投資 雨にも負けず

来るか修正の秋? 総選挙前の不安定な1週間

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一般には

「収穫の秋」

ですが投資家には、

「修正の秋」

と言われます。

過去、秋に度々大きな修正が入ったが故です。

今週は修正の予兆の

「ミニ地震」

が発生。

週の半ばで大きく売られました。

来るか修正の秋?

今週、最も注目された指標は米国のインフレ率。

質問
何故?

 

高いインフレの特効薬は高金利。

すなわち、

インフレ率が高いと、テーパリングが早めに来る!

との懸念が再燃焼 ⇒ 株が売られます。

その大いに注目された米国のインフレ率、予想は5.4%。

実際には、5.3%でした(*1)。

 

予想よりもインフレ率が低い事は、FRB(連邦銀行)がいつも言っていた、

高いインフレは一時的なもの。

「本当だった!」

と好感を持って受け入れらえました。

すなわち、

「テーパリングはまだ来ない!」

というわけです。

ドイツ時間で14時30分、DAXは一気に100ポイントも上昇!

が、その後がいただけない。

「ハイ」

は2時間しか持ちませんでした(*2)

DAXはそれでも

「わずかに黒字」

で閉めましたが、米国では大きく売られました。

質問
何故?

 

「インフレ率の5.3%は、それでも十分に高い。テーパイングになるかもしれない。」

という同じ不安。

ドイツの政治家がかって、

「終わりのない恐怖と、恐ろしい終わりのどちらかしかない。」

と、その決断を説明したことがありました。(*3)

いっその事、9月の金利政策発表で、

「12月からテーパリングを開始する。」

と言った方が、株式市場は落ち着きます。

総選挙前の不安定な1週間

来週、ドイツは総選挙があります。

“Ära-Merkel”(メルケルの時代)

が終わります(*4)。

世論調査で与党CDU / CSUの支持率が低く、

  • 大企業は国有化
  • 大手不動産業者を解体して国民に安価なアパートを提供
  • NATOの解体

と、戦後のGHQのような主張を真顔で主張している左翼政党が連立政権に就く可能性有り。

株式市場はあまり好感していませんでした。

インフレ率発表後の水曜日、DAXガックリ逝きました。

海外でもいいニュース

  • 予想を下回るインフレ率
  • 回復した米国の消費者出費

にもかかわず、ダウは3万5000台を回復できず。

「修正の秋」

の兆候が高まっています。

なのに困ったことに戦術予備がない、、。

戦術予備① ドイツ建設業界最大手 Hochtief

6月にドイツ建設業界最大手 Hochtiefの株を買いました。

株価はそこそこ順調に展開。

配当金が7%も出る上、

「200日平均まであと一歩!」

なので持っておきたい銘柄。

しかし、

「いざ鎌倉!」

で撃つ玉がないのは致命的。

泣く泣く、売りました。

戦術予備② 投資ファンド DWS

3週間前、株価が大きく下落した投資ファンド DWS。

大きく落ちた株は、大きく反発する。

と購入。

結果は?

上がらなかったです。

かろうじて黒字。

今、売り注文を出しました。

これが売れたら、

「バルジ作戦時のドイツ軍」

以上の戦術予備ができる!

お願い、最初の30分だけでいいから、上昇して!

願い叶う!

金曜日、ドイツの株式市況はプラスでオープン!

金融銘柄に注文が多く入り、DWS株も上昇。

オーダー額

「スレスレ」

で完遂。

これで十分な戦術予備が出来ました。

来い、修正の秋!

仏コロナワクチン希望の星 Valneva

おフランスの薬品メーカー

“Valneva”

のコロナワクチン、まだ第三段階の治験中。

「今年中にイギリスで使用認可を取る。」

との

「口約束」

で、イギリス政府が大量注文。

株価、爆発。

今週、イギリス政府が注文をキャンセル。

株価、大暴落。

ビオンテック、モデルナを見て、

「柳の下の二匹目の泥鰌」

を狙った投資家は大損。

なのに、

「今なら安く買える!」

と人気。

ドイツのキュアバック(*5)の事もあるので、

「第三段階の治験結果」

が出るまでは危険な投資です。

空飛ぶタクシー Lilium ナスダック 上場

ミュンヘン発のスタートアップが、Lilium。

参照 : Lilium

 

世界中で競争が激化している

「空飛ぶタクシー」

を制作中。

他社と異なりプロペラで飛ばず、ジェットエンジンを搭載。

計画では2024年に

「フライト許可」

を取り、定期便に実用投入。

しかし現時点では、90秒の滞空時間が限界です。

これでどうやって約束している

「航続距離250Km」

を、2024年までに達成するのか

「大きな疑問」

が残ります。

投資家の一部は

「もうコリゴリ」

と退散。

そこで今回、ナスダックで上昇して開発資金を集めることに。

株価は2日で12%も上昇。

よくも、こんな危険な銘柄に手を出す投資家が要るよね~。

Vevasco 株式デビュー

昨日、コンチネンタールが分社化した

“Vevasco”

