1月は投資家が集めた金を新たに投資するので、株価が上昇します。
通常は。
しかし2022年は通常じゃない!
なんと【米】インフレ率7%!!
これで株価があがるわけがないっ!
oder?
この記事の目次
【米】インフレ率7%!! DAX16.000高地の戦い
まずは先週の続きから。
DAX 1週間チャートです。
株価は7日(金曜日)、10日(月曜日)に大きく下げました。
しかし!
「リカバリー火曜日」
が今回も本領発揮。
火曜日、水曜日、そして木曜日も黒字で16.000高地を回復。
日本や米国では赤字なのに、ドイツでは年始から黒字です。
これで
「イケイケドンドン!」
にならないのが2022年の株式市場。
金曜日のフーチャーFDaxは、すっぱり16.000割れ。
原因は米国の物価上昇率。
2021年12月はなんと7%。
1982年以来(40年振り)の高値!
「インフレはピークに達した。」
なんて楽観的な見方もありましたが、マーケットを押し上げる理由にはならず。
FRBが
「インフレ退治でドラスチックな手腕を用いるのでは?」
との懸念で売り手市場。
「株価が上昇する1月に株価が上がらないと、今後どうなる?」
超~心配です。
という1週間で注目を浴びた銘柄を紹介します。
Teamviewer おぞましいチャート
コロナ禍で一気に業績が伸びたIT関連企業の”Teamviewer”
そのコロナ禍が終焉に向かうと、業績悪化。
それだけでも痛いのに、サッカーチームのスポンサーになり無駄金(それとに死に金?)を窓から投げ出す散財振り。
アナリストが軒並み、
「売れ!」
と評価。
株価は半額になりました。
「これはマズイ!」
と”Teamviewer”は今週、2021年度の業績結果(速報)を発表。
2021年は前年比で売り上げが19%上昇。
マージンは驚異の47%(*1)。
「思ってたよりいいじゃん!」
と、3か月振りに株価上昇。
「底値脱出、買いだ!」
というアナリストも居ます。
もっとも1年チャートは、
“der Chart des Grauens”(おぞましいチャート)。
15%の程度の上昇では、
「焼け石に水」
です。
なのにKGVがまだ51。
高過ぎです。
全く買う気にはならないっす。
デリバリーヒーロー 2023年は黒字!?
DAXで唯一、
「これまで黒字になったことがない。」
銘柄デリバリーヒーロー。
宅配会社です。
DAXを運営しているドイツ株式市場(会社)はデリバリーヒーローの昇格後、
「これはマズイ。」
と後悔。
そこで二度と同じ失敗をせぬように、
「黒字を出している事。」
と、新しくDAX昇格の条件を付けくわえました(*2)。
そのデリバリーヒーロー、コロナ禍の終焉を見越して年末から株価は下がる一方。
「これはマズイ!」
とデリバリーヒーローは今週、
「2023年度は黒字になる!」
と発表。
このニュースに株価は大きく上昇。
すぐ翌日下げましたけど。
今後、コロナ禍が終息していくと、売り上げ減。
なのに黒字になる?
ロマンス詐欺(*3)並みに信じがたいです。
SMA Solar 業績目標大幅カット
新しく誕生したドイツ新政府、
「再生エネルギーの構築を加速させる。」
と宣言。
当然、
「再生エネルギー分野は大きく伸びるぞ!」
と思いそうですが、”Pustekuchen”(*4)
ソラーパネルで発電した電気を家庭用の電気に変える
「変圧器」
のメーカーSMA Solar。
今週、業績目標をほぼ50%近くカット!
