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ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える?

投稿日:2022年1月12日 更新日:

ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える?

ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える?

そんな質問をしてきのは、タイに住む友人。

なんでもブログで

「ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える。」

と主張している(イケナイ)日本人が居て、

「本当なの?」

と聞いてきた。

きっと同じような主張を聞いた、見た事ことがある人が多いと思う。

ここではっきり白黒させておきたい。

ドイツではマリファナ そこらじゅうで気軽に買える?

ドイツではマリファナの譲渡、購入、所持 & 販売は違法です(*1)。

もっとも違法だからと言って、この世からなくなるものではないのは大人の常識(*2)。

マリファナ & 麻薬の販売はマフィアの大事な収入源なので、

「特定の場所」

に行けば買えます。

この時点で

「そこらじゅうで気軽に買える。」

というブログの主張は出鱈目です。

マフィアの手先になってマリファナを販売してる売人には、

「シマ」

があり、そのシマ以外で販売をすると、

「縄張り荒らし」

になり、マフィアの抗争の元。

クラブなどで撃ち合いになるのはこうした

「縄張り荒らし」

が原因です。

もしあなたが常習者で売人を

「よく知っている」

なら、

「気軽に買える。」

という点は当たっているかもしれない。

罰則

ではマリファナの所持で警察にパクられると、どんな罰則が適用されるのだろう。

詳細は麻薬法 /”Betäubungsgesetz”に書かれているので、

「詳しく知りたい。」

という方はそちらで確認できます。

日本とドイツの法令で大きく異なるのは、麻薬の使用(吸引)は

「うまくやれば」

違法にならない事。

売人からマリファナを購入、自宅で吸引して外出。

路上で警察に

「挙動不審」

で尿検査を命じられたとしよう。

陽性になれば日本なら現行犯逮捕。

ドイツでは吸引だけで検挙されることは(まず)ありません。

例外は車で外出する前に、

「一発キメル」

場合です。

この場合は免停+高額な罰金が科されます。

もうひとつ罰則が適用されない吸引方法を挙げておこう。

友達が集まって酒を飲んでる席で誰かが、

「ジョイント」

を差し出しす。

これを掏ってジョイントと差し出した友人に帰すと、罰則は適用されません。

しかし吸引後、自分の隣の友人に、

「お前も吸え」

と差し出すと

「麻薬の譲渡」

になり罰則が適用されます。

又、売人から麻薬を購入して自宅に辿り着く前に、麻薬の所持が発覚しても罰則が適用されます。

ただし!

所有してるマリファナが7.5グラム以下だと(*3)、

「大目に見る。」

ことがあります。

「前科がなく、明らかに自身の使用目的。」

とみなされると、罰金だけで済みます。

もし

「これで2回目」

という場合は、少量の所有でも5年以下の禁固刑が課されます。

 

オランダにマリファナ日帰り旅行は合法?

このように、

「個人の使用目的」

でのマリファナの購入はリスクを伴い、

「何処でも気軽に」

というわけにはいかない。

この為、

「マリファナが合法なオランダに日帰り旅行に行こう!」

と考えるドイツ人が多い。

マリファナを満喫して帰国すると国境の先で検問があり、尿検査をさせられる。

警察から、

「外国人がオランダで麻薬を消費するのは違法だ。」

「告訴されるから覚悟しておけ!」

と言われお祝い気分は消散、すっかりお通夜のような気分になる。

あるドイツ人が

「オランダ帰り」

の検問で捕まり告訴されたことがある。

そのドイツ人、

「個人の使用には罰則は適用されない筈だ!」

と裁判で堂々と訴えた。

この懸案はデュッセルドルフの高等裁判所まで行き、判事は、

「被告の言う通り。」

と判決を下した。

検察も上告を諦めたので、

「オランダでマリファナを吸引しても、必ずしも法に触れるわけではない。(*4)」

警察は取り締まる側なので、お説教をしたくて

「嘘」

の主張をすることがあります。

真に受けないように。

これが現時点(2022年1月)での現状です。

ドイツでもマリファナが合法になる?

ドイツでもマリファナが合法になる?

ところがである。

2021年12月に誕生した新政権が、

マリファナの合法化を連合政権協定書に書き込んだ。

一体、どういう気の変わり様だろうか。

 

マフィアの売り上げ促進策

マフィアにしてみれば、マリファナを買う客よりも、ヘロインを買う客の方が上客だ。

価格も高いし、もっと頻繁に買ってくれる。

そこでマリファナにヘロインをしみ込ませて、販売を促進する販売方法を考案した。

ヘロインの他にも

「かさまし」

のために、さまざまな不純物が混ざっているのが路上で買うマリファナだ。

この現状を見てきた厚生大臣が、

「(マフィアに任せておくより)国が不純物のないマリファナを提供したほうが害が少ない。」

と主張。

連立のパートナーも、

「そりゃ~そうだ。」

と同意、マリファナ合法化が新連立政権の協定書に書き込まれた。

言うまでもなく、

  • 合法にすることで大幅な税収アップ
  • マフィアの収入源を断つ

というウインウインの相乗効果も期待できる。

いつから合法化されるの?

当然、

「いつから合法化されるの?」

ということになるのだが、現状では法案が国会に提出されておらず、又、その見込みも立っていない。

原因。

コロナ禍、とりわけ急速に拡大するオミクロン株への対処で厚生省は手一杯。

コロナ禍が落ち着くまで、法案を用意するマンパワーがない。

オミクロン株は急速に拡大するが、重症化しないので、

「コロナ禍の終焉は近い。」

と言われている。

2月にはドイツでも感染のピークを迎え、2022年の夏は

「これまで通り」

の生活が取り戻せるかもしれない。

そうなったら、マリファナ法案が国会に提出されるかもしれない。

DEMECAN 合法カナビス大手

日本と異なり、ドイツでは処方箋があれば薬局で合法にカナビスを購入できる。

勿論、それにはカナビスを栽培する必要があり、ドイツ政府は定期的にカナビス栽培権の入札を行っている。

2019年の入札で勝利したのがDEMECANというベルリンの

「製薬会社」

だ。

カナビスの大規模栽培から、

「医薬品」

への加工も自社で行っている唯一の会社。

新政権の

「マリファナを合法化する。」

という政策決定以来、投資からのオファーが殺到している。

注釈

*1     ドイツではマリファナではなく、カナビスと言います。

*2    日本では売春は違法ですが、あんなに堂々と営業していますよね。

*3     州により少量の定義が異なり、バイエルン州では6g。

*4    判例 3 RVs 45/13

もっともオランダは外国人のマリファナ消費を制限しているので、現時点ではオランダへのマリファナ吸引日帰り旅行はほぼ不可能。

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執筆者:

nishi

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