ドイツの株式指標 DAXは先週から、6日連続の最高値更新。
上昇率0.1～0.3％のスローテンポで、1万6200ポイントを突破。
10月に1万5000ポイントまで下げて、一ヶ月で1200ポイントの上昇！
これまでは最も楽観的なアナリストでも
「年内に1万6400ポイント！」
だったのに、
「1万7000台も夢じゃない！」
と夢が膨らんでます。
この記事の目次
DAX 連日最高値更新中！ ユーロ安が追い風に
DAXは1週間で0.8％の上昇。
前人未到の1万6200台まで上昇。
しかも上昇しているのは、DAXだけじゃない！
日々、
「過去最悪のコロナ感染者数」
も上昇中。
しかるに株式市況が最高値を更新している原因のひとつが、ユーロ安。
2021年の最安値を記録。
日本同様に輸出型経済のドイツには、ユーロ安が追い風に。
全体としては上昇基調の株氏市況で注目を集めた銘柄を紹介します。
K+S 損益報告に問題あり？
まずは先週書き損ねたニュースから。
岩塩を採掘、肥料や（冬に）道路に撒く塩を製造してるk+s。
2019年、カリウムの価格が暴落。
k+sは所有している鉱山の資産価値を下げる事を迫られました。
2021年2月、金融機関監察局が、
「資産価値の下げ幅を少なく見積もっている。」
と指摘、決算のチェックを会計警察の”DPP”に命じました。
先週、その会計監査の報告があり、
「資産見積もりには問題あり。」
との結果。
イケイケどんどんだった株が、
大きく下げました。
もっとも登り竜の株だけあって、1週間後には
ほぼ回復。
KGVが1と激安で、しかも成長株。
少ない掛金で一発大儲けを目指す方には、ぴったり？
ハバックロイド 利益が10倍増！
コロナ禍が巻き起こした消費ブームで
「コンテナが足らない！」
と活況の商船業界。
257隻の商船を抱えるドイツの最大手ハバックロイド、2020年比で10倍の利益を計上。
2020年はコロナ禍で
「仕事がなかった。」
とは言え、10倍の利益増は立派。
2021年度の業績予測も上方修正。
すると株価は、
下げました。
その後も連日下げてます。
コンテナ不足は2022年まで続くというのに、何故？
株価は高いが、KGVはたったの11。
お買い得だと思うのに、何故、株価が下げるのかわからない。
Ernst Russ 株価どこまで上がる？
ハバックロイドの株価が伸び悩みしてるのに、
「一体、どこまで上がる？」
と誘惑させられるコンテナ貸し業のErunst Russ
株価は昨日、
3.5％上昇。
1年で436%。
「絶対に落ちる！」
と思ってたのに、落ちてこない。
KGVも20と、思ったほど高くない。
利益確定の売りが入ったら、狙い目？
が、
「同業者の投資詐欺」
があったので、なかなか食指が伸びないんだよね～。
ワイヤーカード株 取り扱い中止
ドイツ経済史 & 経済犯罪史に名を遺したワイヤーカード。
2020年に粉飾決算がバレて倒産。
DAXの構成メンバーが倒産したのは、後にも先にもワイヤーカードだけ。
今週、株式市場の運営元が、
「11月17日をもってワイヤーカード株の取り扱いを辞める。」
と通告。
まだ株を持っていた株主は売却を余儀なくされ、63％も下落。
でもゼロにはならず2セントで取引終了。
おまけにまだ6百万ユーロもの
「市場価値」
が残ったまま。
その一方で2018年に倒産したエアベルリンの株は、
今でも売買できます。
株式市場の運営元にしてみれば、倒産した会社の株でも売買されれば手数料で儲かります。
なので取引中止になることは滅多にない。
おそらく
「ドイツの恥」
であるワイヤーカードの名前を消し去りたい政治 & 株式市場の運営元が、取引中止を決めたようです。
Secunet Security Networks 来年の見通しに暗雲？
ドイツで珍しいIT関連企業が Secunet Security Networks
本社はエッセン。
へ～珍しいね。
主要な事業は会社のネットワークを守るソフトを提供。
とりわけコロナ禍でホームオフィスが義務化されると、大盛況。
しかし来年はコロナ禍が克服され
「売り上げが10％程度、利益は20％程度減りそうだ。」
と業績目標を発表。
株価は
真っ逆さま。
翌日、リバウンドしましたが、その後、また下げてます。
KGVが75という、超成長株。
成長株が成長を辞めると、株価がこのように下がります。
KGVが40を超える会社には要注意。
Qiagen 合併の噂で株価上昇中
