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ウクライナ軍 ヘルソン奪回! 次の手は?

投稿日:2022年11月14日 更新日:

ウクライナ軍 ヘルソン奪回!

と、万歳三唱してる時間はない。

ロシア軍はすでに、ヘルソンへの砲撃を開始している。

ヘルソンに住む市民を救うため、ウクライナ軍は

「冬休み」

の前に

「もうひと踏ん張り」

が必要だ。

でも、そもそもどうやってヘルソンを奪回したん?

ウクライナ軍 大規模攻勢開始

ほとんど報道されていなかったが、ウクライナ軍の大規模攻勢は11月8日に始まった。

地面が乾いていないので、

「まだ先だろう。」

と思っていたら、ウクライナ軍はまたしてもロシア軍の裏をかいた。

裏をかいたのは、攻勢の時期だけではない。

中央突破!

中央突破!

 

ロシア軍はウクライナ軍の攻勢を

「右翼に向けて始まる。」

と予想、この一ヶ月、塹壕を三重、四重に掘っていた。

最初の陣地が突破されても第二、第三、第四の防衛ラインでウクライナ軍の進撃を止め、

「退却するウクライナ軍に目に物みせてやる。」

という目論見だ。

が、ウクライナ軍は衛星画像でそんなことはすっかりお見通し。

ウクライナ軍が防衛ラインの突破口に選んだのは、(ロシア軍からみて)右翼ではなくて、防衛線のほぼ真ん中だった。

そこにはくねくね曲がりくねってドニエプル河に注ぎ込んでいる

“Inhulez”川

という自然の障害がある。

ウクライナ軍はこの川の(ロシア側からみて)左岸から中央突破を図った。

もし中央突破に成功すれば、ウクライナ軍はロシア軍が懸命に築いた防衛ラインを迂回できる上、右岸に展開する敵軍を孤立させることができる。

 

もし中央突破に成功すればの話だが。

成功の理由① 集中砲火!!

言うは易し。

「203高地の戦い」

を例に出すまでもなく、

「中央突破は一番マズイ戦術」

とされている。

質問
なんで?

 

前方、右側、左側に陣地を構えている敵軍に狙い撃ちされるからです。

中央突破を図り、戦闘に勝った例は関ヶ原合戦くらい。

それも左翼を守る敵の寝返りがあったから。

普段は負けます。

なのにウクライナ軍は、敵の防衛ラインの中央部に対して大規模攻勢を開始した。

質問
なんでうまく行ったの?

 

ウクライナ軍は攻勢をかける直前に、ロシア軍の陣地に向けて、

「雨あられ!」

とロケット砲を打ち込んで、敵陣地をすき返したからです。

成功の理由② 奇襲

加えてウクライナ軍の奇襲効果が、攻撃成功の理由に挙げられる。

評判が地に落ちたロシア軍だが、皆さんが思うほど馬鹿ではない。

ちゃんとウクライナ軍の移動を衛星で把握している。

ウクライナ軍が増援部隊を送っているのを見たロシア軍、

「(ロシア軍の)反攻に備えて、防衛部隊を増強している。」

と判断した。

まさか待ち構えている防衛線のど真ん中に、万歳突撃する軍隊は居ないからだ。

日本軍を除けば。

ところがどっこい、ウクライナ軍はそのど真ん中から攻勢に出た。

さらに!

夜間に後方の陣地から大量の兵員を

「戦闘開始地点」

に送りこむと、砲撃ですき返された敵陣地に向けて間髪入れずに攻勢に出た!

こうしてロシア軍が、ウクライナ側の企図を察知する事を防いだ。

そしてウクライナ軍が2方向から攻撃をかけてくると、ロシア軍は手元に残る兵を増援に送った。

すると、ウクライナ軍の第三派の攻撃が始まった。

もう増援に送る兵員は残っておらず、ウクライナ軍はロシア軍の防衛線を突破した。

撤退令

撤退令

11月9日、ロシア軍の防衛線には大きな凹みが出来ていた。

ここでロシア軍は密かに撤退令を出した。

メデイアでこの撤退令が報道されたのは、それから24時間以上経ってから。

しかしこの撤退令は、実によく考えたウクライナ軍の大規模攻勢があったからこそ、可能になった。

不幸なのは

「ウクライナ軍の攻勢が来る。」

とこの一ヶ月、朝から晩まで塹壕を掘らさせれていたロシア兵。

掘った塹壕を放棄して逃げる事を余儀なくされたが、後衛部隊として追撃するウクライナ軍を邪魔する任務を与えられた。

挙句の果てに

「ドニエプル河西岸」

に取り残されてしまった。

今、ウクライナ警察はロシア兵は私服に着替えて

「民間人」

に成りすましているロシア兵狩りをしている。

永遠にロシアの一部?

