サンタラリーはぱっとしなかったが、新年は好調!
3日連続で上昇して始まった2022年1月、ドイツの株式市場。
「過去最高値まであと一歩!」
の上昇機運をぶち壊したのは、今回もアレでした。
この記事の目次
DAX 最高値目前で回れ右!
水曜日、DAXは16.285まで上昇!
過去最高値が16.290なので、あとたったの5ポイント。
「明日は最高値更新!」
と楽観していたら、災いは夕飯時に訪れました(*1)。
1月6日、ドイツ時間で20時、FRB(米国連邦銀行)の金利政策会議の議事録が公開。
そこには、
「FRBが保有する国債の縮小も視野にいれるべき。」
なんて不穏な言葉が。
「3回じゃなくて、4回の利上げになるんじゃないか?」
と利上げ懸念が再燃。
これを機に米国でセルオフ(大安売り)開始。
金利上昇に敏感な
「成長株」
さらには、KGV(*2)の高い銘柄が中心に売られました。
木曜日、ドイツにその余波が到来。
1,4%の下落。
日本では2%以上下げたのに、DAXが1.4%の下落で済んだのは、
- DAXには成長株が稀
- DAXにはKGVが30を超える会社は稀
というドイツのこれまでの弱点が、強みになった形です。
その売り市場で注目を浴びた銘柄を紹介します。
デリバリーヒーロー Hero to Zero?
DAXで唯一、これまで黒字を計上したことがない銘柄デリバリーヒーロー。
DAX昇格時は100ユーロ。
その後、
「ご祝儀ラリー」
で137ユーロまで上昇。
「いつ黒字になるかわからない。」
と、堂々と言っている会社の株を買う人の気が知れない。
金利上昇 ⇒ 借金経営の会社の負債増 ⇒ マージン悪化 ⇒ 株安
というお決まりのパターン。
株価は18カ月の最安値更新。
金利の値上げはこれからだというのに、お先真っ暗。
“Hero to Zero.”
と揶揄されても仕方ない。
HelloFresh 旬は過ぎた?
「買い物に行くのが面倒」
「献立を考えるのが面倒」
という家庭に、お料理の素材を届ける(だけの)会社 HelloFresh。
デリバリーヒーロー同様に、誰にでもできるコピーされやすい商売
でも、利益を出してます。
そんなに多くないけど。
コロナ禍で業績が大きく伸びた銘柄のひとつ。
先月から集中的に売られてます。
それでもKGVは未だに32と(比較的)高額評価。
投資の旬は過ぎたね。
Zalando 成長神話にひび割れ
数少ないドイツの成長株 & アマゾンの商売敵”Zalando”
ネットで衣料品売ってます。
コロナ禍で急成長。
106ユーロまで逝った株価が、67ユーロまで下落。
38%もの下落幅。
なのにまだKGVが63とかなり高い。
成長神話が健在であれば高い株価でも、買い手が見つかった。
「コロナ禍が終焉しちゃうかも?」
と、その成長神話に懸念が高まり、買い手が見つからない。
投資対象が成長株から価値株に変わった今、株価はさらに半減するかも?
2022年に買う銘柄じゃない。
Puma 生産工場ロックダウン懸念で売りが先行
デリバリーヒーロー、HelloFresh、Zalando、すべて去年の10月にDAXに昇格した新銘柄。
大安売りになると、新銘柄はよく売られます。
新銘柄はブームに乗って株価が高騰したので、KGVが高いのが原因です。
もうひとつの例が、スポーツ用品メーカーのプーマ。
KGVが47とかなりの高額評価。
オミクロン株の蔓延で中国やベトナムの工場がロックダウンになる懸念から、売られました。
プーマの兄弟であるアデイダスは、KGVが23とプーマの半分以下の評価。
大安売りになっても、比較的安定しています。
Flatexdegiro 業績見通しが期待外れ
SDAXに上場されているブローカーハウスが”Flatexdegiro”。
なんでこんな複雑な名前にしたの?
三菱東京UFJ並みの不可解な名前です。
2020年 & 21年のコロナ禍で株式投資が大流行。
安い手数料で若年層の💛をがっしり捉えて、売り上げ急増。
2022年の見通しは7~9%程度の売り上げ増。
投資家はガッカリ。
成長株だけに売られました。
一時は20%以上下げましたが、9%減まで回復。
“Flatexdegiro”で安く取引するのはわかるけど、なんで1セントも配当金を払わないブローカーの株を買う?
他に
「腐るほど」
投資の選択肢があるのに。
蓼食う虫も好き好き?
Commerzbank 3年来の高値更新中!
2022年は利上げの年!
そう、銀行株。
先週、
「今年は伸びるぞ!」
と書いたCommerzbank株、
この1週間で12%増。
3年来の最高値をほぼ毎日、更新中。
「まだ買ってない。」
というアナタは自業自得。
ドイツ銀行 マージン目標を再確認
ドイツ銀行の2022年の大目標は、マージン率8%。
アナリストは口をそろえて、
「達成できるわけがない。」
と酷評。
10年間も投資家の期待を裏切ってると、信頼はそう簡単には戻りません。
木曜日、金融部門の取締役員が、
「マージン目標には間違いなく到達する。」
と、新年から4日しか経っていないのに自信満々な発言。
まさにその時、米国の10年国債の利率が1.74%の
「2カ月ぶりの高値」
に達すると、
「できるかもしれない。」
とアナリストが不安になり、株価上昇。
一時、5%を超える上昇。
銀行銘柄には
「投資資産の半分」
入れてます。
2022年は仕事しなくいてもいいんじゃない?
年末、どれだけ資産が増えたか、今から楽しみ~。
ダイムラー 一回の充電で1000KM走れる電気自動車
ラスベガスで開催中のCESメッセ。
日本では
「ソニーの電気自動車」
しか報道されていなかったですが、ドイツではダイムラーが公開した
「一回の充電で1000KM走れる電気自動車」
が注目されました。
1000KMと言えば、パリからベルリンまでの距離。
この距離を充電なしに走行したら、いい宣伝になるね!
新製品のニュースで、ダイムラーの株価は大きく上昇。
まだ試作車ですが、
「3~4年後には現実になる。」
そうです。
1000Km走れるなら、電気自動車でもいいよね~。
2022年の株価動向占い
最後に2022年の株価動向占いを。
「1月の最初の週に株価があがれば、いい年になる。」
というジンクスがあります。
80%近い確率で当たってます。
今、金曜日の取引が始まったばかり。
また下げてます、、。
1週間のチャートは、
首の皮1枚で繋がって黒字。
これ以上落ちると、2022年はヤバイ?
注釈 – DAX 最高値目前で回れ右!
*1 スペインの夕食は20時から。
*2 会社の儲けを株の数で割った値。株価が高いかどうかの指標。