ドイツの達人になる 詐欺、盗難

マイクロソフト詐欺 – 超簡単!詐欺の見分け方

投稿日:2018年4月17日 更新日:

マイクロソフト社ビルとロゴ
マイクロソフトから電話?

(マイクロソフト社)のウインドウズを使用していると、コンピューターがいきなり落ちてブラックスクリーンになることがある。再起動させるとエラーコードが表示されるブルースクリーンが表示されて、とってもブル~。その他、ウインドウズのアップデートが始まらない、負荷がかかりすぎてプログラムがフリーズ、強制シャットダウンを余儀なくさせるなど、頻度こそ減ったが未だにエラーは日常茶飯事だ。

マイクロソフト詐欺

ウインドウズにエラーコードを送信しても、解決先として表示される画面には、上から下まで「これが原因かもしれません。」とびっしり書かれているページ。これを読む人は皆無。読んでも解決しません。でもそんなとき、「マイクロソフトです。最近、トラブルがありましたね。」と電話がかかってくると、「ついに私の悩みを聞いてくれる人が現れた。」と、ウインドウズのユーザーは感激する。「でもどうして電話番号がわかったの?」と聞けば、「エラーを送信した際の、IPアドレスからわかりました。」との返事。これで不安も消散する。

マイクロスフのサポートは、「コンピューターにウイルスが侵入しているのが原因です。」と病状を診断、「ウイルスを削除するために、ここのURLからソフトをダウンロードしてください。」と言ってくる。言われたアドレスを打ち込み、プログラムをダウンロード。すると複数のウイルスが検地される。これを削除するために、言われた指示を実行。

「これでウイルスが駆除されたので、大丈夫です。」「ウインドウズを新しく入れなおしたので、87ユーロ払ってください。」と費用を請求される。まだ不審に思っていない人は指示された口座に費用を送金するが、TANを入れても送金がエラーになる。新しいTANで試すも同じ。「では請求書を送るので、送金で払ってください。」ということになり、一件落着。

ウイルス駆除ソフトはスパイソフト

数日後に銀行口座を確認すると、2回、スペインの見知らぬ人の口座に数千ユーロのお金が送金されている。そう、「ウイルス駆除ソフトです。」と言われてダウンロード、インストールしたのはスパイソフト。これをダウンロードした時点で、コンピューターはハッカーの思うがまま。口座へのアクセスを盗み見ながら、送金がうまくいかない偽の画面を被害者に見せて、TANを盗む。

後は盗み見たアクセス(パスワード)で口座にアクセス、TANを使って犯罪者の片棒を担いでいる失業者か、アルバイトだと勘違いしている若者の口座に送金する。この人物は口座に入ってきたお金を即座に海外に送金するので、もう取り戻す事はできない。警察に被害届を出しても、足がつくのは犯罪の片棒を担いでいる人物まで。海外の犯罪者を取り締まる権限は、ドイツの警察にはない。

脅迫

中には電話で「お金を送金してくれ。」と言われて、不信感を抱く人もいる。「そんな話は聞いていない。」と送金を断ると、「払わないなら、制裁を加えます。」と被害者の目の前で、コンピュータに入っているデータをひとつ、ひとつ消していく。スパイソフトをダウンロードした時点で、パソコンはハッカーの思うがまま。

写真、メール、契約書などバックアップを取っていないデータが消されていく。「お願い、辞めて!」と叫ぶと「辞めて欲しければ、数千ユーロ払え。」という。これに負けて払ってしまうと、「エラーだ。やり直せ。」と数回に渡って繰り返し作業を要求される。言うまでもなく、毎回ちゃんと毎回送金されています。

しかしコンピューター上で偽の画面を見せられているので気がつかない。あるいは脅しに負けずコンピューターの電源を切っても、すでにハッカーはデータを盗んだ後。ブラウザに記憶させているクッキーから口座へのアクセス(パスワード)を入手できる。すると銀行口座のパスワード等をハッカーに変更されてしまい、自分の口座なのにアクセスできない。さらにはアマゾンなどで高価な品を自分の口座から注文されてしまう。

超簡単!詐欺の見分け方

結論。マイクロソフト社の人間が、客に電話をすることはありません。「ドイツテレコムです。」と名乗る詐欺、「フェイスブック」と名乗る詐欺も同様で、訪問したり、電話をしてくることはありません。ドイツではそのようなセールス電話は禁止されているからです。この詐欺は、多くの人間がウインドウズやフェイスブックを利用しているので機能する万能詐欺。

「あなたのリノックスのコンピューターで最近、不具合がありましたね。」と電話しても、誰もリノックスを使用していないので、詐欺にならない。ちなみにこのマイクロソフトを名乗る詐欺団の本拠地はIT大国のインド。よっく注意して聞くと、ドイツ語/英語にインド訛りがある。

往々にしてうす汚いネットカフェが犯罪組織のアジトで、ここから世界中に詐欺電話をかけてる。「いや、かかってきたのはドイツの電話番号だった!」と被害者が語っていますが、そこはIT大国のインド。偽の電話番番号、ドイツの場合はミュンヘンにマイクロソフトの本物のオフィスがあるので、089-から始まる番号を表示されるのは朝飯前です。ご注意あれ。

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執筆者:

nishi

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