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ドイツ中古車売買事情 – 高値を狙うなら自分で売る

投稿日:2013年7月8日 更新日:


アウデイ中古車販売店

車を買ったら、いつかは売却することになる。

ところが売却は、購入よりも難しい。二束三文で売るならすぐに売れるが、適正価格で売ろうとすると、なかなか売れない。

市場には他に何百という中古車があるので、よりによって自分の車を選んでもらうには、何か魅力が必要だ。

そこでここではドイツ中古車売買事情を紹介、どうやったら高く車が売れるか紹介したい。

ドイツ中古車売買事情

中古車売買の仕事をしている人の中には、いかがわしい人物が多い。”Wheeler dealer”はそういう職種なので、車を売る前にそういう人物との遭遇を覚悟しておこう。

  • パターン1
    売れそうな車を見つけると2~3人で押しかけて、脅迫まがいの方法で値段を下げさせる。まんまと安い値段で車を買い取ると、車をすぐに転売することで生活している路上デイーラー(主にトルコ人、アラブ人)。車のウインドウに挟まっている、「車を売りませんか。」という名刺に電話をしては駄目。
  • パターン2
    車を買うそぶりをして、車を盗む。方法は後述。

安全でストレスのない方法

一番ストレスのない売却方法は、ちゃんとしたデイーラーに持っていくこと。

でも市場価格よりも20~30%ほど安い値段しかつかない。デイーラーが車を販売する際は、19%の消費税を載せる必要がある(社用車として販売すればこの限りではない)。

それでも儲けを出すには、買値を叩く必要がある。しかし手っ取り早く売れる利点もあるので、帰国前などに、「最後まで車が居る。」というケースでは、使えないわけではない。

高値を狙うなら自分で売る

時間がある場合は、自分で車の買い手を見つけよう。

一番手っ取り早い方法はインターネット。Mobil.deautoscout24がドイツでは最大手なので、ここに車を売りに出すが一番効果的だ。以前は有料だったが、宣伝費でサイトを運営できるようになり、簡単な掲載は無料でできるようになった。

もっとこれでは儲からないので、「有料サービス」を売り込むように画面が構成されている。この手にひっかかれないように。個人の掲載は無料でできる。

なれど、「一体、市場価格が幾らなのかわかりません。」という方もおられるに違いない。最近では車のデータを入れると、そのデータで市場価格を提示してくれるので、とっても便利。

値段のつけ方は二通り。”Festpreis”(定額)と、”Verhandlungsbasis”(交渉可)通称、”VB”だ。

もっとも「早く売りたいから。」と最初から寛大な割引をして、”Festpreis”で車を売りに出しても、ドイツ人(それにアラブ人、トルコ人)は、そこから20%くらい値切ってくる。だから”Festpreis”であっても、最初からあまり値引きをするのは禁物。

適正な価格であれば、電話、あるいはメールで問い合わせが来る。こうした最初のコンタクトは通常、鴨を探している中古車のデイーラーから来る。

当然、市場価格よりも20~30%安い値段を言ってくるので、無視しよう。「興味があるので、この番号にコールバックしてください。」というSMSにひっかからないように。詐欺です。

交渉

消費者から電話やメールでの問い合わせがあった場合、間違いなく「どのくらい安くしてくれる。」という内容になる。

電話での値段交渉は要注意。全く応じないと興味が薄れるし、あまり寛大な値段を言うと、「交渉すればもっと安くなる。」と、相手にあまり現実的でない期待を与えることになる。

実際の交渉でそれ以上値段が下がらないと、がっかりして契約に至ることはない。電話では、ある程度割引する用意がある事を伝えるのみにしておこう。それでも「試乗してみたい。」という人が居たら、これは本気なので試乗に応じてあげよう。

まずは買い手の興味を引かないと何も始まらない。車を売りに出す前に、まずは車を洗車、青空をバックにいいカメラで写真を撮ろう。見合いと同じで、車の販売もまずは第一印象が大事だ。

