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ウクライナ侵攻始まる! 口先だけの西側の対ロシア経済制裁

投稿日:2022年2月26日 更新日:

ウクライナ侵攻始まる! 口先だけの西側の対ロシア経済制裁

遂に始まったロシアのウクライナ侵攻。

前線に、

「雨あられ」

と降り注ぐロシア軍の砲撃。

あの着弾地点には兵隊が居るんですよ!

塹壕で震えながら砲撃に耐えているウクライナ兵が。

すると日本のテレビは、

「ウクライナ侵攻で小麦とガソリンが高くなる。」

「消費者には困りますね~。」

との報道。

💢💢💢

日本が北朝鮮に核攻撃されて、荒廃。

これをみたドイツ人が、

「えっ、プレイステーションはもう手に入らない?」

と言ってたら、怒るでしょ!

今回はそんな

💢💢💢

を書いて、鬱憤を晴らししたいと思います。

ウクライナ侵攻始まる!

ウクライナ侵攻始まる!

1939年9月1日、ドイツ軍は

「偽のポーランド軍」

を仕立て上げると、ドイツ領のシュレージエンに向かって砲撃させた。

これが有名な

「ポーランド軍によるシュレージエン砲撃」

だ。

お陰でヒトラーは

「砲撃には砲撃をもって応える。」

と吠え、ポーランドに侵攻を開始した。

 

80年後、プーチンは

「ナチであるウクライナ政府による虐殺から、ロシア国民を救うため。」

と、ウクライナ侵攻で同じ方法を採用した。

ナチスをこきおろしているそのプーチンが、ヒトラーと同じ方法を使っている。

言語、国、時代は違っても、独裁者の思考回路は変わらない。

もっともヒトラーは宣戦布告をしたが、プーチンはそれさえもしなかった。

口先だけの西側の対ロシア経済制裁

西側はロシアによるウクライナ侵攻が始まる前、

「ウクライナに侵攻すれば、、。」

とロシアを経済制裁で脅した。

そしてロシアがウクライナに侵攻した今、

「口約束」

は果たしたのだろうか。

米国の対ロシア経済制裁

一番まともな経済制裁を課したのはアメリカだ。

4つのロシアの銀行が、米国で資金を調達するのを禁じた。

その他にも航空部品、半導体などのハイテク部品の輸出も、大きく制限される。

理解できないのは、

  1. 何故、すべてのロシアの銀行が米国で資金を調達するのを禁じない?
  2. 何故、独裁者プーチンへの個人的な制裁をしない?

唯一、米国は大量に兵器をウクライナに供給した。

その点に免じてこれ以上の追求はしないが、どうも腑に落ちない

バイデン氏は個人的にも息子がウクライナの大企業に就職させてもらうなど、たっぷり恩恵を受けてきたことを考えれば、、。

EUの対ロシア経済制裁

EUはロシアによるウクライナ侵攻前夜、

「ウクライナに侵攻すれば、Swift送金システムからロシアを切り離す。」

と豪語した。

ロシアによるウクライナ侵攻後、

「EU史上かってない経済制裁を加える。」

と、フォン デア ライン委員長が怒りに満ちた表情で声明を出した。

メルケル政権下で家族大臣、国防大臣を歴任してたが、こんなに怒った顔は始めてみた。

目の前で独裁者による殺戮を見せつけられて

「EUも今回は本気を見せるか?」

と期待してEUの対ロシア経済制裁を待った。

そしてEUは、今回もがっかりさせた。

あんなに脅していた

「ロシアのSwift送金システムからロシアの切り離し」

は議題にも上らなかった。

その代わりに

「経済制裁」

に取り込まれたのは、ロシアの銀行がEUで資金の調達ができないようにする(だけ)。

ついでに飛行機部品の輸出禁止、ハイテク部品の輸出禁止も制裁に取り込まれた。

ロシアは侵略に備えてせっせと外貨貯金してきた。

その預金額は、優に6000億ドル以上もある。

収入が一切なくても、1年間やりくりできるだけの額面だ。

ウクライナがロシアの猛攻に1年持ちこたえれば、EUの対ロシア経済制裁も効果を示すだろう。

が、現状では焼け石に水。

そしてEUは米国と同じく、プーチン個人への制裁も見送った。

ドイツの強硬措置への反対

「ロシアのSwift送金システムからロシアの切り離し」

が、EU経済制裁に取り込まれなかったのは、ドイツ、イタリア、オーストリアの三国が反対したからだ。

これからの三国はロシアとの取引が多く、対ロシア経済制裁で自国産業が苦しむことを嫌がった。

とりわけドイツはウクライナへの武器弾薬提供は勿論、

「武器が駄目なら燃料だけでも提供してくれ。」

までも拒絶。

皆まで言えば、かってドイツがエストニアに送った

「旧東ドイツの迫撃砲」

を、ウクライナに譲渡するのも禁止。

早い話、口先で綺麗ごとを言うだけ。

ウクライナの駐ドイツ大使がドイツの態度を

「ボロクソに」

こき下ろすのも、無理はない。

日本の対ロシア経済制裁

日本は対ロシア経済制裁として、

  1. 二つの「共和国関係者」の査証(ビザ)発給停止と資産凍結
  2. 二つの「共和国」との輸出入の禁止措置
  3. ロシア政府による新たなソブリン債の日本での発行・流通の禁止

