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ボーイング 危うく大惨事 vs. エアバス 奇跡の脱出

投稿日:2024年1月13日 更新日:

ボーイング 危うく大惨事 vs. エアバス 奇跡の脱出

永遠のライバル、ボーイング(米)とエアバス(欧州)。

一見すると

「似たようなもの」

に思えるが、安全基準の考え方が

「天と地」

ほど異なる。

この安全基準の考え方の違いが、

「ボーイング 危うく大惨事」

「エアバス 奇跡の脱出」

の違いを生んだ。

ボーイング 危うく大惨事 vs. エアバス 奇跡の脱出

能登大地震の興奮が収まらないお正月、テレビをつけると

「日航機炎上」

のニュースが飛び込んできた。

日本のメデイアはほぼ例外なく、

「奇跡の脱出」

と評価。

客室乗務員がどんなに素晴らしい対応を行ったか、賞賛の雨あられ。

日航機炎上の興奮が収まらない1月8日、テレビをつけると

「ボーイング機が飛行中に機体の一部(扉)を失った!」

というニュースが飛び込んできた。

こちらも奇跡的に被害者は出なかった。

1月に起きた航空機関連のふたつの奇跡。

双方ともに

「大惨事」

になりかねない事故だった。

欠陥機 Boeing 737 Max

まずは欠陥機 Boeing 737 Maxから始めよう。

この飛行機はライバル エアバス社のベストセラーA320 Neoの対抗機として開発された。

開発と言っても40年前に開発された機体に

「燃費の言いエンジン」

をつけただけ。

そのエンジン、でかくて重い。

そこで従来よりも上にエンジンを設置した。

結果として機首が上に向き、失速しやすい。

そこで機首があがるとこれを自動、正確には強制的に矯正する

“MCAS”

というシステムを導入した。

この”MCAS”を搭載した機体の動きは、これまでのボーイング機よりも大きく異なる。

規定では、

「パイロットのトレーニング」

が欠かせない。

が、

「これでは儲からない。」

とボーイング社は機体の仕様書から

“MCAS”

を削除して

「これまでの飛行機と同じなので、新たなトレーニングは必要なし。」

とやった。

これが原因で起きたのが、インドネシアのライオンエア機の墜落事故。

189名が犠牲になったのに、Boeing 737 Maxは飛行許可を取り消されることはなかった。

その結果、次はエチオピア航空機が墜落した。

ボーイング社のエゴで、さらに157名が犠牲になった。

346名が犠牲になったのにボーイング社は

「アメリカ人パイロットだったら事故は起きなかった。」

と、パイロットの責任にして逃げようとした。

おまけに航空局も、

「原因がわかるまで飛行禁止令は出さない。」

という癒着ぶり。

最終的には国会で調査委員会が開かれて、ここで悪事が暴露された。

が、

「雀の涙の罰金」

と、トレーニングを導入する事で飛行許可が与えられた。

すると今度は飛行中に扉が吹っ飛んだ。

この前の教訓から学んだ航空局は飛行許可を取り消して、同モデルの総チェックを命じた。

すると、

「ネジがスカスカ」

だった。

ドイツ語では

「ネジが閉まってない。」

とは、

「頭がおかしい。」

という意味になる。

ルフトハンザ Boeing 737 Maxを100機もオーダー

にも拘わらずルフトハンザは、Boeing 737 Maxを100機もオーダーした。

そもそもなんでルフトハンザは、

「嘘」

をついて300名を超える人命を失った航空機を、100機も注文するのだろう?

エアバスA320を注文すれば、すでに保有している機種と同じ機種なので整備が楽。

世界一の航空会社ライアンエアーはまさに

「同じ航空機を使う」

というシンプルな戦略で、世界一の航空会社になった。

何故ルフトハンザは、同じことができないのだろう。

もっともJAL

ANA

も同じ。

300名を超える犠牲者を出した

「事故機」

の導入を決めている。

エアバスの方が安全なのに、、。

株価の変動

しかし株価は敏感に反応した。

「ボーイング危うく大惨事!」

のニュースに株価は

ボーイング株価

最高で9%下落した。

航空局が

「Boeing 737 Max 無期限飛行禁止令」

を出すと株価は続落していいる。

同日、ライバル エアバスの株価は

エアバス株価

2,5%上昇した。

その後も株価の上昇は止まっていない。

エアバス 奇跡の脱出

次はJAL機の衝突・炎上事故を見てみよう。

何故、JAL機は滑走路上での衝突炎上事故にも拘わらず、乗客・乗員が全員脱出することがきたのだろう。

その原因は、日本のメデイアが報道している内容とは異なる。

テネリファの衝突事故

1977年、ドイツ人の大好きなスペイン領の島、テネリファで航空機が衝突した。

事故の状況はJAL機の事故とほぼ同じ。

KLM機が離陸許可が出てないのに滑走路に進入、ちょうど着陸してきたパンナム機と衝突した。

583名の死者を出した。

史上最悪の航空機事故だ。

最新鋭の航空機 エアバス350A

今回、羽田空港で事故に遭ったのはエアバス最新鋭の航空機 A350だ。

胴体に炭素繊維を多用しており、機体を必要以上に強化している。

これが乗客・乗員の命を救った。

というのも、テネリファ、あるいはその他の航空機事故を見ればわかるように、着陸してきた航空機が他の航空機と衝突すると機体は

「真っ二つ」

になる。

すると燃料に引火、大火災となる。

このため通常は、

「乗客・乗員に生存者なし。」

という大惨事となる。

が、エアバス A350は衝突に耐え、機体がばらならにならなかった。

延焼を遅らせる構造

さらに!