去年、日本では希少価値だったPCRテスト。
それもそのはず。
実施されたPCRテストの多くは、”Qiagen”が製造したものでした。
まさにコロナ禍の寵児。
コロナが収まってから株価は軟調。
ここにきて、またPCRテストの需要が急増。
株価も上昇中。
今週株価を大きく上げたのは、
「おフランスの同業者との合併か？」
との憶測報道。
実は去年、買収される筈だったんですが、コロナ禍で株価が爆発。
株主が、
「買収額は安すぎる！」
と反対、買収が失敗に終わりました。
投資家は合併を期待して、株を取得中。
余ったお金があれば、あなたも合併に賭けてみる？
ジーメンス ヘルシニアーズ 株価最高値更新中
コロナ禍で儲けたと言えば、ジーメンス ヘルシニアーズ。
コロナ抗原テストキットで大儲け。
米国で買収した癌診断の大手の業績が加わり、業績も拡大中。
9月末で終わった2020/2021年の業績は、前年比でわずかに減少。
しかし、
「マージン率を保持しながら、毎年、６％売り上げ拡大を目指す。」
との目標に、
株は1週間で12％も上昇。
株価は連日、最高値を更新しています。
コロナ第四波で抗原テストの
「特需」
が予想されるのも、株価を押し上げています。
テュッセン株 カムバック！
ドイツでは、
「死んだと噂された者は長生きする。」
と言われます。
それを字で行くのが、かってのドイツの軍需産業のテュッセン。
第一次大戦の敗北、第二次大戦の敗北、オイルショック、何度も
「死んだな。」
と噂される度にカムバック。
上層部のミスでここ数年、大赤字を計上。
鉄鋼の価格が落ち込んで、鉄鋼を製造するだけ赤字になるという状況。
エレベーター部門を売却して、借金を減らすも、
「金が尽きる日を指折り数えて待つだけ。」
という最悪の状況。
「倒産するんじゃない？」
と心配だったので、
「安くなっても絶対に買わない！」
と決めてたテュッセン株。
今週、見事なカムバック！
すると、
「買っておけばよかった～。」
と思うのが人間の性。
もっとも！
株価回復の原因は、
「景気回復で鉄鋼の需要が増した。」
だけ。
会社が何かしたわけじゃない。
鉄鋼の好景気は長くて5年。
5年の間に会社の業績における鉄鋼事業の割合を減らさないと、5年後にはまた大不況。
環境保護が切り札？
先日、ホンダが部品メーカーに
「2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロに！」
と指示。
環境保護が進んでいるドイツでは、もっと厳しいです。
例えばメルセデスはスウエーデンの鉄鋼会社に、
「二酸化炭素ゼロ鉄鋼」
を注文。
グリーンな水素で鉄鋼を生産してる数少ないメーカーは、今後、同様の需要が見込まれます。
テュッセンは
- 再生エネルギーを使いグリーンな水素を製造する技術
- 水素で鉄鋼を製造する技術
両方を持ってます。
日本ではまだ研究段階の技術ですが、欧州ではすでに大型施設で操業中。
今回、
「2022年にはグリーンな水素を製造する会社を上場か？」
との噂で株価が大きく上昇。
テュッセンの株を今、保有していれば、新しい会社の株を
「ただで」
貰えます。
脱二酸化炭素に欠かせない再生エネルギーを利用しての水素分離技術。
今のうちに株をもっておけば、10年後には大きく化けます。
利益確保を忘れずに！
これだけ
「最高値更新」
が続くと
「利益確定の売り」
が必ず入ります。
来週か、それも再来週か。
含み益がある場合は、来週あたりに打って利益確保を忘れずに！
利益確保をしておくと、売りが来たら、
「下げちゃったよ～。」
ではなく、
「やった！また下げた！」
と、同じ株を買い戻せばいいです。
利益確定の売りが入る！
「利益確定の売りが入る前に、、。」
と書いた後、まさにその利益確定の売りが入りました。
原因はコロナ禍。
今まで無視してきましたが、
「オーストリアのロックダウン」
がきっかけになり、
「ドイツでもロックダウンになるかも？」
との心配が急に意識された結果です。
金曜日は一時、マイナス0.8％。
その後、米国の株式市場が黒字スタートしたきので、少し回復。
Aixtron株売却
金曜日、ダウはマイナス0.7％。
ドイツのコロナ禍はまだまだ悪化するので、
「そろそろ潮時」
と判断、まだ黒字だったAixtron株を売却！
戦術予備を確保しました。
月曜日、オープニングで株価大きく下げる筈！
急上昇したら、原辰徳～。