ドイツでは走行メーターを操作する人が多いので、”scheckheftgepflegt”と書くと、潜在的な買い手の不安を取り除くことができる。

興味のある人が試乗に来たら、車の整備手帳、これがない場合は過去の請求書(請求書に整備時点での走行距離が打ち込まれている。)などの「証拠書類」を準備しておこう。

試乗が終わると、「ここに(小さな)傷がある。」とか、「”Riemen”はいつ変えたか。」などと何かと理由をつけて、値段を下げようとしてくる。

ここでのコツは相手に「安く買い物をした。」と感じさせることなので、顔の表情を曇らせて、嫌々ながら値引き交渉に対応してあげよう。大事なのは、「ここが最安値」という値段をあらかじめ決めて置いて、無茶な値段を言ってくる場合は、”Nein, Danke.”と断る事。

こうした試乗を3回、4回と繰り返しても一向に車が売れないと、「値段が高いのかな。」と不安になる。しかし、ここで妥協しないで1ヶ月、2ヶ月と辛抱していると、必ずこちらの売値を受け入れてくる人が出て来るので、あまりに早く値段を下げないようにしよう。

盗難目的

中には車を買う興味があるようにみせかけて、車の盗難に来る輩もいる。

メルセデスやBMWの正規デイーラーに行って、「鍵が壊れちゃった。」と言えば、新しい鍵を購入できてしまう。あとは本当の鍵を手中にして、この鍵に記憶されているデータを、入れた鍵にコピーするだけで、合鍵ができあがってしまう。

試乗前は買う気満々だったのに、データをコピーしたら「ちょっと考えさせてくれ。」とコロリと態度が変わる。

その後、車の持ち主が買い物を尾行、駐車場に車を止めてスーパーに入って行くのを見届ける。あとは合鍵で車のロックを解除、あらかじめ手配している「整備工場」に車を持ち込む。

ここで車をバラバラにさして中古部品として販売されるか、車両番号を削り落として東欧に輸出される。

保険会社に、「車を盗まれちゃった。」と盗難保険の適用を申請しても、「車の鍵を渡したんじゃないですか。それは重大な過失なので、保険は効きません。」と言われて、泣きっ面に蜂。

そんな目に遭わないように、試乗の際はちゃんと横に乗って、鍵を使っておかしなことをしないように監視しておこう。

売買契約書

さて、値段で折り合いがついたら、売買契約となる。

これは上述のサイトから無料でダウンロードできる。2部ダウンロードして印刷、サインして双方、1部つづこれを保管することになる。その後、車の代金のお支払いとなる。現金支払いが一般的だ。代金をもらうと、”Fahrzeugbrief”(車両証)を相手に渡して売却は完了する。

中には、「今日は銀行に行く時間がなかったので、1000ユーロしか持って居ない。明日、残りを持ってきていいか。」などと言う輩もいる。「車は明日でいいから、保険加入に必要な”Fahrzeugbrief”のみ渡してくれ。」と言い出す。

代金をもらっていない段階で、”Fahrzeugbrief”を渡してはならない。“Fahrzeugbrief”さえ手にしてしまえば、車の正当な所有権を主張できてしまう。

あとは報酬を約束している悪徳弁護士を使って裁判所から強制取り押さえを認可させると、車を1000ユーロで手中にする事ができる。

名義変更

本来は、車を売却する際はナンバープレートを外して交通局にこれを持って行き、登録解除を行う。

この登録解除を行うと、税務署と保険会社に自動的にお知らせが行き、自動車税、自動車保険料などが自動的に返却される。この方法の欠点は、車の買い手が交通局に出向いて、車の一時登録をして仮ナンバーを申請、取得して車の引き取りに向かわなければならない事。

交通局では2~3時間も待たされるので、これはとってもしんどい。そこで個人の売買では、「明日、明後日中に交通局で”Ummeldung”してください。」と相手に頼んで、自分の名前で登録されていたナンバーのまま車を譲渡する方法が一般的

この方法の欠点は、車の所有者が車の登録変更をする前にスピード違反などをやった場合、まだ登録上の所有者に違反キップが届くこと。

ドイツの法律では、車の所有者ではなく、車を運転していた人物が罰金を払う義務がある。だから自分の写真(パスポートなど)を警察に送って事情を説明すれば、無罪になるが面倒/余計な作業である。

又、購入者が登録変更をしてくればいと、自動車税、保険料が返還されないので、イライラする。こうした理由もあるので、信用のできそうな人物(あまり多くない)に車を売却しよう。

 

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執筆者:

nishi

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