航空機事故で乗客が生き延びるかどうかは、

「90秒勝負」

と言われている。

90秒で脱出しないと煙と炎に包まれるからだ。

が、今回の衝突事故では前方スロープが降ろされるまでに6分近く、後部スロープが降ろされるまでに9分もかかっている。

通常であれば、全員焼死していただろう。

質問
どうして助かったの?

 

それはエアバスの CFKパネル構造だ。

戦車で言えば

「複合装甲」

のようなもの。

そもそも雷から機体を守るために導入されたが、延焼を遅らせるという

「思わぬ効果」

があった。

日の丸報道

1985年、ボーイング社の修理ミスによりJAL123機が墜落した。

死者520名。

単独機の事故では、史上最悪の死亡事故だった。

当時、そして今でもこの事故について報道されると、

「自衛隊機が今、生存者を救出しています!」

と😢を頂戴する番組に仕上げられる。

これは日本に多い

「日の丸報道」

で、事実は大きく異なる。

当時、日本の管制はJAL機がレーダーから消えてから、

「何処に落ちたのかわからない。」

という有様だった。

墜落したJAL機をレーダーで捕捉していたのは、横浜に駐留する米軍だった。

米軍は航空機の墜落を察知すると、直ちに救援ヘリを出動させた。

「墜落現場に向かっています!」

と日本の管制に伝えると、米軍機は基地への帰還を命じられた。

そう、

「日本のことは、自衛隊に任せろ!」

というわけだ。

が、日本の管制、それに自衛隊は墜落現場を把握していなった。

又、夜間のため航空機での救出活動は

「二次災害の恐れがある。」

としても行われなかった。

結果、まる1日かけて地上部隊が山を徒歩で登頂、墜落現場に着くと4名の生存者しかいなかった。

生存者が、

「墜落時はたくさんの人が生きていた。」

と証言したのに、これを紹介するのはタブー。

その代わりに、

「自衛隊が今、生存者を救出してます。」

という日の丸報道に徹した。

今回のJAL機の衝突・炎上事故でも同じ。

機体が停止してから避難開始まで、ほぼ6分もかかってる。

窓から外を見れば、何処ドアを開ければ安全なのか一目瞭然。

なのに乗務員は、

「機長の指示に従うべし。」

を守り、壊れたインターフォンに

「機長!機長!」

と話し続け貴重な時間を失った。

自身の判断でドアを開け降下スロープを出すのは、

「ご法度」

なのだ。

これがエアバスA350ではなくボーイング機だったら、ドアを開ける事なく全員焼死していた。

さらに!

機長の証言が正しければ、機長が

「最終確認」

をすると、乗務員脱出後の機内には数名の乗客が取り残されていたという。

乗務員が乗客を残して脱出した事実は、非常事態でも褒められたことではない。

海外では、

「エアバス機の構造が乗客・乗員の命を救った。」

と報道しているのに、日本では、

「非の打ちどころない、素晴らしい乗務員の行動!」

という報道。

視聴者に感動を与え、あわよくば😢を誘いたいという

「日の丸報道」

に違和感を感じたのは私だけ?

セウォル号沈没事故と酷似

2014年4月、韓国で修学旅行生などを乗せたフェリーが沈没。

300名を超える死者を出した。

船長や船員は

「大丈夫です!その場に留まって!」

と従順な高校生に言い聞かせると、自分たちだけ避難。

沈没しつつある船の中で、膝まで水に浸かりながら船長の

「命令」

を守っていた高校生の不安な表情が脳裏にこびりついている。

今回のJALの衝突・炎上事故でも、

「大丈夫です!落ち着いて!」

というだけで、停止から6分間も避難を開始しない乗務員。

そして燃える機体に乗客を残して避難した乗務員。

韓国と日本はよく喧嘩をするが、それは思考・道徳観念(儒教思想)が同一な為。

災害時の行動まで酷似している。

神戸淡路大震災

この機会にもうひとつ、

「日の丸報道」

の例を紹介しておきます。

1995年1月に起きた神戸淡路大震災。

世界中から、

「救助部隊を派遣したい。」

というオファーが舞い込んだ。

すると日本政府は、

「外国の救援は不要である。」

とすべてのオファーを蹴った。

受け入れていれば、救われた命もあったろうに。

ドイツ留学中の私は、

「なんで日本は救援のオファーを蹴るんだ!」

と質問攻め。

これがきっかけになり、日本の報道に

「?」

を抱くことになった。

今回の

「JAL機衝突・炎上事故 奇跡の脱出」

「日の丸報道感」

が否めない。

日本では

「都合の悪いことは隠せ。」

が一般的。

が、これでは失敗から教訓を学べない。

実際には、

「成功した事例」

よりも、

「うまくいかなかった事例」

に、たくさんの教訓が含まれている。

なのに、

「めでたし、めでたし」

では何も学べない。

次回はもっとスムーズに行くように改善点を見つけて欲しい。

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執筆者:

nishi

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