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【最新版!】ドイツ介護事情 – 外国人看護士大歓迎!

投稿日:2018年10月16日 更新日:


足りない看護士を輸入せよ!

数年前にここで取り上げたことがあるが、ドイツの病院、介護施設で働く介護士*の数が足らない。それも全然足らない。お陰で二人の看護師が昼間、30~36人もの患者も世話をする羽目になっている。あまりの重労働で看護士は燃え尽きると、数年で仕事を辞めていく。こうして看護師が足らない状況が加速化、社会問題にまで発展している。

*ドイツではクラシックな看護婦さんという呼び名は廃止されて、”Krankenpfleger”《看護士》に統一されました。

【最新版!】ドイツ介護事情

労働組合によると、2018年の時点で、病院、介護施設で不足している看護師の数は7万人。そのうち、老人介護だけで4万人の介護士が不足しており、2030年までには全国で30万人もの看護師が不足すると見積もられている。

参照元 : Tagesschau

ここまで看護士不足になった理由のひとつは、病院、介護施設が儲けを上げるために介護士の数を制限したことから始まる。すると一人の看護士当たりの労働時間が上昇、短い時間で患者の面倒を見ないと、とても全部の患者の面倒を見れない。それでも残業は避けられず、残業に次ぐ残業。「人を助けたい。」という熱意でこの職業を選んだ人も、疲れ果てて数年でやめていく。こうして看護士不足の悪循環が始まった。

看護師のお給料

ドイツで看護士になるには、3年間の見習いが必要だ。見習い中もお給料は出るが、雀の涙。1年目は1000ユーロ未満/月。2年目にはやっと1000ユーロ/月。3年目にはやっと1100ユーロ/月。見習いを終えて試験に合格、看護士として就職するとお給料は平均して2200ユーロ(税込み)。手取りにすると1400ユーロほど。勿論、この金額で生活はできるが、贅沢する余裕はない。

しんどい仕事内容を考えると、お給料が低いのも、この職業に就く人が少ない原因のひとつになっている。左翼政党は、「お給料を30%上げれば仕事の魅力が増して、労働力不足は自然に解消する。」と主張している。その例として挙げているのが、ハウスキーパーと呼ばれるお掃除業。ドイツにまだ最低賃金がなかった時代、搾取の象徴となっており、こんな仕事に就きたい人は皆無。しかし最低賃金が導入されてから、一気に人員不足が解消した。

政府の対応

若くてやる気満々の新厚生大臣は、「看護士のお給料を3000ユーロ(税込み)まで上げることが必要だ。」と提言した。

参照元 : Spiegel Online

が、これはお給料を払う病院や介護施設からの了解をとっているわけでないので、現実味はあまりない。まだ左翼政党の主張の方が現実味がある。かと言ってこのままでは介護システムが崩壊しかねないので政府は、「直ちに13000人の介護士の就職先を設ける。」と閣議決定、予算を確保した。

参照元 : Süddeutsche Zeitung

懸賞金

幾ら政府が新しい就職先を設けても看護士の数が足らないので、焼け石に水。すでに看護士不足で患者を収容できない病院は、「紹介した看護士が就職した場合は、懸賞金として1000ユーロ払います。」という異色の方法を採用した。

参照元 : Abend Zeitung

「でも住む場所を探すのが大変。」という看護士の懸念を先読み、社宅が用意されている。35平米のアパートなら500ユーロ、75平米のアパートなら1000ユーロ。ミュンヘンの郊外でこお値段はお得。それほどまでに看護士不足は深刻化している。

外国人看護士大歓迎!

幾つかの自治体では、「国内で看護士を探すのは無理。」と外国で積極的に看護士を募集している。とりわけ人気なのが英語を喋れるフィリピン人。自治体が現地まで出かけて面接、これに合格すると州がお金を出してドイツまで連れてきて、病院で見習いをしながらドイツ語を学ばせている。住む場所は自治体、あるいは就職先が用意している。

参照元 : Stern

地方自治体だけではなく、中央政府も外国人の看護士を正式に募集している。

参照元 : Bundesministerium für Wirtschaft

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執筆者:

nishi

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