原因はSMA Solarが整備契約を結んでいるソーラーパークで見つかった不具合。
契約を破棄するため、相手企業と交渉中で
「業績の下方修正が必要になった。」
との事。
問題はこの話の信憑性。
投資家に真実を隠している気がします。
戦後最大の詐欺事件で倒産したワイヤーカードも、
毎回、御伽噺を語って時間稼ぎ。
こういう銘柄は大きく避けましょう。
Cerberus ドイツ銀行 & コメルツ銀行株売却
米国のヘッジファンド、Cerberus(地獄の犬)が、ドイツ銀行 & コメルツ銀行の株を売却。
厳密に言えば、売ったのは持ち株の1/3だけ。
しかし大株主だったので、ドイツ銀行 & コメルツ銀行の株は大きく下落。
とりわけコメルツ銀行の下げ幅は、ドイツ銀行の2倍で痛っ!
Cerberusはドイツ銀行とコメルツ銀行の合併を当てにして、株を取得。
ドイツ政府にも合併の後押しをしていたんですが、
「合併の見込みが完全に断たれた。」
のが売却の原因だと言われています。
しかし!
「まだ銀行株を持ってないよ!」
という貴兄には、
「まってました!」
の投資の機会。
今後、残りの持ち株も売却しそうなので、いい値で買えそうです。
ThyssenKrupp Nucera 上場を告知
環境保護に欠かせないグリーンな水素(*5)。
日本ではまだ研究段階ですが、ドイツではすでに大型工業施設で実用中。
その技術を持っている企業のひとつが、軍需産業のThyssenKrupp。
正確には子会社の”Uhde Chlorine Engineers”という子会社です。
会社の名前を”Nucera”と変えて、上場すると親会社が告知しました。
電気分解でグリーンな水素を得る会社の上場は、おそらく世界でも初めて。
親会社は上場で
「5~6億ユーロのキャッシュを集めたい。」
と言ってます。
「環境に優しい投資」
を探すファンドには、絶好の投資対象。
中期、長期はわかりませんが、短期的には大きく上昇しそうです。
親会社の株を持っていれば、子会社の株が
「ただで」
もらえます。
しまった!
ThyssenKrupp株はクリスマス前から上昇に転じ、この一ヶ月で12%の上昇。
また投資先を読み間違えた~!
DWS 2022年の注目銘柄
ドイツ銀行の子会社の投資ファンドDWS。
2021年夏に、
「グリーンウオッシング(*6)」
の非難を受けて株価が激落下。
しかし!
投資ファンドは、
- オミクロン株
- 中国のロックダウン
- 半導体不足
- 物価上昇
- 電気・ガス価格上昇
- 金利の上昇
そのどれにも免疫がある銘柄。
私が2022年の注目銘柄にあげた銘柄のひとつ。
必ず復活する!
と信じて11月末に購入。
その結果は?
2021年第四四半期 業績発表
木曜日、DWSは2021年第四四半期の業績(速報)を発表。
すでに第三四半期、DWSは過去最高の利益 2億7100万ユーロを出していました。
第四四半期は、これを大きく凌駕する3億7800万ユーロ。
なんと71%増!!
株価は売り市場の中で、3%上昇。
この1ヶ月で13%増!
Huhraaa!
読みが(今回は)大当たりっ!
株価の過去最高値は、去年の夏に暴落する前の41.88ユーロ。
もう目と鼻の先!
もっとも、次の抵抗線が40ユーロ近辺。
来週になれば、アナリストがDWS株価の目標をアップグレード。
これで抵抗線を突破、過去最高値更新だ!
KGVは12。
まだまだ評価は低いし、今年は伸びるぞ!
注釈
*1 既成のプログラム売るだけなので、ソフトウエア関連企業はマージンが高い。
*2 これまでは赤字の会社の株価が大きく上昇することがなかったので、黒字であるべきという条件がありませんでした。
*3 異性と縁がない人に、”I miss you.”というメールを送り金をせびる、せこい詐欺。
*4 がっかり。期待外れ。
*5 再生エネルギーを用いて水から得る水素は、二酸化炭素を出さないのでグリーンな水素と呼ばれます。
*6 環境に優しくないのに「環境にやさしい」と事実と異なる主張をする事。