ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える?
そんな質問をしてきのは、タイに住む友人。
なんでもブログで
「ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える。」
と主張している(イケナイ)日本人が居て、
「本当なの?」
と聞いてきた。
きっと同じような主張を聞いた、見た事ことがある人が多いと思う。
ここではっきり白黒させておきたい。
この記事の目次
ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える?
ドイツではマリファナの譲渡、購入、所持 & 販売は違法です(*1)。
もっとも違法だからと言って、この世からなくなるものではないのは大人の常識(*2)。
マリファナ & 麻薬の販売はマフィアの大事な収入源なので、
「特定の場所」
に行けば買えます。
この時点で
「そこらじゅうで気軽に買える。」
というブログの主張は出鱈目です。
マフィアの手先になってマリファナを販売してる売人には、
「シマ」
があり、そのシマ以外で販売をすると、
「縄張り荒らし」
になり、マフィアの抗争の元。
クラブなどで撃ち合いになるのはこうした
「縄張り荒らし」
が原因です。
もしあなたが常習者で売人を
「よく知っている」
なら、
「気軽に買える。」
という点は当たっているかもしれない。
罰則
ではマリファナの所持で警察にパクられると、どんな罰則が適用されるのだろう。
詳細は麻薬法 /”Betäubungsgesetz”に書かれているので、
「詳しく知りたい。」
という方はそちらで確認できます。
日本とドイツの法令で大きく異なるのは、麻薬の使用(吸引)は
「うまくやれば」
違法にならない事。
売人からマリファナを購入、自宅で吸引して外出。
路上で警察に
「挙動不審」
で尿検査を命じられたとしよう。
陽性になれば日本なら現行犯逮捕。
ドイツでは吸引だけで検挙されることは(まず)ありません。
例外は車で外出する前に、
「一発キメル」
場合です。
この場合は免停+高額な罰金が科されます。
もうひとつ罰則が適用されない吸引方法を挙げておこう。
友達が集まって酒を飲んでる席で誰かが、
「ジョイント」
を差し出しす。
これを掏ってジョイントと差し出した友人に帰すと、罰則は適用されません。
しかし吸引後、自分の隣の友人に、
「お前も吸え」
と差し出すと
「麻薬の譲渡」
になり罰則が適用されます。
又、売人から麻薬を購入して自宅に辿り着く前に、麻薬の所持が発覚しても罰則が適用されます。
ただし!
所有してるマリファナが7.5グラム以下だと(*3)、
「大目に見る。」
ことがあります。
「前科がなく、明らかに自身の使用目的。」
とみなされると、罰金だけで済みます。
もし
「これで2回目」
という場合は、少量の所有でも5年以下の禁固刑が課されます。
オランダにマリファナ日帰り旅行は合法?
このように、
「個人の使用目的」
でのマリファナの購入はリスクを伴い、
「何処でも気軽に」
というわけにはいかない。
この為、
「マリファナが合法なオランダに日帰り旅行に行こう!」
と考えるドイツ人が多い。
マリファナを満喫して帰国すると国境の先で検問があり、尿検査をさせられる。
警察から、
「外国人がオランダで麻薬を消費するのは違法だ。」
「告訴されるから覚悟しておけ!」
と言われお祝い気分は消散、すっかりお通夜のような気分になる。
あるドイツ人が
「オランダ帰り」
の検問で捕まり告訴されたことがある。
そのドイツ人、
「個人の使用には罰則は適用されない筈だ!」
と裁判で堂々と訴えた。
この懸案はデュッセルドルフの高等裁判所まで行き、判事は、
「被告の言う通り。」
と判決を下した。
検察も上告を諦めたので、
警察は取り締まる側なので、お説教をしたくて
「嘘」
の主張をすることがあります。
真に受けないように。
これが現時点(2022年1月)での現状です。
ドイツでもマリファナが合法になる?
ところがである。
2021年12月に誕生した新政権が、
マリファナの合法化を連合政権協定書に書き込んだ。
一体、どういう気の変わり様だろうか。
マフィアの売り上げ促進策
マフィアにしてみれば、マリファナを買う客よりも、ヘロインを買う客の方が上客だ。
価格も高いし、もっと頻繁に買ってくれる。
そこでマリファナにヘロインをしみ込ませて、販売を促進する販売方法を考案した。
ヘロインの他にも
「かさまし」
のために、さまざまな不純物が混ざっているのが路上で買うマリファナだ。
この現状を見てきた厚生大臣が、
「(マフィアに任せておくより)国が不純物のないマリファナを提供したほうが害が少ない。」
と主張。
連立のパートナーも、
「そりゃ~そうだ。」
と同意、マリファナ合法化が新連立政権の協定書に書き込まれた。
言うまでもなく、
- 合法にすることで大幅な税収アップ
- マフィアの収入源を断つ
というウインウインの相乗効果も期待できる。
いつから合法化されるの?
当然、
「いつから合法化されるの?」
ということになるのだが、現状では法案が国会に提出されておらず、又、その見込みも立っていない。
原因。
コロナ禍、とりわけ急速に拡大するオミクロン株への対処で厚生省は手一杯。
コロナ禍が落ち着くまで、法案を用意するマンパワーがない。
オミクロン株は急速に拡大するが、重症化しないので、
「コロナ禍の終焉は近い。」
と言われている。
2月にはドイツでも感染のピークを迎え、2022年の夏は
「これまで通り」
の生活が取り戻せるかもしれない。
そうなったら、マリファナ法案が国会に提出されるかもしれない。
DEMECAN 合法カナビス大手
日本と異なり、ドイツでは処方箋があれば薬局で合法にカナビスを購入できる。
勿論、それにはカナビスを栽培する必要があり、ドイツ政府は定期的にカナビス栽培権の入札を行っている。
2019年の入札で勝利したのがDEMECANというベルリンの
「製薬会社」
だ。
カナビスの大規模栽培から、
「医薬品」
への加工も自社で行っている唯一の会社。
新政権の
「マリファナを合法化する。」
という政策決定以来、投資からのオファーが殺到している。
注釈
*1 ドイツではマリファナではなく、カナビスと言います。
*2 日本では売春は違法ですが、あんなに堂々と営業していますよね。
*3 州により少量の定義が異なり、バイエルン州では6g。
*4 判例 3 RVs 45/13
もっともオランダは外国人のマリファナ消費を制限しているので、現時点ではオランダへのマリファナ吸引日帰り旅行はほぼ不可能。