投資 雨にも負けず

商用不動産危機 2008年のリーマンショックを超える?

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商用不動産危機 2008年のリーマンショックを超える?

2008年に世界の金融システムを

「破綻の淵」

まで追い込んだリーマンショック。

そのリーマンショックに匹敵する

「商用不動産危機」

が玄関口まで到達。

何がやばいのか、まだ対策を打つ時間があるうちに解説しておきます。

リーマンショック

そもそも

質問
リーマンショックて何?

 

という説明から入った方がいいだろう。

本来であれば

「家を買いたい。」

という人が

「借金を本当に払えるかどうか」

ローン査定会社がチェックする。

が、当時の米国では一切チェックしないで、住宅ローンを承認した。

ローンを許可した査定員には、おいしいコミッションが入るからだ。

そんな紙屑になることが分かっている不動産ローンと、

「ちゃんとお金を払える資産がある人へのローン」

をごちゃまぜにして証券にしたのが、リーマンの不動産証券だった。

査定会社は手数料欲しさのあまり、この紙屑証券を

“AAA”(トリプルA)

と査定した。

当時米国には、

「不動産証券は岩のように固い(デフォルトしない)。」

という伝説があった。

だからリーマンが

「トリプルA」

の不動産証券を売りに出すと、世界中の銀行が

「楽して儲かるぞ!」

と、このリーマンの不動産証券を買い捲った。

2年間はうまくいった。

が、次第にローンを払えない人が増え、リーマンの不動産証券はデフォルト(破綻)して、紙屑になった。

2008年9月、まずはリーマンブラザースが倒産した。

するとリーマンの不動産証券を大量に抱えていた銀行が倒産に追い込まれた。

すると

「ドミノ現象」

が発生、大銀行が次々に倒産、世界の金融システムは崩壊の淵に追い込まれた。

ドイツでも次々に銀行が倒産して、取り付け騒ぎの直前まで行った。

この為、リーマンショックは

「金融危機」

とも呼ばれる。

君はあの時、何処に来た?

米国人は

「パールハーバーの時、何処にいた?」

と聞かれたら、回答できるらしい。

2008年に株式投資をしていた人に、

「君はあの時、何処にいた?」

と聞けば、回答できるらしい。

ちなみに私は休暇中。

タイのウドンタニーのホテルに居て、明け方まで米国議会での

「銀行救済法案」

が議会で否決されるのを見てました。

😢

以来、毎年、いや、毎週のように

「リーマンショック 2,0が来る。」

と主張する予言者が後を絶たない。

そんな予言をする人が近くにいたら、3m以上近寄っては駄目!

言ってることは、

「株の事以外」

でも出鱈目です。

商用不動産危機 2008年のリーマンショックを超える?

「株式市場のクラッシュを予言する人は信用するな!」

と言っているはしから、

「2008年のリーマンショックを超える危機が来る?」

なんていう

「矛盾」

は承知の上。

まあ、話だけ聞いてください。

「ただ」

だし。

商用不動産危機

リーマンショックは

「夢のマイホームローン」

が発端でした。

今回は

「商用不動産」

が焦点です。

質問
商用不動産って何?

 

手っ取り早く言うと

”Commercial real estate”

です。

すると

「ショッピングモールなん?」

と思われる方も居ます。

そっちは大丈夫。

問題はオフィスの方です。

空き部屋率

コロナ禍で

「リモートワークの快適さ」

を知った従業員。

コロナ禍が終わって、

「オフィスに戻ってこない奴はクビにする。」

というマスク氏の脅しも、効果なし。

米国のオフィスの

「空き部屋レート」

は19.6%。

1979年以来の高い空き部屋率です。

 

これは米国での平均です。

都市や物件によっては

「30%以上空いている。」

という物件や都市も稀ではありません。

1兆5000億ドルの融資問題

商用不動産は高いです。

リーマンショックのトリガー(引き金)になったマイホームは、

「塵も積もればマウンテン」

でしたが、こちらはひとつひとつがデカイ。

質問
だから?

 

不動産会社は何所も銀行から融資を受けて、オフィスビルを購入してます。

その融資契約が2025年末までに

「満期」

となるので、再融資が必要です。

その総額1兆5000億ドル。

 

日本の国家予算よりもはるかに大きい額です。

問題は、借金を

「耳を揃えて返す」

ことができる不動産業者がいないこと。

オフィスが空いているので、不動産業者は赤字経営。

空き部屋が多いとその不動産物件の

「資産価値」

が下がり、赤字経営に拍車がかかります。

結果、商用不動産経営をしている不動産会社は虫の息。

そんな中、かってない高い金利で再融資を受けなければなりません!

今、商用不動産経営をしている不動産会社が次々に倒産しています。

不動産投資銀行大ピンチ!

