投資 雨にも負けず

ドイツで大洪水発生 DAX 今年最大の下げ幅を記録!

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ドイツで大洪水発生 DAX 今年最大の下げ幅を記録!

2021年7月14日から始まった大雨は、ドイツで大洪水を巻き越した。

確認されているだけで170名を超える死者、150名+の行方不明者。

ドイツ史上もっとも悲惨な人的被害を及ぼした

「ハンブルクの高波」

を超えるかもしれない。

洪水が引き起こした物的な津波の被害を修復するだけでも、10年近くかかる。

この大災害は、株式市場にも大きな影響を及ぼした。

ドイツで大洪水発生 DAX 今年最大の下げ幅を記録!

先週、

「株式市場の動きがおかしい。」

「早急に黒字株は売った方がいい。」

と書きました。

案の定、月曜日にDAXがオープンすると、大安売りセールの開始!

ひ~。

終わってみると2.8%ものマイナス。

今年最大の下げ幅です。

月曜日は怖くて、株価の動きみることはできませんでした(*1)。

1週間チャートでご覧ください。

火曜日から木曜日かけて、

「復活ラリー」

が始まったので、1週間チャートで見ると下げ幅はそれほど大きくはありません。

以下に

  • 洪水で被害の大きかった銘柄
  • 洪水で株価が上がりそうな銘柄
  • その他注目銘柄

を紹介していきます。

RWE ジンクスは守られた!

RWE

10年前、電力会社RWEの株を購入。

1週間後、福島原発事故が発生。

メルケル首相は、

「原発はすべて操業を停止せよ。」

と命令。

その後、原発廃止が決まると、株価は1/3に。

悪夢のような投資経験。

安全にお金をパーキングしたかっただけなのに。

1か月前、電力会社RWEの株を購入。

すると今回は洪水が発生して、発電所が浸水等で被害大(*2)。

ジンクスは守られた。

月曜日と火曜日は、

「トップ負け株」

に君臨。

ひ~。

その後、

「滅茶苦茶安い。」

と買いが入り、被害は多少、限定されました。

洪水の前の5週間、

「連日赤字」

を記録。

これを含めると2週間で10%のマイナス。

RWEは何も悪くない。

でも電力会社の株は二度と買わない!

再保険会社 Müncheer Rück 被害甚大

そのRWEの洪水被害が、

「そんなに少ない被害なの?」

とさえ思えるのが、再保険会社の被害総額です。

今回の洪水は

「ドイツ史上最大の自然災害」

と言われています。

世界最大の再保険会社 Münchener Rückの被害は甚大です。

保険会社は

「10億ユーロ程度」

の保険金支払いを想定。

電力会社RWEの被害額(見積もり)が

「2000万ユーロ前後」

なので、ほぼ50倍です。

株価は?

月曜日こそ下げましたが、

「配当金が魅力」

と、火曜日から買い注文が殺到。

ほぼ洪水前のレベルまで回復。

配当銘柄は危機に強いっ!

質問
買ったほうがいい?

 

うんにゃあ。

これから米国&日本でハリケーンの季節。

また洪水が起きたら(*3)、がっくりいきます。

保険銘柄は秋になるまで、手を出しては駄目!

ハイデルベルク セメント

会社の名前で、

  • 何処にある会社なのか
  • 何をしてる会社なのか

わかるのがハイデルベルク セメントです。

コロナ禍でも、不動産ブームは少しも鈍らず。

2020年も大きな減益を経験しなかったので、

「2021年度の売上は、2020年比で少し改善する程度。」

と控えめの業績予測。

これが投資家に気に入らず、ゴールドマンサックスは

「売れ!」

と推奨。

でもゴールドマンサックスが、

「買い!」

と言っているRWEの株は、ここ3か月下がるばかり。

あてにしないほうがいいです。

今回の洪水で、家屋、道路、橋、線路、それに発電所が壊れました。

建築に必要なのは?

そう、鉄鋼とセメントです。

今後、大ブームが期待されます。

株価はすでに1年で40%も上昇。

8月の修正を待って

「70ユーロを割り込んでから」

から買います。

ドイツ最大の建設会社 Hochtief

壊れた道路、橋、それに発電所を直すのは?

そう建設会社です。

その中でもドイツ最大の建設会社 Hochtief。

世界的に活躍しているので、ドイツ国内での売り上げは、会社全体の売り上げの10%。

なので国内の建設ブームで

「一番得をする。」

わけじゃない。

質問
じゃ、何故勧める?

 

米国での巨大なインフラ事業で得をするからです。

おまけに

「業績下方修正」

で株価を下げていたオーストラリアの子会社が、2021年度の業績目標を確認。

おまけに今、株価は底値。

1年チャートでご覧あれ。

今の株価で計算して配当金はなんと7%!

これだけ言っても買わないで、

「あの時買っておけば、、。」

なんて言うのは自業自得。

ドイツ最大の鉄鋼会社 TheyssenKrupp

セメントと共に家屋、橋、線路の建設で欠かせない鉄鋼。

そもそもクルップ社は、線路の製造でドイツ最大の鉄鋼&軍需産業に成長した会社。

質問
買い?

 

う~ん、微妙。

製鉄所には被害がなかったようですが、道路、線路が寸断されています。

材料(鉄鋼石やリサイクルされた屑鉄)が製鉄所に運べない。

このため、株価はやや軟調。

どれだけ影響がでるかわからないので、微妙。

鉄鋼販売専門店 Klöckner & co

8月一杯は廃材の撤去。

9月からは建設ラッシュ。

まずは線路と道路を直さないとね!

なれば建築資材の高騰は避けられず。

建築資材の高騰で得をするのは?