面白いのが今週、開催されるG20。

独裁者プーチンは当初、この国際会議に出席すると返事をしていた。

ところがヘルソン陥落で面目丸つぶれ。

「合わせる顔がない。」

と、代わり外務大臣を送り込んだ。

そのプーチンは6週間前、占領地のロシア併合を宣言、

「永遠にロシアの一部である。」

と宣言していた。

そのプーチンの

「永遠」

は6週間しか続かなかった。

かってヒトラーは、

「第三帝国は1000年続く」

と豪語したが、13年で崩壊。

独裁者というのは、国籍は違っても、同じ誇大妄想を抱いているのが興味深い。

ドニエプル河 渡河作戦

本来ならヘルソン奪回で、万歳三唱!

しばらくは

「冬休み」

を入れたいが、そうはいかない。

ロシア軍がドニエプル河東岸から、ヘルソンへの砲撃を開始したからだ。

ロシア軍に包囲されて砲撃され続けたマリウポル、死者の数は2万2000人と見積もられている。

同じ悲劇を繰り返さないためにも、ドニエプル河東岸にあるロシア軍の陣地を叩く必要がある。

それには

「ドニエプル河 渡河作戦」

が必要になる。

その方法はふたつ。

スレッジハンマー作戦

朝鮮戦争で米軍の劣勢を一気に挽回したのが、スレッジハンマー作戦。

 

わかりやすく言うと仁川、すなわ北朝鮮軍の後ろに米軍を中心とした韓国軍が上陸。

ここに橋頭保を築くことで、朝鮮半島の南端にまで進軍していた朝鮮軍は補給路を断たれた。

南進していた朝鮮軍は

「寝首を搔かかれ」

一網打尽、戦局は一転した。

ちょうどヘルソン市の対岸に、細長~い半島がある。

その半島はスイスチーズのように沼だらけ。

軍事行動には適していない。

が、ウクライナ軍がこの半島、例えば真ん中あたりに上陸すれば、半島の先端にいるロ軍は袋のネズミ。

ロ軍は勿論、増援を送るだろうが、海峡はわずか10Kmほど。

十分に対岸からウクライナ軍の火砲の射程距離内だ。

ロ軍をまるで射撃訓練のように、狙い撃ちできる。

加えてここに橋頭保を築けば、ロシア軍が1ヶ月かけて構築した

「ドニエプル河東岸の防衛ライン」

を迂回できるという利点もある。

ただし!

事実上、海軍を持たないるウクライナ軍にとって、渡河作戦は危険極まりない。

加えて制空権を欠く渡河作戦など、自殺行為だ。

仮に渡河が成功しても、上陸部隊への補給が欠けると、ロンメルの二の舞になる。

すなわち!

渡河作戦後、速やかに東に進出してロシア軍を背後から脅かす必要がある。

ロ軍がウクライナ軍の企図に気づき、新たな防衛線を構築する前に

“Uhaaaaa!”

と攻勢をかければ、露軍はドニエプル河東岸の防衛ラインからの撤退を余儀なくされる。

迂回作戦

もうひとつ、ウクライナ軍の支配地域のザポロジアでドニエプル河を渡河する方法もある。

ここにはちゃんと橋もあり、渡河には危険がない。

が、ヘルソン市の対岸まで距離がありすぎる。

ここから進撃をすると、時間がかかり過ぎる上、敵に背後を襲われる危険もある。

この為、ウクライナ軍がドニエプル河をヘルソンより上流地域で渡河する可能性は、あまり高くない。

冬季は渡河のチャンス?

11月の中旬になると、ヘルソンでも気温は氷点下まで下がる。

道路は勿論、沼地も凍てついて軍事作戦が可能になるが、

「悪天候は防衛側に有利。」

という大原則がある。

すなわち今回は、悪天候はロシア軍に有利に働く可能性がある。

その一方で制空権をもたない軍隊にとって、冬は反攻の時期でもある。

雲が低く立ち込めて、戦闘機が飛べないためだ。

だからドイツ軍の最後の反攻、

“Wacht am Rhein”(ラインの守り)

も12月だった。

 

果たしてウクライナ軍、冬の悪天候に紛れて渡河作戦を実行するだろうか?

ウクライナ軍 渡河作戦に成功?

ウクライナ軍、すでにドニエプル河の渡河に成功したとの未確認報道がある。

ヘルソン奪回のその夜、ゴムボートに乗り込んだ上陸部隊が半島の

「先っぽ」

に上陸したという。

この部分は対岸からわずか4Kmしか幅がないので、渡河には最適の場所。

もしこれが事実なら、ウクライナ軍はヘルソンを奪回するかなり前から、渡河作戦を準備していたことになる。

自衛隊なら絶対無理。

脱帽です。

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執筆者:

nishi

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