商用不動産経営をしている不動産会社が次々に倒産すると、次は?

そう、商用不動産物件を融資している銀行の業績が悪化します。

米国では財務長官が国会で

「商用不動産融資が心配だ。」

と証言。

長官は、

「リスクはマネージ(管理)できる。」

と言ってます。

リーマンショックで財務長官の

「同じセリフ」

を聞いている私には、

「市場をなだめるのが目的」

としか映りません。

質問
米国だけの話でしょ?

 

だったら、ここで取り上げない。

銀行の業績が悪化するのは、

「これから」

が本番です。

がすでに

“Vorbote”(前兆)

はあちこちに。

New York Community Bankは不動産融資で業績悪化。

株価が暴落。

日本のあおぞら銀行もすでに大赤字。

本番はこれからなのに、、。

Deutsche Pfandbiefbank

商用不動産危機の

「震源地」

となっている銀行のひとつにドイツの

“Deutsche Pfandbiefbank”(以下、DPBと略)。

があります。

実はこの銀行、リーマンショックで倒産した

”Hypo Real Estate”

の残った部分を集めて作った会社。

商用不動産への投資が専門分野なんです。

今回の

「商用不動産危機」

の余波をモロに浴びてます。

米国の大銀行モーガンスタンレーは、

「DPBの社債を(紙屑になる前に)売れ!」

と自社の顧客にアドバイス。

これが株の

「セルオフ」

を誘発。

DPB株価

あおぞら銀行と異なり、DPBは10月~12月期の決算で黒字を計上。

銀行の資本率も14%を超え、他の銀行よりは

「かなりマシ」

なのですが、この株価暴落。

人生初の損切り

上で書いた通り、

「商用不動産危機」

はまだ入口の段階。

これからが本番です。

DPB自身、

「リーマン以来のショックを予期している。」

とコメント。

不良債権対策として2億ドルを準備。

しかし同社が商用不動産に融資している額は50億ドル。

不動産融資の4%がデフォルト(返金不能)になったら、

「弾切れ」

です。

しかし商用不動産危機が

「本番」

になれば、不良債権が4%で済むとは思えない。

リーマンショックのデジャビューは御免被る!

人生初の損切りしました。

200万円近く失いました。

が、320万救いました。

その3日後、査定会社のS&Pに信用度を

”BBB-”

まで落とされると、株価はさらに暴落。

 

間一髪。

月曜日に売ってなかったら、木曜日にはもう損益250万だった!

商用不動産危機 本番はいつ?

以前、

「車のローンが次のリーマンショックを引き起こす。」

と話題になったこともありました。

結局、来なかったです。

今回も来ないことを祈ります。

でも、もし商用不動産危機が来るなら、本番はいつ?

2024年1月~3月期の銀行の業績に、不良債権がはっきり影を落とします。

特定の銘柄は大きく株価を落とすが、本番はまだ来ない(筈)。

不良債権が大きな銀行の業績に大きな影を落とすのは、4月~6月期の業績発表以降。

すると7月です。

フォンドマネージャーは

「FRBは6月以降、緊急金利カットを強いられる。」

とも言ってます。

これが来たらいよいよ、

「商用不動産危機 本番」

です。

弾薬庫を補充せよ!

これに備えて黒字銘柄を売って、弾薬庫を

「満タン」

にしておきます。

とりわけ銀行株は価値を大きく落とします。

するとすぐに

「ドイツ銀行株空売り」

が始まります。

が、ドイツ銀行の商用不動産への融資は

「融資枠全体の1.5%」

です。

2023年度は

「過去最高の業績」

を計上しており、その程度では倒産しない。

商用不動産危機が来たら、がっくり落ちたドイツ銀行の株を

「がっつり」

買い込みします

損切りした分を取り戻さないとね!

危機はチャンス!?

ここでは投資のお勧めはしません。

判断はあなた自身で。

ひとつ有名な逸話を紹介。

英国財務省には有名な人物の肖像画が飾ってあります。

なんたら卿です。

そこには、

「働くことなくして財を成した人。」

という注意書きが。

そう、1929年の大恐慌で財を成したんです。

クラッシュがほぼ底値に達した1932年、財産を投資。

その後の

「あっと驚くラリー」

で大金持ちになったんです。

もしあなたが政治資金パーテイーで金を集められる政治家なら話は別。

我々、一般ピープルは、数少ない財築のチャンスを有効に使わないと駄目。

それにはセルオフ(大安売り)をうまく利用するしかない。

今は史上最高値を利用して、株を現金にする時期です。

新Nisaで無駄弾を消費しないように!

危機が来たら、真っ赤(マイナス)だよ!

-投資, 雨にも負けず

執筆者:

nishi

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