投資 雨にも負けず

テーパリング告示 懸念材料が消えて最高値更新中!

投稿日:2021年11月6日 更新日:

テーパリング告示 懸念材料が消えて最高値更新中!

FRB(連邦銀行)総裁が、過去数か月に渡って念入りに準備していたテーパリング。

そしていよいよ本番。

水曜日(日本時間では木曜日)にパウエル議長が、

「11月から国債の買い入れを毎月150億ドルづつ縮小する。」

と、テーパリング告示。

その効果は、よく準備された軍事作戦と同じく、覿面でした。

テーパリング告示

5~6年前、バーナンキーFRB(前々)議長がテーパリングを発表すると、株価暴落。

市場に心の準備をさせる暇なく、金融政策の方針転換を発表したんです。

これが

「トラウマ(*1)」

になっていたので、

「テーパリングが来るのでは?」

と株式市場はここ数か月、テーパリング懸念で乱高下。

パウエル議長はこれを逆に利用。

市場が

「テーパリング時期の推測」

をするに任せていました。

時々、推測を

「正しい方向」

に導く、”Wink”を出す程度。

するとまだ告示していないのに、市場が

「11月の定例会議で発表だな。」

と意見の一致を見てから、テーパリング告示。

懸念材料が消えて最高値更新中!

株式市場は不安定要素を一番嫌うので、

「これで未確定要素がなくなった!」

と、まるで歯医者での治療を終えたような爽快な気分になり、株価が上昇。

DAXが反応できたのは、時差で木曜日になってから。

市場オープン時に一挙に

「過去最高値」

を記録。

その後、すぐに売りが入りましたが、午後になって続伸。

最高値16064を記録。

このような動き、

「売りが入って下げると、すぐに買いが入る。」

は、投資家がまだまだ上昇を確信している証拠。

多少の下げはあるでしょうが、11月は

「収穫の秋」

になりそうです。

では今週、注目を浴びた銘柄を紹介していきます。

Aixtron 経常利益が4倍に!

まずは私が先週買った銘柄、Aixtronから始めましょう。

木曜日に業績発表がありました。

前回、

「会社創立以来の売り上げ & 経常利益」

を記録。

今回はその記録を、さらに93%も上回る素晴らしい業績!

1月~9月の連結経常利益は、前年比で4倍に!

もっと素晴らしいのがマージン。

利益率は前期の17%から、第三期はなんと夢のような28%に上昇(*2)。

それだけじゃない!

「第四期の業績はさらによくなりそうだ!」

と予告。

さらに、

「年間業績目標の4/5はすでに達成済。」

と発表。

隠れた業績の上方修正です(*3)。

すると株価は、

5%も下落。

ひ~。

“Sell on good News”

の典型です。

金曜日には反発するだろうけど。

するよね?

反発!

反発しました!

反発!

Commerzbank 予想外の黒字達成 & 業績上方修正

先回、大赤字を計上して、

「今年は塩漬け確定」

と格下げしていたドイツ第二の銀行、Commerzbank。

第三期は予想外の黒字を達成。

それも立派な4億300万ユーロの黒字。

ドイツ銀行の倍です。

それだけじゃない!

2021年度の業績目標を赤字から黒字に上方修正!

株価は一時、

Commerzbank 予想外の黒字達成 & 業績上方修正

チャート抜粋 : onvista

 

6%も上昇。

その後、利益確定の売りが入り、1.4%の上昇で取引終了。

最後の2時間の株価の動きを見てください。

「どうしても6.6ユーロ以下に抑えたい!」

とヘッジファンドが大量に空売り。

6.59まで上昇すると、すぐに下げてます。

このラインで大きな賭けがされているようです。

ANA 珍道中

コロナ禍で苦しんだ、そして苦しみ続ける航空業界。

するとANAの社長、

「コロナ禍でも黒字になる航空会社にする。」

と頼もしい宣言。

もっとも、

「航空会社が飛行機を飛ばさないで、どうやってお金を稼ぐの?」

という肝心な点には言及無し(*4)。

「機内食をネットで売ればいい!」

という人がいるかもしれません。

飛行機を滑走路にパーキングすると、1ヶ月で億の金が必要です。

いくら機内食売っても、焼け石に水。

案の定、

「2021年度は目標していた黒字ではなく、1000億円の赤字になる。」

と軌道修正。

さらには従業員の解雇も発表。

コロナ禍でも黒字になる会社にするって言ったじゃない!

ANAの珍道中はそれだけじゃない!

