ロシアによるウクライナ軍事侵攻で、ドツボにはまったドイツ経済。
今、やっと水平線に
”Silverstreifen”(暁)
が見えてきた!
そこで今回は
「何が良かったのか?」
日本の皆さんに紹介したい。
この記事の目次
ドツボにはまったドイツ経済
これまで何度か
というテーマで、記事を書いてきました。
一時は、半分あきらめかけた事も。
でもドイツの諺で、
“Totgesagte leben länger.”(先がないと言われた人ほど長生きする。)
という通り、ここききて
「ドイツ経済復活の兆し」
が、繰り返し出現するようになりました。
“Aufschwung”(好景気)
が、近くまで来ているのかもしれません。
0.4%の経済成長率
2025年1月~3月のドイツの経済 成長率は0.4%でした。
ちなみに予想は0.2%。
日本経済は同時期、マイナス0,7%なので、
「天と地」
というと誇張だが、ちょっとうらやましい。
原因はトランプ関税なんです。
「4月から関税がかかるぞ!」
という事でドイツの車メーカーは
「ありったけの車」
を関税発効前に米国に輸出したんです。
他にも
「個人消費が伸びた。」
などの要因もありますが、一番大きかったのは
「輸出の前倒し」
です。
メルセデスの関税戦略
面白い逸話があるので、ここで紹介。
うんにゃあ。
実際には関税のせいでトヨタのように、
「値上げ」
をしなくちゃ赤字です。
が、関税が発効する前の輸入だったので、値上げする必要がない!
さらに!
新車は通常、8~10%も値引きするものです。
でも定価で売っているんです。
当然、利ザヤが高い。
「その頃には関税交渉が終わっているだろう。」
という楽観論。
もし
「メルセデスの楽観論」
がウケくいけば、4~6月期に北米市場で大幅な要り上げ増が見込まれます。
ドイツ経済 2025年もゼロ成長?
実はドイツ経済、2024年も1月~3月は0.2%成長。
が、1年が終わってみると2023年に続き、2024年もマイナス成長。
この為、経済研究所は口をそろえて、
「ドイツ経済は2025年もゼロ成長」
と予想しています。
もし
「予想通り」
になると、3年連続のドイツ経済ゼロ成長です。
ドイツ経済 もう底を打った?来るか好景気!?
ところが!です。
大事なドイツ経済指標のひとつ、
”Ifo-Geschäftsklima”(IFO経済研究所 経済お天気予報)
が、6か月連続で上昇中!
この経済指標は9000のドイツ企業にアンケートしているので、
「ドイツ企業の景気予想は、はっきりと上向いてきた。」
と結論。
いわずもがな新政権が憲法改正で可能にした、超大型インフラ投資計画です。
が、予算を組むだけでは、まだ1セントも恩恵がない。
そこで新政権が
「ドイツ経済復興案 第一弾」
として閣議決定した
”Investitionsbooster”(投資ブースター)
が、企業の将来見通しを明るくしています。
大事な点は、
- 設備投資する企業は毎年、30%を経費として落とすことができる
- 法人税減税
- 電気自動車を購入する企業は、すでに初年度に75%を経費として落とすことができる。
の三つ。
設備投資はプリンターから工作機械まで、7月1日から購入する設備が対象。
法人税減税は2028年からだし、
「微々たるもの」
なので無視して良し。
電気自動車は新車価格が10万ユーロまで。
メルセデスで言えばSクラスは無理だが、ほぼフル装備のEクラスも対象内。
心頭滅却すれば不況も克服?
ここで注目して欲しい点は、
- インフラ投資計画からは1セントも出ていない
- 投資ブースターはまだ国会にも法案として出ていない
という点。
すなわち!
という点。
前ショルツ首相が、
「景気が悪いと思わなければ、景気は良くなる。」
と精神論を度々、語っていた。
これはあながち
「真っ赤な嘘」
ではなかった。
ショルツ首相に欠けていたのは、景気を改善する具体案。
これを一緒に患者に処方すれば
“Placebo-Effekt”(プラセボ効果)
で景気(期待感)が上昇する。
一円も使っていないのに!
日本政府も是非、真似をしてもらいたい。
DAX イケイケドンドン
株式市場では
「未来の取引」
が行われます。
過去に
「どのくらい儲けたか?」
ではなく、
「これからどれだけ儲かるか?」
で株価の動向が決まります。
すなわち!
ドイツ経済の見通しが改善したお陰で、DAX(ドイツ株式インデックス)は2025年だけで
しています。
ちなみに日本(日経インデックス)はゼロです。
“Und wie!”
です。
意味はぐぐってください。