を発表した。

 

そもそも友好国・同盟国からの入国さえも禁止している今、

「共和国関係者」

からの入国を禁止しても意味がない。

そもそも過去5年間、

「共和国関係者」

が日本に来たこともないのに、この措置は意味がない。

唯一意味があるのは、新たなソブリン債の日本での発行・流通だ。

もっともここでも、

「新たなソブリン債」

と制裁が制限されている。

上述の通りロシアは侵攻に備えて大量の外貨を蓄えている。

日本の対ロシア経済制裁は短期・中期的に、

「蚊が象を指した。」

程度の効果しかない。

そもそも岸田首相は対ロシア経済制裁の策定にあたり、

「国益を第一に考えて。」

と述べていた。

その意味では正しい。

しかしロシアに侵略されてウクライナ国民が殺されているのに、

「まずは自国の利益を第一に」

と堂々と言って、誰からも非難されない。

その一方でくだらないお笑い番組で、

「顔にケーキをぶつける。」

をやると、

「食べ物を粗末にするな!」

と抗議が殺到する。

なんという平和な国なんだろう。

アーメン。

カトリック神父の言葉

ナチス支配の

「恐怖の13年間」

を生き延びたカトリック神父が戦後、語った言葉がある。

まず最初に異教徒やジプシーが消えた。

私は異教徒ではなかったので、何も異議を唱えなかった。

次に同性愛者や共産主義者が消えた。

教会は反同性愛、反共産主義だったので、何も異議を唱えなかった。

そして最後には、神父が消えることになった。

その頃には政権に対して、反対の声を上げてくれる者は残っていなかった。

「遠く離れたウクライナの侵略だから。」

とロシアを野放しにしておくと、日本が侵略されたとき、

「極東の島国の侵略だから。」

と、誰も声をあげてくれない。

ロシアに国境を接し、強大化する中国の脅威にさらされている日本だからこそ、もっとはっきりし対ロシア経済制裁をとって欲しかった。

対ロシア経済制裁 アップグレード

「ウクライナ市民が殺されているのに、西側の経済制裁は生ぬるい!」

との非難が高まり、米国、それにEUは遂に

「経済制裁の伝家の宝刀」

を抜いた。

その主な内容は以下の通り。

  1. プーチン、及び外務大臣ラブロフの資産凍結
  2. ロシアの銀行のSwift送金システムからの追放

最初の制裁はほとんど効き目がない。

プーチンのような抜け目のない独裁者は、海外資産の凍結などすでにお見通し。

とっくに制裁が及ばない国に資産を移している。

しかしロシアのSwift送金システムからの追放は痛い。

幾らガスや石油を売っても、金が入ってこないので、

「ツケ」

売りになる。

とりわけロシアのSwift送金システムからの追放を要求していたのは、最後まで平和的な解決に努力していたフランス政府。

その要求が通って、ウクライナ侵攻前から約束していた対ロシア経済制裁が、遂に実行されることになった。

Swiftとは?

Swift送金システムからの追放

“Swift”

と聞いても、ピンとこないかもしれない。

海外に住んでいるなら口座番号の他に、

“BIC”

という番号がついているのき気が付いたことだろう。

かってはこれが

“SWIFT”

と呼ばれていた。

これは平たく言えば、銀行の海外取引用の銀行番号だ。

これがないと、海外に送金できない。

その効果は覿面だ。

【米】トランプ政権はイランとの原発安全条約を一方的に破棄、イランをSwift送金システムから追放した。

その結果、原油が売れなくなり経済はボロボロになった。

EUはイランとの原発安全条約を救うため、米国が開発した”Swift”に変わる送金システムを構築しようとした。

しかしうまくいかなかった。

ロシアのSwift送金システムからの追放により、ロシアは金融システムから切り離される。

しかし西側は、まだ最後の経済制裁の切り札を残してる。

それはロシア中央銀行の取引禁止だ。

これが経済制裁に加えられれば、いくらたくさん外貨貯金があっても、使えないので意味がない。

ロシアの国民総生産高からガスとオイルの取引を除くと、ロシアの経済力はデンマークほどしかない。

その程度の経済力で、ロシアはどれだけウクライナ侵攻を続けられるだろう?

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執筆者:

nishi

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