増え続けるコロナ感染者数にも関わらず、二週間連続で
「最高値」
を更新してきた DAX & Co。
いつまでも無視できるものではなく、株価が調整に入るのは時間の問題。
不思議なことに調整のきっかけになったのは、パウエルFRB議長の第二期目の延長指名。
なんで?
この記事の目次
DAX 猛威を振るうコロナで調整中
DAXは今週、2.5%下げました。
木曜日、米国では収穫祭で株式市場がお休み。
その隙にちょっと持ち直し、2.2%マイナスまで回復。
大きく下げた最大の原因は、ドイツで怒涛のように広がり続けるコロナ感染者数。
ただでもサプライチェーン(供給系列)が乱れて、減産中。
「コロナでさらなる減産になるのでは?」
との当然の懸念が、投資家の気分を害しました。
それだけでも十分な重荷だったのに、米国から思わぬ横やりが!
利上げ懸念また再燃
案の定、FRBの現パウエル議長が新しい議長に指名されました。
3週間前の
「テーパリング告示」
でも絶妙な腕前を発揮。
「いい人選じゃない?」
と思ったのんですが、投資家は違うらしい。
「別の候補ならさらに良かった。」
と、重箱の隅を楊枝でほじくってます。
又、パウエル議長が指名後に出したコメントが、
「利上げを早める気だ。」
と理解され、国債金利が上昇。
金利上昇は成長株の毒。
主に成長株の多いナスダック が売られました。
ドイツには成長銘柄は少ないのですが、コロナと合わせると株価に危険なカクテル。
Dax & Co. が下げたのも無理はない!
では以下に今週、私が注目していた銘柄を紹介します。
Aixtron 投げ売り!
先週、
「利益確保を忘れるな!」
と書き、有言実行。
Aixtron株を売却。
すると火曜日、
目一杯下落。
売ってて良かった~。
金曜日に売っていなかったら、
「手の上の雀」
もなくなり、赤字になってた!
水曜日には、
さらに下落。
ここまで下げると、
「買い直すか?」
とスケベ心が起きますね。
下落の理由は不明。
成長株なので、金利上昇が要因になったとしか思えない。
E.ON 大投資計画を発表!
かってはドイツ最大の電力会社 E.ON。
まだ発電事業も継続していますが、発電事業(一部)を他社の送電線と交換。
今は送電線事業で欧州最大。
そのE.ONが
「エネルギー転換に270億ユーロを投資する。」
と発表。
株価は大きく下げました。
下落後のKGVは7、かなり安価。
配当金は4.4%で、送電線事業にはリスクなし。
もし一桁になったら、配当率が5%でリスクの(少)ない投資。
あなたの資産から1億投資すれば、毎年500万円の配当。
配当金だけで生活できない?
Aareal Bank 買収
ここで
「未確認情報」
として紹介したAareal Bank買収の噂。
本当でした!
投資家と銀行の間で、29ユーロの買収額が取り決められました。
株価は、
売り市場の中で4%上昇。
すでに買収の噂で上昇していたので、上昇幅は限定的。
買収合戦?
Aareal Bank の株をどうするかで、投資家の意見が分かれています。
「(買収されたら)配当金がでないから全部売れ!」
と言うアナリストが要れば、
「Zooplusのような買収合戦になる!」
と、29ユーロ+で株を買う投資家も。
実際、買収額より株価が上昇しているので、買収合戦を期待してる投資家が多いようです。
KKR テレコム イタリア買収!
ドイツには関係ない銘柄です。
売り上げ & 株価低迷に悩むテレコム イタリア。
「蓼食う虫も好き好き」
とはよく言ったもの。
米国の投資ファンドKKRが、テレコムイタリアの買収を企図!
1株、0.505ユーロも払うそうです。
株価爆発。
しかし!
買収額の0.505ユーロまで大きな
「隙間」
が。
イタリア政府の承認が必要なので、投資家は少し迷っているようです。
政府が許可すれば、また30%上昇する?
投機的な投資家向きの銘柄です。
ドイツ テレコム 原告団に和解案を提示!
