
今回のテーマはまたドイツ軍です。
先週、
「弾薬 2万発を盗まれる!」
というニュースがお茶の間を賑わした。
日本の皆さんにも、ドイツ軍の
「体たらくぶり」
を知ってもらいたい。
この記事の目次
ドイツ軍 弾薬盗難事件の始まり
事の始まりはドイツ軍が
「弾薬・その他の補給品」
を東ドイツの
“Sachsen-Anhalt”(ザクセン・アンハルト州)
にある
”Clausewitz-Kaserne Burg”(ブルクにあるクラウゼヴィッツ駐屯地)
へ輸送する計画から始まった。
輸送計画自体は、軍隊らくしく万端抜かりなし。
- トラックは11月24日に出発
- 補給処で弾薬等を積み
- 同日のうちにクラウゼヴィッツ駐屯地に到着
する計画だった。
問題は輸送をドイツ軍の輸送部隊ではなく、民間の運送業者に依頼したこと。
そこで民間の運送業者には、
- 常時二名で輸送する事
- 万が一の際に連絡できる24時間体制の電話番号
を下達していた。
ホテルで一泊
ところがである。
民間の運送業者は口うるさいドイツ軍の指示を
「はい、はい」
と軽く受け流し、運転手1名だけで配送に送り出してしまった。
一人で運転すると、トイレ休憩の際に大事な積み荷を監視する人間さえいない。
それだけでも
「大事な規律違反」
なのにこの運転手
「疲れちゃった。」
と、サービスエリアに入りホテルでご宿泊。
積み荷は監視もされていない
「一般の駐車場」
に停めた。
激務から回復した運転手は翌朝、やっと目的地の駐屯地に到着。
早速、荷下ろしが始まったが、荷台の鍵が壊れていた。
ドイツ軍 弾薬 2万発を盗まれる!
担当の将校が確認すると、
- 拳銃用実弾1万発
- 突撃銃用空砲9900発
が消えていた。
ここでクラウゼヴィッツ駐屯地は、警察に
「盗難」
で被害報告を出した。
訓練用の空包はまあ、殺傷能力がないからいい。
これが自衛隊だったら空薬莢でも
「山狩り」
します。
問題は1万発の実弾。
拳銃用とは言っても、
「ベストセラー機関銃 MP5」
にも使える代物。
ウクライナに流れて
「対ロシア軍」
に使われるならいいが、犯罪に使われると
「えらい事」
になる。
犯人は誰だ!?
基本、ドイツで貴重品を車に残しておくと盗まれます。
私もやられました。
盗まれたのはカーナビです。
埋め込み式の。
ドアのガラスも割われるので、修理費が馬鹿にならない。
悪いことは言いません。
ドイツで車に乗るなら安い大衆車を。
高級車の路駐はいい鴨です。
これがトラックでも同じ。
なのにこの運送会社の運転手は、見張りもいない駐車場にトラックを止めて、しかもホテルでご宿泊。
「宇宙で攻撃を受けて酸素が足りません。お金を送ってください。」
という話を信じて、ウン千万円送金したロマンス詐欺の被害者くらい救いようがない。
被害にあった女性、宇宙にATMがあると思っていたんだろうか?
話を戻します。
そもそもドイツではトラックの夜間走行は禁止されている。
この為、駐車場は夜間、見渡す限りトラックが止まっています。
この中から
「どのトラックが弾薬を積んでるか?」
なんてわかる筈もなし。
明らかに内部の情報漏れです。
弾薬の輸送が行われる事を知った犯人が
- トラックを尾行していたか
- GPSトラッキング装置を装着していたか
どちらかです。
大方は勤続年数の浅い運送会社の社員がスパイです。
世紀の現金輸送車強盗事件
1991年1月1日より、ユーロが導入されました。
問題は、この期日までに大量の現金を欧州全域の銀行支店に輸送する事。
そこで頭のいい強盗は、仲間を現金輸送会社に就職させたんです。
現金輸送が始まる半年前に。
この内部スパイは現金輸送車のルートを仲間に通報。
あとは現金輸送車を待ち受けるだけ。
この計画は大成功。
なんと860万ユーロの現金の奪取に成功。
けが人なし。
傷ついたのは運送会社の車と自尊心だけ。
当時、
「うまくやったもんだ!」
と皆が感心しました。
今回のドイツ軍の弾薬盗難事件も、同じような手口です。
ドイツ軍 だけじゃない!警察も!
ドイツ軍の名誉を守るために言っておくと、ザクセンーアンハルト州で弾薬がなくなるのは
「日常茶飯事」
です。
今年の8月、警察署内部で三つの弾倉と弾薬がなくなっているのが発覚!
未だに行方不明です。
その前の月は、警察がパトロール中に180発の弾薬が入った弾倉を置き忘れ。
これを
「善良な市民」
が警察に届けて、スキャンダルを回避したばかりでした。
自衛隊で空の薬莢を無くしたら、
「駐屯地と演習地の大捜索」
が始まります。
ドイツ軍、緩すぎない?
まあ、今回だけは悪いのは運送会社だけどね。
もっとも弾薬を受け取りに来るには、二人の運転手が必要なのは
「子供でも」
知っている事実。
なのに一人で受け取りに来ているのに、
「どうぞ」
と弾薬を渡す補給処の兵隊にも落ち度がある。

