週末に東ドイツで州選挙があり 極右政党 が勝利した。
予想通り。
問題は日本での報道。
間違いなく誇張した報道か、事実をはき違えた報道になっている。
そこでドイツの達人が一肌抜いで、東ドイツ州選挙の結果を正しくお知らせします。
この記事の目次
ザクセン州 & テューレンゲン州
週末に州選挙があったのはザクセン州、
それにテューリンゲン州
の2州。
ザクセン州は岩手県よりも20%ほど広い。
人口が400万人。
岩手県の人口が110万である事を考えると、人口密度は比較的高い。
その原因は東ドイツの崩壊後、工業化に成功したことにある。
日本では熊本県にチップ産業が集中しつつあるが、ドイツではザクセン州。
多くの車メーカーが生産工場を展開しているので、チップ工場もザクセン州に建てるわけだ。
一方、テューリンゲン州はザクセン州よりもわずかに(15%)小さいだけなのに、人口は約半分の210万人しかいない。
原因は山岳地形。
田舎なので住民はよく言えば伝統的。
悪く言えば保守的で
「昔は良かった。」
と独裁政権を懐かしむ傾向がある。
当然、
となっており、警察も怖くて手が出せない。
ドイツ留学先選びは慎重に。
極右政党 東ドイツ州選挙で(予想通り)勝利!
まずはザクセン州選挙結果から見ていこう。
御覧の通り、かろうじて首の皮一枚CDUが極右政党AfDを抑えて、第一党の地位を守った。
しかし最大の勝者は
「もう付き合ってられない。」
と左翼政党を脱退したヴァーゲンクネヒト女史が結成したBSW。
ゼロから11.8%もの得票率で第三の政党に急成長。
ショルツ首相のSPDを秒速で追い越した。
そして最大の敗者は
「スター」
を欠いた左翼政党。
そもそも
「地元での選挙」
なのに先回よりも5.9%も得票率を落とした。
目が当てられないのは
「ドイツ一のネオナチの温床」
であるテューリンゲン州選挙結果。
極右政党AfDの圧倒的勝利となった。
もし極右政党とBSWが
「呉越同舟で」
となると極右政党にテューリンゲン州が陥落する。
勿論、CDUは
「民主主義政党大連合」
を組もうとするだろうが、それには
「政界の嫌われ者」
だったヴァーゲンクネヒト女史のBSWに頭を下げる必要がある。
そこまでやる覚悟があるだろうか?
あのソクラテスのように
「民意は民意だ。」
とするなら、極右に政権をゆだねる必要がある。
何故、極右政党は大勝利したのか?
当然、
「何故、極右政党は大勝利したのか?」
という疑問があがってくるだろう。
でも1年も前にここで、極右政党の勝利を予言しておいた。
極右政党大勝利の理由も当時、書いた通り。
言い返せば、既存政党は1年も時間があったのに、
「指をくわえて何もしなかった。」
という事になる。
極右政党 の支持層は?
面白いのは極右政党の支持層。
てっきり
「共産主義の復活」
を夢見る50代+の年代層かと思いきや、
「共産主義?何それ?」
というZ世代に絶大な支持を受けている。
年齢層が高くなるに比例して、極右支持率は下がるものの微々たるもの。
やっと
「70歳以上世代」
になって初めて、CDU支持がトップになる。
性別でもかなり違いがある。
これが女性になると極右とCDUがほぼ拮抗する。
教養によっても大きな違いがある。
中学、高校卒業になると極右がダントツ。
一番面白いのが収入別。
お金持ちは
「なんでうまく行ってるシステムを変える必要がある。」
と、ダントツでCDUを支持している。
国政への影響
日本のメデイアは
「ショルツ首相の政権運営に痛手」
などと報道していた。
選挙に負けたんだから
「痛手」
なのはまあ、そのまま通してもいいだろう。
しかし1年以上前から
「わかっていた事。」
なので、
「ガッカリ度」
は限定的。
しかし、
「政権運営に痛手。」
という解説には
「反対」
を唱える必要がある。
ここで何度も解説してる通り、信号政権はすでに
「生けるしかばね」
のてい。
今回の敗北で
「さらに政権運営が難しくなる。」
ということはあり得ない。
すでに崩壊寸前です。
ましてやまだ極右政党が州知事になるとは決まってない。
今の時点で
「中央政府の政権運営に影響がでる。」
などと報道するのは時期尚早。
仮に2州、そして来週に州選挙があるブランデンブルク州が極右に陥落しても
「ゾンビ信号政権」
は来年の総選挙まで、この調子でいきます。
ショルツ首相は薄笑いを浮かべているだけ。
何もしません、動きません。
だから選挙で負けたんです。
[…] ブランデンブルク州選挙でも、選挙民の投票活動の動向はザクセン州とチューリンゲン州と同じ。 […]