投資 雨にも負けず

Evergrande 倒産懸念 DAX フラッシュ大安売り!

投稿日:2021年9月25日 更新日:

一難去ってまた一難 国債金利上昇 & 米国デフォルト懸念

今週の最大のテーマは中国の不動産開発業者”Evergrande”倒産懸念。

すでに7月から社債の利率が急上昇。

8月以降、

「倒産するかもしれない。」

と度々報道されてきたのに、株式市場は先週の金曜日まで無視。

月曜日になって急に、

「中国のリーマンブラザースになりかねない。」

と心配事に。

突如、

「大安売り」

がやってきました!

Evergrande 倒産懸念 DAX フラッシュ大安売り!

DAX 最大で3%下落

DAXはオープンから、

「ドミノ効果でリーマンブラザース倒産時の金融危機に発展するかもしれない。」

との心配から全面安で始まりました。

米国で市場がオープンする前の14時45分、3%下げて最安値を記録。

日本時間ではもう真夜中。

「これはしばらく続くな。」

と就寝。

するとその後、カムバックが始まってた!

取引終了までに1%改善して、マイナス2%で取引終了。

翌日、すでに回復ラリー。

「中国のリーマンブラザース」

は偽物だったの?

なんでこんなに簡単にリカバリーするの?

何故、修正にならなかったのか?

何故、修正にならなかったのでしょう?

最大の理由は米国、欧州、日本の銀行が(まだ)金融緩和政策を取っている点。

昔から

中央銀行の政策に反する賭けはするな!

と言われています。

中央銀行が金融緩和政策を取っている間は、大きな下落が続くことは

「滅多に」

ありません。

もうひとつの原因は、

「倒産の効果は限定的」

という見方が投資家の間で浸透したため。

“Evergrande”の借金の90%は、国内の銀行や闇銀行。

残りの10%は海外の投資家が保有。

日本の年金機構を始めに、欧州の大銀行であるUBS,HSBCなどが、”Evergrande”の社債を買っています。

最大の投資額が400万ユーロ。

その程度の損出なら、夏に経営破綻したヘッジファンド

「アルケゴス」

の方が、世界経済への被害額は大きかったです。

この為、

「株式市場の過剰反応。」

が収まると、一気に回復しました(*1)。

“Evergrande”は倒産するの?

ドイツでは、

「借金を返せない。」

とわかった時点で倒産の申告、あるいは

「会社更生法の適用」

をしなくてはなりません。

これをせず、負債をさらに貯めこんでから倒産すると、

”Insolvenzverschleppung”(倒産先延ばし)

という刑罰に相当。

刑務所に行きは確実です。

ドイツの法律を適用すれば、”Evergrande”はとっくに会社更生法の適用を申請しているべき。

考えてください、33兆円の借金ですよ。

明日、倒産するかもしれない銀行に、誰が33兆円貸します?

質問
所有している不動産を売ればいいのでは?

 

今、社債の利率が400%です。

1億借りていたら、4億の借金です。

円でもドルでも、ユーロでも。

この利率では借金の元金はいう間でもなく、利払いさえもできません。

実際、9月23日借金の利息850万ドルの支払い期限を、無視しました。

利息を払わず、コメントもなし(*2)。

“Evergrande”は倒産するのか?

と思っているアナタ、もう倒産しています。

これを公に認めていないだけ。

あとはいつ経営陣が事実を認めて

「白旗を挙げるか。」

の問題です。

シェフラー株 ゲット!

先週紹介した

「田舎の大企業」

シェフラー。

月曜日の

「フラッシュ大安売り」

で大きく下落。

「ここまで下がったら(まさかここまで下がらないから)、買ってもいい!」

という値を決めて、オーダー。

夕食食ってチェックすると、

オーダー完遂。

先月は、

「8ユーロに届くか?」

だったのに今はもう、

「6ユーロを割るか?」

という暴落振り。

あまりにあっさり買えたので、

「しまった!」

と思ったら、ここが底値でした。

注目銘柄 No.1 BASF

注目銘柄 No.1 BASF

今、一番の注目銘柄がケミカル会社のBASFです。

すでに今年2回も業績を上方修正。

なのに株価は下がる一方(*3)。

半年チャートでご覧あれ。

アナリストはケミカル製品の需要が急速に高まる、

「ケミカル スーパー景気」

がやってくると予言。

例えこれが来なくても、配当銘柄です。

今、激安なので買っておいて損はない。

が、”Evergrande”が白旗を挙げるまでは、怖くて動けない。

もし60ユーロを割ったら、

「即買い」

です。

割らないと思うけど。

Zooplus 買収合戦真っただ中

オンラインでペット用品を販売する”Zooplus”。

投資ファンドから買収オファーがあり、

「終わったな。」

と思ってました。

すると今度は別の投資ファンドからさらに高額な買収オファー。

すると、

「何をしてくれる!」

と最初の投資ファンドがさらに高額な買収オファー。

株価が、階段状に上昇を続けているのはこれが理由です。

Zooplus 買収合戦真っただ中

さらなるオファーは届くのか?

一難去ってまた一難

金曜日の株式市況、オープン!

三日間上昇の後、今日は利益確定の売りが入りました。

原因は”Evergrande”の

「されなかった利払い。」

です。

投資家は未だに

「中国政府が救ってくれる。」

と期待しているんです。

楽天家ですね~。

これに加えて心配事も増えてきました。

国債金利上昇中!

「テーパリング近し!」

と国債が大人気。

米国は言うまでもなく、ドイツの国債の利率も上昇中。

米国10年債は久しぶりに

「1.4%の壁」

を突破して1.45%に上昇。

国債金利上昇中!

データ抜粋元 : 米国10年国債

 

まだ気になる程度だけど、1.7%代に載ると株価に影響が出ます。

テーパリング & 利上げ期待で人気回復 銀行株

投資家にとっての心配事は、テーパリングだけではありません。

先週、FRB議長が

「2022年に最初の利上げを実施。」

とこれまでの

「最初の利上げは2023年になってから。」

をこっそり修正。

国債金利の上昇と利上げで得する銘柄は?

そう銀行株です。

ドイツ銀行株、月曜日のフラッシュ安から回復中。

テーパリング & 利上げ期待で人気回復 銀行株

リーマンショックの前に購入したドイツ銀行株。

今年こそ黒字になるか?

米国のデフォルト懸念

国債の金利よりも心配なのが、米国のデフォルト懸念。

米国の借金が

「また」

上限に接近中。

「借金の限度額の上方修正」

で合意に達しない限り、今度は米国がデフォルトです。

共和党にはバイデン政権の

「インフラ公共事業計画」

が目の上のたん瘤なので、同意は望めません。

バイデン政権がインフラ計画を落とせば、共和党は同意するでしょうけどね。

すると今度はインフラ計画に期待していた経済界には大打撃。

どっちを向いても今、危ない話ばかりです。

まだ戦術予備を持っている人は、戦局がはっきりするまで待ちましょう。

注釈 – Evergrande 倒産懸念 DAX フラッシュ大安売り!

*1        冷静に数字だけみればそうでしょうが、株は投資心理で大きく左右されます。

“Evergrande”が正式に倒産すればその心理的な効果は大きく、世界中で株安を招くことは確実。

問題は今回のようなフラッシュ株安で済むか、それとも数週間続く修正になるか。

*2       外貨社債には第二の利払い期限があります。これが30日後。すなわち遅くても30日後には利払い不履行で正式に倒産です。

*3        去年のコロナショックで50ユーロで購入。春先に72ユーロで売却済み。

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執筆者:

nishi

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