ドイツの税務署 は日本の税務署と全く違います。
例えば税金の徴収のやり方。
2021年にドイツで自営業、あるいは会社の登記をしたら、
「2022年に確定申告してから所得税を払えばいい。」
って思いますよね?
ドイツでは届けを出した数週間後、2021年度の所得税の前払いを要求されます(*1)。
これが安くないっ(*2)!
これからドイツに行かれる方、
「覚悟」
しておきましょう。
この記事の目次
“Widerstand ist zwecklos.”(抵抗するだけ無駄)
今のドイツは戦前の
「ナチ国家」
とは全く異なる国になりました。
でも中には、戦前と変わってない部署もあります。
そのひとつがドイツの税務署です(*3)。
ヴォークのセリフ、
“Widerstand ist zwecklos.”(抵抗するだけ無駄)
のオリジナルはドイツの税務署じゃないか?
と思うほど。
皆さん、税務署に抵抗する時間と労力を、税務署の要求する条件を満たす努力をしたほうが建設的です。
税務署の決定に抵抗するだけ無駄です。
でもドイツ人には、他人のアドバイスに従うのを嫌う傾向があります。
税務署の決定を違法として訴えたドン キ ホーテが居た。
ドイツの税務署が課す金利6%は合法か?
ドイツの税務署から税金の支払い命令が届くと、どんな言い訳があっても、期日までに支払いを済ませなくてはなりません。
これを怠ると請求額に利子が付きます。
これが半端じゃない6%。
「マイナス金利の時代に、6%の金利なんて高金利は違法だ!」
との訴えが最高裁判所まで行った。
最高裁判決 6%金利は違法なり
最高裁は、
「2018年までの税務署の金利はまだ許容範囲だが、2019年以降の金利は違法である。」
と判決を下した。
これにより違法に税金を徴収した税務署には、
「2019年以降に徴収した金利」
を返還する義務が生じることになった。
適正金利は?
ここで問題になるのは、
という点。
適正金利が決まらない限り、返還する額も算出できないので、違法に徴収されたお金が戻ってこない。
最高裁はどの金利が適正なのか、示唆をしなかった。
その代わりに
「2022年7月31日までに政府が決めるべし。」
との要求を出したので、9月に選出される新政府が適正金利を決めることになる。
払い過ぎた金利の払い戻しはそれからなので、辛抱強く待つことが必要だ。
支払い請求書はどうする?
今、すでに税務署から税金滞納にて利子を課金された方はどうすればいいのだろう?
この場合は税務署と話してください。
こういう話なら税務署も応じます。
税務署が一度下した判断を変更することは稀なので、違法な金利での清算を命じられる可能性は大。
注釈
*1 ドイツには住民税・市民税はありません。
*2 実績がないので税務署は大きな利益が出るように業績を見積もります。結果、高額の税金の前払いが舞い込んできます。
*3 もうひとつは外人局。