ANA 廃盤機 A380を3機注文

エアバスA380を最も多く購入したエミレーツ、

「導入は間違いだった。」

と告白。

 

現在ではごく一部を使用しているのみ。

残りは退役。

ルフトハンザはA380の最後の一機を砂漠に送り、お払い箱。

その中でANAだけは、A380を3機も注文。

コロナ禍で使い道がないのに、盛大なセレモニーでお出迎え。

どの記事を読んでも、

「世界の航空会社がお払い箱にしている大型航空機を、この時期に買う意味があるのか。」

とのコメントなし。

各社、

「かわいい塗装。」

などと、要点を外した報道ばかり。

このANAの上層部のミスのツケを払うのは、

「航空会社で働きたい!」

と入社した社員と株主。

ルフトハンザ 1年半ぶりの黒字達成!

今週、ルフトハンザが第三期の業績発表。

コロナ禍で日本や中国は、外国人の観光入国を禁止。

感染拡大が収まった国が入国制限を解除すると、フライトの数はやっとコロナ前の48%まで回復。

まだ半分以下。

さらには上昇する燃料費。

「間違いなく赤字。」

と誰もが予想していたら、なんと1年半ぶりの黒字達成!

ルフトハンザって、昔から危機管理が上手かった(*5)。

燃料費上昇を見込んで、半年分買い込み。

こうした危機管理能力があるので、燃料費高騰 & キャパ48%の運行でも黒字が可能に。

もっとも黒字額はたったの1700万ユーロ。

社債の利子を払ったら、7200万ユーロの立派な赤字。

しかし!

去年の同時期は12億ユーロの赤字。

大きな改善です。

しかも!

11月8日からは米国への観光目的の渡航が可能に。

ルフトハンザは傘下の航空会社を含めると、日々、米国へ220を超えるフライトを運行。

皆までいえば、11月からドイツ人の大好きなタイへの入国も可能。

サワディーカップ!

社長の、

「11月からはコロナ前の80%のキャパまで回復する。」

とのコメントに、株価テイクオフ!

ルフトハンザ 1年半ぶりの黒字達成!

1週間で15%も上昇。

ごっつあんです。

Klöckner & Co 過去最高益 & 配当金大幅値上げ

ずっと狙っていた銘柄が、鉄鋼販売店 Klöcckner & co。

一瞬、抵抗線の10ユーロを割り込み、9.98ユーロに。

今だ!

と注文するも時遅し。

二度とチャンスが巡ってきませんでした(*6)。

雀の涙ほどの配当金のAixtronに比べて、Klöcknerは6%の配当金。

水曜日に業績発表があり、

「上場以来、最高の経常利益」

を計上。

社長は、

「(コロナ禍で辛抱を余儀なくされた)株主も恩恵を受けるべきだ。」

と、90セント~1.1ユーロの配当金を告示。

配当率9%+です。

買うならこういう株主思いの銘柄です。

株価も上昇。

Klöckner Co 過去最高益 & 配当金大幅値上げ

もし11ユーロを割ったら個人的には買い。

配当金9%はおいしい!

Bilfinger BOAが「売り」から「買い」に修正

配当銘柄と言えば、Bilfinger。

「株主総会で承認される事。」

が条件で、特別配当+通常配当で4,75ユーロが告示されています。

購入価格で換算すれば、配当率19%。

一体、誰が反対する?

今後、これを超える配当金を出す銘柄を保有することはなし。

ただし!

配当金が出た後は、地獄です。

配当金の分、19%下落に加えて、投資家が

「もう用はない。」

と売却、25~30%もの下落を覚悟しなければなりません。

さらに!

ドイツでは配当金にかかる税金が30%。

4,75ユーロ - 30% =3,325ユーロ。

買値が28.75ユーロ。

買値 + 手取り配当金 = 32,075ユーロなので、

「株価が32,1ユーロを超えると、売却益のほうが多い。」

という計算になります。

ところがなかなか32ユーロを超えない株価。

毎回32ユーロ手間でUターン。

昨日、株価をチェックすると、

Bilfinger BOAが「売り」から「買い」に修正

32ユーロを超えてる!

質問
何故?

 

調べてみると、BOA(Bank of Amerika)がビルフィンガーの株を

「売れ」

から、

「買え」

にアップグレード。

株価目標を16ユーロから40ユーロに大幅修正。

「コスト管理で贅肉が落ちて、お買い得」

との評価。

ありがたや~。

次の抵抗線は35ユーロ。

超えたら売って、ドイツに帰ります。

VW社長 会社内の嫌われ者No.1

ここ数日、VWの株価が続落中。

VW社長 会社内の嫌われ者No.1

1週間で7%も下落。

原因は社長と労働組合との闘争。

ドイツには

「VW法」

というイスラム国のような時代遅れの決まりがあります。

このせいで、

「スタバにコーヒーを注文しよう!」

という簡単なことも不可能。

労働組合が経営する

「茶店」

で注文すべし!