テレコムの話題が出たので、ドイツ テレコムの話もしておきます。
90年代、国営企業のドイツ テレコムが民営化。
全国のお父さんは汗水流して稼いだ金を、
「国営企業なら安心だ。」
と投資。
株価爆発。
国民株 / Volksaktieと呼ばれ、数年間、株価があがる一方でした(*1)。
誰も
「株価が落ちる。」
なんて想像できなかった2000年、ドイツ政府が保有していた最後の株を上場。
ここでも購入希望者が株の数を上回り、大フィーバー。
その直後、2000年にやってきたのが
「ドットコム バブル崩壊」
です。
ドイツ テレコム株は3桁から1桁に。
全国のお父さんは大金をすり、お母さんから、
「もう二度と投資しない。」
と誓約書を書かされました。
これがドイツ人のトラウマになり、ドイツ人は日本人よりも投資が嫌い。
投資家は、
「ドイツ テレコムに騙された。」
と1万6000人が提訴。
21年間も続いた法廷闘争(*2)。
今週、ドイツ テレコムが原告団に和解案を提示(*3)。
現在の株価と当時の上場価格との
「差額+利子」
を原告に払うそうです。
これまでの配当金は計算外。
当時の上場価格が63.50ユーロ。
21年後の株価は、16.85ユーロ。
原告の多くは和解に同意する見込みです。
コロナ禍の寵児 Drägerwerk 業績を下方修正
マスクや人口呼吸器を製造しているDrägerwek。
本社はハンザ同盟都市のリューベック。
コロナ禍で株価爆発。
オランダ国王自ら
「人口呼吸器が足らない。なんとかならないか。」
と直談判したほど(*3)。
マスクは各社増産体制をひき、人工呼吸器は病院に設置され、これ以上業績改善は絶望的。
来年の業績を下方修正すると株価は、14%も下落。
「業績の回復は2023年になる。」
との予測ですが、どうやって?
会社が儲かっているときに買収等で事業を拡大しないと、流行株はこういう目に遭います。
VW 社長続投?それともクビ?
ここ数か月、下落しているVW株。
ダイムラー株とBMW株は上昇しているので、VWだけの現象です。
先週も
6%以上下げました。
株価低迷の理由は、社長と労働組合+取り締まり役員との衝突。
今週、
「社長の続投か?」
と報道されて株価を下げました。
その後、
「まだ決まってない。」
と報道されて、ちと上昇。
解任が決まれば大きく上昇するよ!
KGVが4.85ですよ。
激安!!
お金が余っていればここに投資するんだが、、。
なぜ、資金がないかと言うと、、。
DWS スキャンダルにも関わらず最高利益
8月末、
「グリーン ウオッシングをしている!」
との非難でDWSの株価暴落。
「ピンチはチャンス!」
と、回復を見込んで投資。
が、あまり回復しなかった、、。
10月に資金確保のため、黒字で売却。
11月に業績発表がありました。
利益は前年比で10%増加して、2億7100万ユーロ。
上場以来、最高の経常利益です。
利益と同じくらい大切なのは、
「グリーン ウオッシング非難で客はどう反応した?」
です。
DWSによると客が
「そんな投資会社は信用ならん!」
と預金を引き揚げるどころか、210億ユーロも預金が増えたんです!
100万円で投資するより、1億円で投資したほうが利益が多いですよね。
預金増は(通常なら)利益増に繋がります。
KGVが11で、お買い得。
おまけに配当率が6%(私が買ったときの株価で換算)。
1億投資すれば、来年は600万円の配当。
配当金だけで生活できるね!
1億あれば、、。😢
VW株とどちらにするか悩んで、DWSに決めました。
というのも株価が
「何が起きても」
35.5ユーロ以下に落ちない!
ここがジークフリートライン(*3)なんです。
その一方でVWは
- コロナ禍による生産ラインストップ
- 半導体不足
- エネルギー & 部品価格上昇
- 社長の命運
で大きく株価(会社の利益)が左右されます。
投資会社はコロナ、半導体、エネルギー価格の高騰、社長の命運、おまけにスキャンダルも関係ないっ!
この辺で買えたらいいな!
とジークフリートライン近辺で、眠い目をこすりながら23時にオーダー。
起きたら、
オーダー完遂。
10%儲けを確保したら、売ります。
と期待してますが、いざとなれば6%の配当金をいただきます。
オミノコンショック!
もうすぐ12月。
12月と言えば、サンタラリー。
なのに株式市場はまだ調整中。
今日は、
「新たな変異種が発見された。」
と大きく下落。
WHOが変異種をオミノコンと命名したので、オミノコンショック!
まさか、この時点で大きな修正が来るのは予想外、、。
まさに泣きっ面に蜂。
このニュースを聞いた当初、
“Buy the dips”(凹に買え!)
と思いました。
土曜日になってオミノコンの記事を読むと
状況判断が変わりました。
修正が来週も続く可能性を捨てきれません。
市場が落ちつくまで、野外で観戦していたほうが良さそうです。
注釈
*1 歴史に残るドットコム バブルです。
*2 上場のパンフレットに会社の資産を、実際より多く見積もって表記していたと原告が主張。
*3 裁判所がテレコムのパンフレットに記載の資産価値を「問題あり。」と判断、和解を勧めたが故。
*4 日本の皇室、政治家は?
*5 第二次大戦中、ドイツが西部戦線に築いた防衛線の名前。