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レオパルト戦車 名前の使用を巡って法廷闘争に!

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レオパルト戦車 名前の使用を巡って法廷闘争に!

2023年4月。

ドイツ一の軍需産業ラインメタル社の社長が、

「我々は独自に開発したレオパルト2型(2A4)を、千台製造した。」

と記者に威張って語った。

するとこの記事を読んだライバルの

“KMW”(カーエムヴェー)社から、

「レオパルト戦車の名前の無断使用」

の廉で訴えられてしまった!

面白いニュースなので一人で楽しんでないで、皆さんにも紹介したい。

レオパルト2型の製造元は?

レオパルト2型の製造元は?

皆さんは、そもそもドイツ軍の主力戦車

“Leopald2″(レオパルト2型)。

の製造元をご存じだろうか?

正式には

”Krauss-Maffei Wegemann”(クラオス マファイ ヴェーゲマン)

略して”KMW”が、”Generalunternehmer”となっている。

Generalunternehmer とは?

でも、

質問
Generalunternehmer って何?

 

わかりやすいように例を出しましょう。

東京の一等地で大型商業ビルを建設するとします。

入札の結果、鹿島建設が受注。

が、実際に工事現場で働くのは下請け業者の労働者。

工事現場にいる鹿島建設の社員と言えば、現場監督くらい。

にも拘わらず、工事を受注したのが鹿島建設なので、この場合は鹿島建設が

“Generalunternehmer”(建設請負会社)

となります。

戦車でも同じ。

ドイツ政府からレオパルト2型の受注を受けているのは、”KMW”社です。

だから”KMW”が、”Generalunternehmer”です。

そして実際にレオパルト2型を

「組み立てて」

いるのも”KMW”社です。

問題はここから始まります。

“KMW”社がレオパルト2型戦車用に製造している部品は少ないんです。

部品の大部分はラインメタル社製なんです。

ちなみにレオパルト2型戦車に搭載されているエンジンは、”MTU”社製。

正確にはロールスロイス MUTという会社名。

そう、イギリスのロールスロイス社が会社を買収したんです。

職人が心を込めて、エンジンを手作りしています。

1年に12台ほどしか作れません。

なのに

「ウクライナで戦車が大量に要る!」

となってもエンジンが足りない。

すなわち!

1年に製造できる戦車も12台というわけです。

問題をさらに複雑にしているのは、かってはラインメタル社でもレオパルト2型戦車の組み立てを行っていました。

が、最新モデル(2A6 & 2A7)になると、”KMW”でのみ組み立てを行っています。

でも部品の大多数がラインメタル社製なのは、変わりなし。

ラインメタル vs. KMW

そもそも同じ分野で商売をしている会社同士、仲が良かった試しがない。

わかりやすい例を挙げれば、アドルフとルドルフの兄弟。

仲違いした結果、同じ町のこちらと向こう側にそれぞれ、アデイダスとプーマというスポーツ用品メーカーを創設した。

これはラインメタルとKMWでも同じ。

ラインメタルには、

「レオパルト2型の最新モデルの組み立て過程から外された!」

という恨みがあった。

そこで

「次期主力戦車」

がテーマになると独自で主力戦車

“KF 51 Panther”

を開発した。

するとライバル社に

「先を越された!」

“KMW”は、

「大したことないね。」

とけなした。

ここで独裁者プーチンが、無謀なウクライナ軍事侵攻を命令。

するとラインメタルの社長はウクライナまで行ってゼレンスキー大統領と会談、

「ウクライナに戦車工場を作れば、毎年、パンター戦車を400台提供できる。」

とラブコール。

“KMW”は年間12台製造するのがやっとなので、天と地の違いだ。

これに”KMW”が

「カチン!」

と来たのは言うまでもなかろう。

ぜロからヒーローに

ドイツでは

「軍事産業」

というとからきっし人気がなかった。

「軍事企業に勤めたい!」

というのは軍事オタッキーくらい。

優秀な人員の確保にも苦労した。

そこでラインメタル社は

「自動車部品部門」

を創設して、

「軍需産業」

よりは

「自動車部品メーカー」

と呼ばれることを望んだ。

株価も永遠に20ユーロ前後で推移した。

ところがである。

独裁者プーチンのウクライナ侵攻で、人々の見方が変わった。

今までは

「人殺しの道具!」

と揶揄されてきたレオパルト2型戦車が、

「戦況を変える可能性を秘めた世界で最も優秀な主力戦車」

に変身、まさにゼロからヒーローになった。

株価も280ユーロまで高騰、ラインメタル社は4月、DAXへの昇格を果たした。

レオパルト戦車 名前の使用を巡って法廷闘争に!

ラインメタル社にはメデイアからの

「取材依頼」

が殺到した。

侵攻前だったら、

「死の商人」

の言動なんぞ、誰も気にしなかっただろうに。

その記者会見のひとつで社長のパッペルガー氏が、

「我々は独自に開発したレオパルト2型(2A4)を、千台製造した。」

と発言した。

これを読んだ”KMW”は

「堪忍袋の緒」

が切れた。

「レオパルト戦車の名前は”KMW”社が所有する固有名詞であり、他社がこれを自社の製品のごとく使用するのはやめるべきだ! 」

と裁判所に訴えた。

まさに上の例で述べたアドルフとルドルフの兄弟の如し。

両社の仲は犬猿の仲。

和解

今日、5月2日にミュンヘンの裁判所で最初のけなしあい、すなわち両社の言い分が聞ける筈だった。

と~っても楽しみにしていたのに、裁判所は

「両社が和解したので、これにて一件落着!」

と宣言。

「残念!」

と思ったのは私だけ?

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執筆者:

nishi

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