧倒的な兵力を持っていても、又、武器を提供するだけでは戦争には勝てない。

しかし!

ロシア軍が国境沿いに展開している軍事力は、10人万程度。

ウクライナ全土を制圧するには足らない。

ロシアが考えているのは、西側が反応する前に緒戦でウクライナの軍事力を半減させることだ。

黄号作戦

ドイツ軍は1940年5月10日、黄号作戦を開始して1ヶ月でフランスを降伏させた。

その成功の秘訣は、奇抜な戦略にあった。

本来ならパリを目指して進軍するものだが、ドイツ軍はフランス領に侵攻後、イギリス海峡に向けて北上した。

この奇抜な戦略に連合運は完全に

「寝首」

をかかれた。

結果、イギリス派遣軍の大半とフランス軍の1/3が袋のネズミとなった。

フランスはほぼ無傷のドイツ軍の大軍を相手に、残る軍隊で戦っても勝てる見込みはなく、休戦を申し込んだ。

ロシアも同じ戦略を採用するだろう。

主攻撃はベラルースから

ウクライナを二方向から挟み撃ち

ウクライナは、重要な工業地帯であるウクライナ東部を奪われることは、なんとしても避けたい。

そこでここに

「嫌でも」

を軍を駐留させなくてはならない。

そしてウクライナ侵攻が始まれば、まさにここで最初にドンパチが始まるだろう。

そしてウクライナ軍は東部からのロシアの侵攻に対抗するため、ここにウクライナ軍の主力を向ける。

しかし実はこれは

「助攻撃」

で、主攻撃を隠すための陽動作戦だ。

ウクライナの地図を診てもらいたい。

ウクライナの北にあるのがベラルースで、キエフを始めとする

「ウクライナの重要拠点」

が、

「どうぞ、ご自由にお持ちください。」

とばかりに鎮座している。

これを真っ先に取る為に、ロシア軍の主攻撃は北から始まる。

その進撃方向はドニエプル河を渡河しなくてもいいように、首都キエフの背面(西側)に向けられる。

首都を迂回してキエフの南で東に転進して、東から進軍してきた軍と合流する。

すると首都キエフは勿論、ウクライナ軍の主力も袋のネズミ。

これがロシアの黄号作戦となり、軍の主力を失ったウクライナは白旗を上げるしかない。

ウクライナは数週間しか持たないだろう。

ウクライナ唯一の希望とは?

ロシアのウクライナ侵攻で最も重要な要素は、作戦期間だ。

仮にウクライナが数か月、ロシアの軍事侵攻に持ちこたえたとしよう。

するとあのドイツでさえ、

「真面目な軍事援助」

を始める。

イギリス、フランス、そして米国の軍事支援は、もっと早いだろう。

するとイタリア程度の経済力しかないロシア経済は、大きく疲労、戦争遂行できなくなる。

そもそもロシアが10万人程度の軍事力しかウクライナ侵攻に割いていないのは、20万人も派遣するとロシア経済へのダメージが大きいからだ。

これがウクライナの唯一の希望だ。

それにはウクライナは首都はおろか、大事な東部もあきらめて、西側に軍隊を配置するしかない。

コメデイアンが大統領に就任している国では、まず無理な話。

ロシアは数週間でウクライナを制圧するだろう。

早い話がロシアは戦略上、

「これ以上ない」

というほどに有利な立場にあり、

「あのプーチンがこれを利用しない?」

というのは考え難い。

ロシア軍 ベラルースに機動部隊を集結中

ロシア軍は

「演習」

を口実に機動部隊をベラルースに集結中だ。

おまけに動員の兵力を、10万から12万人に、ほぼ二個師団を増強した。

演習の予定日は2月10日。

月齢も2月10日が半月で、17日の満月に向けて夜な夜な明るくなり、軍事作成は最も適している。

3月になれば(天候次第で)雪原が泥沼に変わり、軍事作戦には不利。

こうした諸状況から、ロシアがウクライナを侵略するチャンス、あるいは危険はこの先2週間が最も高い。

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執筆者:

nishi

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