と、VW法典に書かれているんです。

結果、VWのコーヒーは、世界で一番高いコーヒです。

スタバの3倍もします。

問題はコーヒーだけじゃない。

労働組合に急所を

「がっしり」

握られているので、会社の効率化が不可能。

結果、VWのマージン率は3~4%まで落下すると予測されています。

VWが追い越そうとしているテスラのマージンは、15%。

これで追い越せるわけがない。

こうした束縛を廃止して、もっと動きやすい会社にしたい社長のデイース氏。

しかし氏は手回しが苦手。

労働組合と話す、あるいは取締役員会議で提案しないで新聞記者に、

「3万人の解雇が必要だ。」

と語るんです。

当然、役員と労働組合はご機嫌斜め。

社長がうるさい労働組合の会議を休んで、

「米国への視察旅行」

に出かけようとしたのが、クライマックス。

労働組合は

「社長の欠席は許されない。」

と、挑戦状をたたきつけたんです。

デイース氏は、

「ちっ、わかったよ。」

と譲歩するも、そこは瞬間湯沸かし器のデイース氏。

全然、わかっていません。

今、年内の社長更迭がささやかれています。

Varta 業績下方修正 株価激落中!

アプルのエアーポッド

 

電池メーカーVartaの電池を使用しています。

「安い中国製に変えられたら、命運尽きる。」

と警告を鳴らすアナリスト。

あるアナリストが新エアーポッドをばらしてみると、

そこにはちゃっかりヴァルタの電池が!

すると懸念材料がなくなり、

「業績の上方修正が来るぞ!買いだ!」

と、自信満々のアナリスト。

私も少なからず説得されました。

いざ蓋を開けてみると、業績の下方修正。

製造ラインをフルに回して十分な量の電池を製造していたのに、客(アプルでしょ!)からの注文量が減ったのが原因。

株価は、

Varta 業績下方修正 株価激落中!

一時、20%も下落。

ひ~。

業績下方修正と言っても、9億4000万ユーロの売り上げ目標を9億ユーロに修正。

たったの5%ですよ。

なのに株価は15%の下落。

問題は、KGVが40超えの成長株だった事。

成長株なのに成長しないと、その反応は激しい。

来週になればアナリストが一斉に、

「売れ!」

と言い出すので、株価のさらなる落下を招きそう。

100ユーロを割ったら買い足して、買い値を下げます!😢

Vestas 業績下方修正で大地震発生

再生エネルギーの構築で欠かせない風力発電。

最大手はデンマークの”Vestas”。

参照 : Vestas

 

「今後も風力発電はますます必要になる!」

と、以前、興味を見せたことがありました。

水曜日に業績発表があり、下方修正を迫られました。

理由は上昇する材料費。

 

株価はまっさかさまに落下。

Vestas 業績下方修正で大地震発生

ヴァルタよりもヒドイ!

買わなくてよかった~。

世界最大の風力発電の会社がコスト高で悩んでいるなら、小さい所はもっとひどい!

と、業界に大地震を発生させました。

Siemens Gamesa とばっちり

業界(確か)第三位のSiemans Gamesaも被害者の一人。

株価は、

Siemens Gamesa とばっちり

12%も下げました。

Nordex 最悪の事態はこれから

元々、マージン率の低さで悩んでたNordex。

株価は

Nordex 最悪の事態はこれから

11%下落。

Siemans Gamesaはすでに業績予測を下方修正済。

でもNordexはまだ。

株価はまだまだ下げるよ~。

「安い!」

と買うのはやめときましょう。

紹介したい銘柄がまだ残っているのに、もう18時。

晩御飯の準備しなくっちゃ!

続きは来週のお楽しみ~。

注釈

*1        忘れられない心の傷

*2        VWはマージン6%。私が株を大量に保有しているBilfingerは涙の2.4%。

*3       万が一を想定して、まだ業績の上方修正をせず

*4        日本政府の「2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロ」同様に、目標は上げるものの、どうやってそこに到達するのか道筋を示さない。

第二次大戦中に「ビルマ・インドを一気に席巻する。」と、無謀なインパール作戦を開始した旧軍と精神構造が同じ。

*5        ANA とは大違い。

*6       普通、株価はほぼ同じ底値に二回着陸してから、上昇に転じます。これが俗に言う二番底。そこで二番底を狙いに行くも、肩透かし。

-投資, 雨にも負けず

執筆者:

nishi

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