ドイツの最新情報 災害・犯罪

Cell Broadcast 導入日決まる & 何よそれ?

投稿日:

Cell Broadcast 導入日決まる & 何よそれ?

永遠に議論され、気が遠くなるほど準備されていた

“Cell Broadcast”

導入日が決まりました。

とは言っても、

「やっとか!」

よりも

「何よそれ?」

という日本人の方が多い哀しい現状。

そこでここでは導入前に

「誰にでもわかるように」

解説しておきます。

Cell Broadcast 導入の背景


2021年7月、欧州の中央 & 西部で大洪水が発生した。

ドイツだけで死者186名を出す、大きな自然災害だった。

その災害時に市民に警告する目的で設置されているサイレンは、あまり役に立たなかった。

サイレンが聞こえない & 鳴らない地域があった。

これに加えて政治家が

「スヤスヤ」

とお休み中、あるいは

「休暇中」

で警告が出されなかった。

日本でも

「子供を送迎したら、ちゃんと誰も残っていないかチェックすべし!」

と何度も言われているのに

「子供をバスに忘れた。」

という事件が絶えませんよね。

人間が関与する限り必ずエラーが起きます。

コレが災害時に起きると、超~マズイ。

そこで

「EU加盟国は速やかに災害警告システム “Cell Broadcast”を導入すべし!」

と決まった。

2022年12月8日に試験導入

ところがである。

ドイツ人は無償の議論好き。

他のEU加盟国ではとっくに導入されているのに、

「あ~でもない。こ~でもない。」

と議論。

導入される前にAhrtalの悲劇が起きてしまった。

この悲劇がやっとドイツの政治家と動かして、”Cell Broacast”導入に向かって動き出した。

このシステムの導入に欠かせないのが、携帯電話会社の協力。

もっと正確に言えば、すべて携帯電話会社の仕事振りにかかっています。

そこで

「2023年の2月までに体制を整えてください。」

と通知。

珍しくこれが期限の前に完成。

そこでまずは、2022年12月8日に試験導入される。

Cell Broadcast とは?

EU全域で導入されるため、

“Cell Broacast”

という英語の表現になっているので、非常にわかり難い。

日本語で言えば、細胞放送。

全然わからない。

“Cell Broadcast”とは、災害時に携帯電話に届くSMSです。

 

警告音と一緒に届きます。

アプリをインストール必要はありません。

プロバイダーが電波の受信内(Cell)にある携帯に、自動発信(Broadcast)します。

すなわち!

試験日の12月8日に携帯の警告音があり、

「災害警告の予行演習です。」

というSMSが届きます。

「えっつ、災害?」

と慌てないように!

試験です。

又、

「えっ、ウイルスに侵入された?」

と心配する必要もなし。

システムの欠点

システムの欠点

もっとも完璧なシステムというものはありません。

“Cell Broacast”に対応するのはアプルのiOS15.6.1以降。

アンドロイドではバージョン11以降。

古い携帯を持っていると、SMSが届きません。

加えて携帯を持たない私ような人間には、どのみち届かない。

また”Cell Broacast”発信の基準もあやふや。

日本の東北地震では津波警報が出ていたのに、真面目に取らなかった人が多く居て、被害者の数が膨らみました。

誤報が続くと、

「オオカミ少年」

の原理で、誰も真面目に取らなくなります。

この為、

「危険のどの段階で警報を出すか?」

という点で葛藤が置きそうです。

警告が遅いと、人命が失われる。

が、早く出すと、オオカミ少年。

“Cell Broacast”発信を決める人の立場にはなりたくない。

-ドイツの最新情報, 災害・犯罪

執筆者:

nishi

コメントを残す

アーカイブ