が初めて上場されました。

最初の3時間は大きく上昇。

最高で10%を超える上昇ぶり。

これをみた既存株主が、

「今だ!」

と大量に株を売りました。

終わってみると、小幅なマイナス。

半導体不足で

「製品を思ったほど製造できない。」

悩みを抱えており、不安な船出となりました。

親会社コンチネンタール 株価暴落

コンチネンタールの株主には、Vevascoの株を無料でプレゼント。

交換率は

5 : 1

当然、親会社コンチの株価は、大きく下げました。

明日は大きく戻す?

それとももっと下げる?

【激安銘柄】コンチの親会社 シェフラー

大手自動車部品メーカーコンチネンタールの親会社は、

“Schäffler”

という会社です。

シェフラーと読んでね。

 

多分、今回初登場。

会社はアデイダス や プーマと同じ、

「ヘルツォーゲンアオラッハ」

という田舎町にあります。

車部品から産業用の工業製品を製造。

会社の社長は、(故)シェフラー氏の未亡人。

2008年のリーマンショック時に、

「一生一台の賭け」

に出ます。

会社の規模でははるかにでかいコンチネンタールの株を買いあさり、

「小さな会社が大会社を買収する」

事に成功した珍しい例。

以来、マダム シェフラーはスキャンダルもなく、電気自動車の波も寝過ごすことなく(*6)、会社を成長させてきました。

先週はイスラエルのスタートアップ、

“Moblieye”

とのジョイントベンチャーを発表。

手っ取り早く言えば、モービルアイの自動運転機能をシェフラーの

「自動車部品」

に搭載。

これで車メーカーは高い金をかけて自動運転を自社開発する必要なく、シェフラーに注文するだけで済みます。

流石、マダム シェフラー。

将来をみる洞察力があります。

二期目の決算発表では、2021年度の企業業績目標を上方修正!

しかし!

今回、子会社のコンチネンタール、それにヴェヴァスコの株価が下がると、親会社シェフラーの株も大きく下げました。

配当金が45セント出ます。

今の株価で換算して配当率は7~8%。

KGVは11と大バーゲン価格。

今なら将来有望銘柄を、お安く買えます。

私も今、(追加の)買い注文出したよ~。

オーストリア鉄道 Alstomの遅延に怒る!

次は珍しくおフランスの会社、

“Alstom”

です。

フランスの新幹線を製造している会社です。

参照 : Alstom

 

カナダの

”Bombadier”

と合併(買収のほうが正解?)してから、

「歯車が狂った」

まま。

ここ半年の株価を見れば、その惨状は一目瞭然。

オーストリアの国鉄が注文した21両の電車は、3年遅れ。

怒ったオーストリアの国鉄は、注文をキャンセル。

オーストリアはライバルのジーメンスに注文。

大企業は一度、歯車が狂うとなかなか元に戻らない。

「安い!」

と株を買うのは慎重に。

“Evergrande”経営破綻 リーマンショックの再来?

中国で第二の規模を誇る不動産建設業者、

“Evergrande”

が資金難に陥っています(*7)。

報道によると負債額は2500億ユーロ。

日本円では31~32兆円。

当初、

「まさか共産党政権が倒産させるわけがない。」

と楽観していました。

が、共産党政権は、

「一度、お灸をする必要がある。」

と考えており、倒産させる様子です。

2008年、米国政府は同じように考えて、リーマンブラザースを倒産させます。

これがリーマンショックの始まり。

このままではリーマンショックの再来になりかねません。

どんなに大きな銀行だって30兆円もの融資が焦げ付いたら、バーンアウトです。

アナリストは数年前から、

「次の経済危機は中国で起きる。」

と警告しています。

しばらく注視しておきましょう。

ちなみにリーマンブラザースの倒産は、2008年9月15日の月曜日。

なんか近いね!

まさか来週の月曜日に倒産しないよね?

注釈

*1        小数点以下に拘る方 /”Kleinkrämer”のために言えば、5.25%でした。

*2         俗にいう「バイアグラ効果」です。

*3         リーマンショックが巻き起こした金融危機で、巨額の負債を抱えた銀行の清算を決めた財務大臣のセリフ。

*4         菅首相よりはマシだが、そんなにいい首相じゃなかった。

*5         今年中に認可申請を挙げると言い続け、1年も先送り。治験の結果は48%の有効性で、株価暴落。

*6         日本の自動車メーカーは完全に寝過ごしました、、。

*7         日本の報道では中国一の不動産開発業者。欧米では中国二位です。

-投資, 雨にも負けず

執筆者:

nishi

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