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ガス価格ブレーキ法案 骨子が明らかに!

投稿日:2022年11月3日 更新日:

エネルギー価格の上昇に悩むドイツ。

なんて生易しいものではなく、エネルギー危機です。

その危機を克服するため政府が、

“Doppelwumms”

として提案したガス価格の上限導入案。

その骨子が明らかになったので、紹介したい。

“Doppelwumms”って何?

ドイツ政府はエネルギー危機を克服する案を

“Doppelwumms”

と呼んだ。

“Wumm”

とは大きな衝突 & 爆発音を描写する言葉。

車が衝突した際、

「”Wumm!”という音がして、、。」

という風に使われる。

その大きな衝突 & 爆発音が2回続くので、

“Doppelwumms”

というわけだ。

政策の効果を宣伝したいので、このような呼び方を現行政権は好んで使用する。

ガス委員会

日本の政策決定は、と~っても日本的。

正確に言えば、主観的。

首相がその取り巻きと連立政権にご意見を聞き、官邸内で政策の骨子をまとめる。

当然、平等性や整合性よりも、首相の意見が色濃くなっている。

その政策を省内の官僚が法案に仕上げると、国会に提出される。

一方、ドイツではまず

「その道のエキスパート」

を集めた専門員委員会が設置される。

ドクターやら博士やらいろんな肩書のあるエキスパートが集まり

「できるだけ公平かつ効果的な方法」

を論じて、法案の骨子をまとめる。

これが政府に渡されてから、

「政府内の事情」

が考慮され

「修正事項」

が加わり法案となって、国会に提出される。

そう、日本とは真逆です。

ドイツでは公平さと効率の良さに重点が置かれる。

日本では、

「次回の選挙でどのくらい得票が増えるか」

に重点が置かれる。

ガス価格ブレーキ法案 骨子が明らかに!

今回も

“Gaskommission”(ガス委員会)

が、まずは招集された。

そのガス委員会が、

「できるだけ公平かつ効果的な方法」

を論じて、ガス価格ブレーキ法案の骨子をまとめた。

今、政府内で

「修正事項」

が議論されてはいるが、その骨子は以下の通り。

ガス価格の上限導入は3月から?

日本ではガソリン価格を下げるため、ガソリンの販売元に補助金を出している。

ガス委員会は、この補助金政策は誤りと指摘した。

輸入できるガスの量、言い換えれば市場に売りにでているガスの量が限られている今、補助金なんぞ出してしまうと、

「ガス価格をさらに上昇させることになり、これにより得をするのはガスの輸出元だけ」

だと言う。

この視点から導入されるガス料金の上限(最近はブレーキと言う。)は、

「ガスの使用量を節約する者が、得をする価格体系にすべき。」

と提案。

具体的には、

  • 12月のガス料金は国が負担
  • 2023年3月以降、ガス価格の上限導入

という二つの柱からなるもの。

わかり難いのは、後者のガス価格の上限導入。

消費するすべてのガスにガス価格の上限が採用されるわけではなく、使用量の80%まで。

その80%のガス使用量の料金は、12セント/Kwstとするというもの。

法人にはガス使用量の70%に対して、

「ガス価格ブレーキ」

が適用されて、その価格はたったの7セント/Kwstという。

これではフランスなどの隣国が、

「隠れた補助金だ!」

というのもわかります。

批判

このガス委員会の法案骨子が出てから、批判が絶えることがない。

一番の批判が、

「3月からじゃ、遅すぎる。」

というもの。

各家庭は、今年の2月から高いガス価格に悩まされている。

すでに高騰したガス価格のお陰で、倒産した会社、倒産と戦っている会社もある。

なのに、

「あと5か月も待ってね!?」

では遅すぎる!というごもっともな批判だ。

ガス委員会は、

「12月分のガスの請求書を国が負担するから、3月まで待てるでしょ!」

という。

ガス委員会の皆さんは、やはり

「世間の事情」

がわかってない感がある。

そこで政府はガス委員会の提案を受けて、手直しを計画中。

政府は3月ではなく、2月からのガス価格ブレーキの導入で調整中だ。

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執筆者:

nishi

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