見ました日経平均の 大暴落 ?
凄かったですね~。
勿論、今回は世界中で株価暴落を引き起こした
“Yen carry-trade”
について、それからドイツの株価動向について書きます。
この記事の目次
日経平均 過去最悪の 大暴落
長く株式取引をやっていると、
「起きることはすべて体験済み。」
なんて思うようになります。
一種のデジャビューです。
投資人生初めてのクラッシュはリーマンショック。
その際、
「最初の10分でDAXが10%を超える下落」
を体験。
脳裏に焼き付きました。
この為、コロナ禍はリーマンショックのデジャビューで、
「この大暴落は儲けのチャンス!」
と買い漁り。
でも日経平均が、12.5%も落ちるのを目にするのは初体験。
今年になって新Nisaを始めて、
「売らないで買い足した。」
という人が居たら、褒めてあげたい。
毎回書いていますが、
円安バブル崩壊
新聞・テレビ局各社は
「全員売り」
「パニック売り」
など、いろんな見出しで日経大暴落を報道。
一番気に入ったのは
「円安バブル崩壊」
という見出し。
欧米のようにイノーベーションに頼らずに、
「円安一本」
でやってきた日本経済。
皆さんだってアマゾンで
「中国製の安物」
と苦情を言いながら、買いますよね。
安いから。
それと同じ原理です。
日本製品はイノベーションで勝負せず、安値で勝負。
それでなんとかうまくやってきたんです。
過去20年。
ところが
「円安の終わり」
が見え始めると、
「もう日本企業に見込みはない。」
と一斉に売り。
まさに
「円安バブル崩壊」
という描写がぴったり。
何故、世界中にショックが広まった?
今回の日経平均大暴落が珍しいのは、日本だけに留まらず、世界中に波及した事。
いい加減な報道で知られる日本のニュース番組は
「日本と米国の金利差が縮まったので円高に動いた。」
と言ってました。
これは
「大日本帝国海軍、ミッドウエー沖で大勝利」
並みの大嘘です。
その理由を以下に説明します。
金利上昇が大暴落説
「テレビで言ってるから。」
と鵜吞みにせず、
「金利上昇が暴落の原因になった説」
を検証してみましょう。
米国での金利は5.25~5.5%。
日本は利上げ後でも、まだ0.25%です。
金利の差が未だに5%も差がある。
さらに!
金利の変更前は5.1%の差。
すなわち!
たった0.1%金利差が縮まっただけ。
皆さん、日本の銀行が一斉に
「普通口座の利息を0.1%に上げる。」
と発表しましたが、喜びました?
まさかね~。
ど~考えても。
なのに、たった0.1%金利差が縮まっただけで、
「日本と米国の金利差が縮まったので円高に動いた。」
と言うのは無理がある。
Yen carry-trade
日経平均の大暴落が世界中に広まった真犯人は
“Yen carry-trade”
です。
日本は20年以上低金利。
そこで投資ファンドは日本でお金を借りて、米国などでハイテク株、あるいは米国債に投資していたんです。
それもかなり大規模に。
これを
“Yen carry-trade”
と言います。
するとお金が日本から流出するので、円安がさらに加速する結果に。
過去20年もこの方法で
「みんなが大儲け」
していたんです。
当然、
「これは永遠にうまくいく。」
と投資家なら思います。
ところが日本銀行がサプライズ利上げ!
これで一気に円高に。
160円で借り入れたのに、150円になると大赤字です。
いくら低金利でも。
そこで
“Yen carry-trade”
で投資していた株や国債を売却して日本に借りていた円を返済。
すると日本にお金が一斉に流れ込んで円高が加速化。
これを見た投資家は
「ヤバイ!」
と日本株を投げ売り。
その結果が日経平均の大暴落です。
米国市場で大量に株や債券が売られたので、米国でも大幅な株と債券安。
こうして日本を発端にして、世界中にクラッシュが波及したんです。
皆まで言えば今年の6月、ここで、
「日銀は必ず金利を上げる!上げたらクラッシュするぞ!」
って警告済み。
日本銀行が悪い?
日経平均の大暴落後、岸田首相は日銀総裁を呼びつけ
「お説教」
してました。
しかし!
そもそも日銀の金利政策会合前に、
「日銀は金利を上げろ!」
と要求していた閣僚を始めとする政治家達。
日銀を責めるなら、この政治家を責めべき!
さらに!
いつまでも
「円安のぬるま湯」
で行くわけにはいかない。
いつかは金利を上げる必要がある。
植田総裁は
「でたらめアベノミクス」
の修正を行う役目を負わされただけ。
おまけにこの前まで
「この円安を何とかしろ!」
と言っていたのに、円高になって手のひらを反すのはおかしい!
皆まで言えば、日銀だろうがFRB議長だろうが、金利政策の効果を上げるため
が鉄則。
これをしなかったFRB議長は今、
「インフレを長く無視して金利を上げる時期を逸し、今度は景気後退が顕著なのに金利を下げる時期を逸した。」
と非難轟轟。
今回の日銀の利上げ決定は、
「稀に見る日銀の正策」
です。
ましてや、0.1%から0.25%に挙げただけ。
これで非難される謂れはないっ!
大暴落 終わってあとは株価が上がるだけ?
かってない日経平均の大暴落に続いたのが、かってない日経平均の急上昇。
これを見て
と思われた方。
そうは問屋が卸さない。
株価を下げる要因をざっとあげると
- 8月、9月は伝統的に株価が落ちる時期
- 米国の景気先行き不安は一晩では消えない
- “Yen carry-trade”解消で市場から投資資金が消えた
- イランのイスラエル攻撃の可能性
- 商用不動産問題
- 悪化し続ける中国経済
- KI(人口知能)バブル崩壊の危険
- FRB利下げによる円高の危険
- 米国大統領選挙
など、不安材料が目白押し。
8、9月にまた過去最高値を更新するより、
「ダブルボトム(底値の2回打ち)」
の可能性の方が高いっ!
先回も書いた通り、
10月までは不安定な取引が続きます。
DAX 株価動向
続いて私が投資しているドイツの株式市況の動向を解説。
上のグラフはドイツの株式指標DAXの
「過去3年チャート」
です。
日本で
「かってない日経平均の大暴落」
が起きていた時、DAXはどんな動きをしていたのか?
勿論、下げました。
が、下げ幅は想定より小さかったです。
重要な指標の200日平均を割ったのは1日だけ。
でも1万7000台を割ることはなし。
私は
「1万7000高地は陥落する。」
「下手をすると1万6000高地の戦いになる。」
と思っていたので、ほとんど投資せず。
というのも上で紹介した不安要素に加え、チャート上もあまり芳しくありません。
来るかデスクロス?
株式指標に
「デスクロス」
という物があります。
ドイツ語では
”Todeskreuz”(死の十字)
ざっくり言うと、
「50日平均が200日平均を上から割り込む」
チャート上の形象の事。
これが起きると、
「ほぼ100%」
株価が暴落します。
上のDAXチャートを見ると、過去3年間に2回デスクロスが発生してます。
そして毎回、株価暴落。
50日平均と200日平均の動きを見ると、
「9月あたりにデスクロスになるんじゃ?」
て思えません?
仮にこれが発生しなくても、
いつかは必ず、200日平均を割り込みます。
ど~みても、これが迫っているようにしか思えない。
そして一度200日平均を割り込むと、
「200日平均回復」
までに3ヶ月かかるもの。
最短でも!
というわけで私はまだ
「サイドラインで観戦中」
です。
明日はどっちだ!?
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