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モノポリストの憂鬱 “Alle Mächte der Welt sind vergäglich”

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モノポリストの憂鬱 "Alle Mächte der Welt sind vergäglich"

カトリック大司祭、ローマ帝国の皇帝、そしてグーグル。

この3者に共通することは?

そう、世界を支配する権力です。

が、かっては世界を思いのままに支配したカトリック大司祭やローマ帝国の皇帝、その権力は何処に?

同じことがグーグルにおきるのか?

グーグルの登場

インターネット黎明期。

一体、誰がネット検索で大金を稼ぐことができると予言できたろう?

当時、ネット検索で王座に就いていたのはYahooだった。

まだネット広告などはなく、

「是非、ウチを載せてほしい!」

という会社はヤフーにウン十万円を払って

「審査」

を受けることができた。

そう、審査を受けるだけでウン十万円です。

審査に落ちたら、

「残念ながら、、。」

と返事が来ておわり。

なんという殿様商売!!

「こんなボロイ商売を、ヤフーに独占させておく手はない!」

と登場したのが、スタートアップのグーグルだった。

モノポリストの憂鬱 “Alle Mächte der Welt sind vergäglich”

グーグルの創設者は、検索エンジンにアルゴリズムを使用して膨大な情報量を検索すると

「あっ!」

という間に検索結果を表示した。

ヤフーのような、

「審査に通った会社だけ載せる。」

とは大違い。

膨大に広がるWWWの世界の中を、

「希望の情報」

を探して検索する本当の検索エンジンの誕生だった。

その優れたアルゴリズムでグーグルは

「あっ!」

という間にネット検索市場を席捲した。

質問
ヤフーはどうなったの?

 

当初は自らアルゴリズムを開発して対抗しようとした。

これに失敗して、

「ジリ貧」

が確実となった時、

「買いたい。」

とマイクロソフトがヤフーに買収オファー。

Yahooの社長は、

「マイクロソフトの助けなんぞ要らん!自力で復活する!」

とこのオファーを蹴った。

その結果、Yahooはさらに市場価値をなくして

「ドカ貧」

に。

最後は”Verizon”に買収された。

ちなみに今、Yahooで検索に採用されているのはグーグルの検索エンジンだ。

なんという皮肉だろう。

これが

「モノポリストの憂鬱」

というもので、

”Alle Mächte der Welt sind vergäglich.”(どんな強大な権力もいつかは消え失せる。)

という人類史の新たな一例に加わった。

グーグルの権威主義

皆さん、グーグルの検索結果に満足してます?

あるいは、グーグルは何を基準に上位表示させているか、ご存じですか?

基準になる項目は何十とあります。

一番大事な点だけあげると、

  • 専門性
  • 外部サイトからのリンク数
  • キーワードの数と整合性
  • 写真の質と数
  • 権威

です。

とりわけ最近は

「権威主義」

に偏っており、大企業のサイトばかり優遇しています。

ちょうどゴールデンウイークなので

「沖縄に遊びに行こう。」

と宿を検索すると、出てくるのは大手の旅行サイトばかり。

小さな旅行代理店、ホテルなどは絶対に上位に出てきません。

これではインターネット黎明期のヤフーの殿様商売と、大して変わりなし。

拝金主義

拝金主義

グーグルの検索が、

「不正確」

である最たる例はユーチューブ。

このブログを読めば私の趣向が、

  • 写真・カメラ・レンズ
  • パソコン
  • ドイツ

であることは一目瞭然。

毎日、グーグルで検索しています。

なのにその私がYoutubeを見ると、

  • 美肌
  • 葬式
  • 2トントラック
  • 携帯
  • 高級ホテル(旅行)
  • パチンコ店
  • 住友銀行カード

などなど私が検索したことはないし、興味のないことばかり、、。

広告主は毎回、数百円の宣伝料を払っているんですよ。

なのに俺に

「美肌」

の宣伝を見せてどうする?

あまつさえ2トントラックの宣伝なんぞ俺に見せたって、

「来月は2トントラック買うか?」

となるわけがない。

宣伝主は

「グーグルだからきっと、興味を持っている人に宣伝を流している。」

と思ってお金を払っているのに、グーグルは、

「宣伝が視聴されたら広告収入が入る。」

と、まったく関係のない宣伝ばかり、、。

ひどい。

かってのカトリック大司教のように

「ありあまる権力」

を持っているので、やりたい放題。

Bingの反撃

ところがここで、そのグーグルの権力に陰りが出始めた。

その原因は、よりによって

「生涯負け犬」

とされてきたマイクロソフトの”Bing”だ。

“Bing”はこれまでどんなに頑張っても、検索市場で4%以上を獲得したことがない。

なのに2月から3月にかけて、検索市場占有率が15%も上昇した。

 

原因は言わずと知れた

“Chat GPT”

のお陰だ。

「検索結果にChat GPTの機能を加える。」

と宣言したのが効いた。

世界を制するグーグルは直ちに独自のKI、”bard”で応戦。

グーグルのトップは

「バードのお披露目会」

でバードに質問をした。

するとバードが出した回答が見当違いだったため、

「赤っ恥」

をかいて、株価は7%も下落した。

株価で計算すると100億ドルを失った。

いい気味~。

eine offene Rechnung

そう、グーグルには

“eine offene Rechnung”(個人的な恨み)

がある。

そもそも4年前に帰国したのは、グーグルが検索結果から会社のサイトを除外したのが原因。

3年かけてグーグルの

「アルゴリズムの謎」

を解明。

再びホームページが検索結果のトップに復活!

「よし!2023年こそはドイツに帰国!」

とアウグスブルクのアパート探し。

すると3月15日、グーグルが検索のアルゴリズムをアップデート。

そう、俗に言うコアアップデートだ。

お陰で会社の検索順位が、ガタ落ち。

昔なら、

「これはヤバい!」

と焦っただろうが、今回は、

「カチン!」

と頭に来ました。

「拝金主義のグーグルに、これ以上人生を左右されてたまるか!」

と、3月末の銀行信用危機で帰国資金を投入。

配当金と売却益で十分な生活費が稼げるように、株に財産の94%を投入。

口座に残っているのは1年分の生活費+お小遣いだけ。

当然、2023年のドイツ帰国はなし。

全部、グーグルのせい!

そのモノポリストがあえいでいる姿を見るのは、

“Balsam für Seele”(傷んだ心の塗り薬)

です。

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執筆者:

nishi

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