ドイツの達人になる 規則、法律

コロナで休暇旅行が台無し お金を返して!

投稿日:2023年5月17日 更新日:

コロナで休暇旅行が台無し お金を返して!

ドイツ人が

「三度の飯」

よりも大好きな休暇旅行。

なのにコロナで移動が制限されたからさあ、大変!

日本人なら、

「コロナに罹るのも嫌だし。」

と、そもそも旅行に出かけない。

がドイツ人は、

「俺の大切な休暇旅行を、コロナに邪魔されてたまるか!」

と休暇に出かけた。

今回はそんなドイツ人の物語である。

2020年3月 Gran Canaria

ドイツの冬。

日本人が旅行代理店で必ず聞くのは、

「冬でも泳げる場所(国)は何処。」

だ。

もっとも泳ぐだけなら、北海でもできる。

そう、日本人は決まって

「快適に」

という言葉を外す。

そんな

「冬でも快適に泳げる場所(国)」

のひとつが

“Gran Canaria”(グラン カナリア)

だ。

言わずもがな、ドイツ人の大好きな休暇先だ。

皆まで言えば、観光以外に産業がなく、とっても貧しいかってのスペインの植民地。

物価の安さも、

「価格重視」

のドイツ人の💛をしっかり握っている。

ちょうどドイツでもコロナ患者が出始めていた2020年3月、ドイツ人のカップルは

「俺達の大切な休暇旅行を、コロナなんぞに邪魔させない!」

とグラン カナリアにやってきた。

コロナ感染対策中

コロナ感染対策中

ところがである。

コロナ初期ということもあって、非常に厳しいコロナ感染対策が実施されていた。

具体的には、

  • ビーチは立ち入り禁止
  • プールも閉鎖
  • ホテルのロビーも閉鎖

という有様で、部屋を出る事ができたのは食事の際だけ。

挙句の果てには、

「万が一の際にはすぐに出国できるように、電話の前で待機!」

という要請まで。

「これはもう休暇じゃない!」

と、2週間分の料金を払った休暇を1週間で中断、ドイツに帰ってきた。

コロナで休暇旅行が台無し お金を返して!

カップルはドイツに到着すると、

「コロナで休暇旅行が台無し。お金を返して!」

と、旅行主催者に要求した。

これからドイツに行かれる方にアドバイス。

ドイツの会社、一度貰ったお金を戻すことはありません。

 

ドイツ人がお金を返すのは、裁判所から命じられた時だけ。

今回も

「コロナ規制は政府が課したもの。旅行主催者が課したワケじゃない。文句は政府に行ってくれ。」

と、旅行主催者は

「びた一文」

たりと返金を拒否。

そりゃ~裁判沙汰になるでしょう。

ドイツ人はほぼ

「弁護士保険」

に入ってるし~。

欧州裁判所判決

旅行主催者はミュンヘンの地方裁判所に訴えられました。

すると地裁は、

「欧州全域に共通する判決を下す必要がある。」

と、この懸案を欧州裁判所に送りました。

2023年1月12日、欧州裁判所は、

「パッケージ旅行で約束された余興がコロナ規制で利用できないなら、消費者には返金を求める権利がある。」

と判決を下しました。

加えて旅行主催者側の主張、

「休暇旅行を買う時点で、コロナはドイツでも広がっていた。だから休暇先での制限は原告も推測できた筈。」

と主張していたが、

「すでにドイツでコロナが広がっていたかどうか、それは関係なし。」

と判決。

今後、この懸案はミュンヘンの地裁に戻されて、地裁が欧州裁判所の判決に沿った判決が下されることになる。

判決の要点

すると中には、

「私も同時期、日本に帰国したけど、コロナ規制で日本滞在を満喫できなかった!」

と考える方が居る。

欧州裁判所の判決の要点は、

「パッケージ旅行」

という点です。

パッケージ旅行は

「休暇法」

の上でも特別扱いされる商品です。

上述のカップルもこのパッケージ旅行を買ったので、

「返金する権利がある。」

と欧州裁判所が判決したんです。

チケットしか買っていないのに、

「Hisに」日本行のチケットの返金を求めてやろう!」

なんて考えないように。

もし日本行の

  • チケット
  • ホテル
  • 食事

などがパッケージになった日本旅行を購入していたら、

「返金の条件」

は一応、満たします。

詳細は当社ではなく、お近くの弁護士事務所までお問い合わせください。

-ドイツの達人になる, 規則、法律

執筆者:

nishi

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