そう、鉄鋼販売専門店 Klöckner & Co です。

洪水で株価を下げてます。

なのに1年チャートをみると、ほぼ100%の上昇率。

再興ブームで株価が過去最高値を更新するのは、避けられない事実。

鉄鋼 & 復興株に投資するなら、この銘柄!

ドイツの誇るIT 最大手SAP 業績発表

今週、ドイツの誇るIT業界の最大手 SAPの業績発表がありました。

コロナも洪水も関係ないので、年間の業績予測を上方修正。

アナリストもべた褒め。

なのに株価は1週間で5%もマイナス。

業績上方修正と言っても、去年比でたったの3%。

SAPのライバル”Salesforce”は、売り上げが24%増。

SAPの

「旬の時期」

は完全に過ぎ去りました。

この1年で株価は、16%下げてます。

配当金も

「目糞鼻糞」

なので、投資する理由が見つからないっ!

K+S 10年振りの好景気到来!

K+S 10年振りの好景気到来!

岩塩を採掘している会社が k+sです。

参照 : k+s

ドイツ中央部の美しい街、カッセルにある会社。

かってはDAXのメンバーでもありました。

質問
岩塩って儲かるの?

 

岩塩から肥料の”Kali”/カリーを作ります。

ぐぐってみると、日本語で

「カーリー」

だって。

本当?

世界の人口が増え続ける今、肥料は欠かせない。

が、供給が需要を上回り、採算が取れなくなりました。

株価はかっての90ユーロから、5ユーロまで下落。

同社は高い金を払って買った北米のカリー工場を売るなどして、生産調整。

すると10年振りにやってきた物価の高騰。

カリーの価格も高騰!

k+sは先週、四半期の業績発表を前倒し、

「経常利益が2倍になった!」

と報告。

株価は12%も上昇。

今週は月曜日の

「大安売り」

で大きく下げましたが、終わってみると、イーブン。

先週ここで紹介した

”SGL Carbon”

同様に、今年の成長株です。

8月の修正で株価がお安くなったら、お買い時!

でもブームは続いてもせいぜい2~3年。

儲かったら高値で売らなきゃ、また10年塩漬けよ!

Vonovia 二度あることは三度ある

何度も書いてますが、ドイツはここ10数年空前の不動産ブーム。

DAXに、不動産会社が二社も上場されています。

3か月前、ドイツ不動産業界の最大手”Vonovia”が、業界第二位の”Deutsche Wohnen”の買収(計画)を発表。

成功すれば、EU最大の不動産会社の誕生です。

成功すれば。

“Vonovia”が”Deutsche Wohnen”の買収をたくらんだのは、今回が三回目。

「三度の失敗は許さぬ。」

と”Vonovia”は”Deutsche Wohnen”と買収額で同意済み。

唯一の条件は、

「過半数の株を7月23日までに取得する事。」

7月23日”Vonovia”は

「買収に失敗しそうだ。」

と発表。

これで三度目の失敗です。

何がまずかったのでしょう?

物言う株主 Paul Singer

日本でも東芝が

「物いう株主」

と揉めています。

欧米にはもっとひどい投機的な投資家がいます。

会社の社長をいじめて、子会社を売却させます。

その売却益を株主への

「臨時配当」

するように強いる悪魔のような存在です。

その悪魔の親分が、ヘッジファンド

「エリオット」

を率いるPaul Singer /パウル シンガーです。

その悪魔が”Deutsche Wohnen”の大株主に!

考えていることはひとつ。

買収に反対して、買収額を2割、3割と釣りあげる事。

エリオットの登場で株主は、

「買収額はもっとあがる。」

と判断、売却をしぶったんです。

結果、”Vonovia”は三回も同じ会社の買収に失敗することに。

今後の動き

“Vonovia”の社長には面子がかかってます。

三度も失敗したのでは、社長の座も危うい。

そこでなんとかして、買収を成功させようとします。

質問
どうするの?

 

もっと高い買収額を提示するしかありません。

まさにエリオットの思うがまま。

金曜日の取引終了後、

“Deutsche Wohnen”

の株価はわずかに上昇。

通常、買収がお流れになると、目一杯株価が下落するもの。

なのに上昇するということは、皆、同じ考え。

月曜にはロケットのようにあがる(かも)?

今から買い注文じゃ!

一方、”Vonovia”の株価はかなり下げそうです。

金曜日、取引時間終了後にわずかに下げました。

月曜に商いが始まれば、こんなもんじゃ済まないよ。

相手は

「あの」

エリオットだからね。

しかし!

株価が50ユーロを割れば、配当金も悪くないしお買い時!

“Bullenfalle”に注意せよ!

今週の

「大安売り」

は、これで終わりではありません。

これから8月にかけて、不安定な動きはさらに加速化。

株価が落下するも、翌日からもう回復基調に。

「底を打った!」

と買いに行くと、見事な

“Bullenfalle”(*4)

です。

さらに大きな下落がやってきます。

まだ投資していない資産があり、投資の機会をうかがっているあなた!

ここ3週間はサイドラインに立って、

「傍観者」

に徹底してください。

8月末、あるいは9月になってから、

「えっ、こんなに安いの?」

という銘柄を選んで買いましょう。

“Depot”開設

まだ

「投資なんてしてない。」

という方は銀行に行って、

“Depot”

を開設しましょう。

3週間あれば十分、間に合います。

注釈 – ドイツで大洪水発生 DAX 今年最大の下げ幅を記録!

*1     見てもブル~になるだけ。

*2     正確に言えば発電に必要な褐色石炭の採掘場が池のようになり、採掘停止。水力発電所も壊れて、操業停止。

*3     絶対に起きます。

*4     株価が上昇(牛/Bullen)に転じたので安心して投資すると、落下に転じるのを、牛の罠 / Bullenfalle と言います。

-投資, 雨にも負けず

執筆者:

nishi

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