ドイツ史 人物史

サンタクロースの起源 発案者はドイツ人?

投稿日:2024年12月31日 更新日:

サンタクロースの起源 発案者はドイツ人?

日本でも有名なサンタクロース。

もっとも

「輸入文化」

の為、いい加減な

「定説」

が広まっている。

今回はこれを修正するために、

「サンタクロースの起源」

について書きます。

夢を壊されたくない方はこれ以上、読まれませんように。

ニコラオスの日

長靴に詰め込まれたお菓子

ドイツには

「休日」

になっていない非公式な祝日が幾つかあります。

その最たるものが12月6日の

“Nikolaustag”(聖ニコラオスの日)

です。

ドイツ人(の子供)にとっては、この日が

「本当のクリスマス」

なんです。

すでに中世の頃から、

玄関の前に靴を置いておくと、聖ニコラオスお菓子を詰めてくれる!

 

という伝統(迷信)があり、今日まで存続しています。

ニコラオスの日の起源

日本にはない習慣なので、私はドイツ人が靴を玄関前に置いている意味がわかりませんでした。

そこで調べてみると、その起源は3世紀にアンタリア(現在のトルコ)で司教だったニコラオス。

「奇跡を起こした。」

として崇められているキリスト教の聖人です。

 

そのニコラオスが子供達を集めて、

「この1年、いい子で過ごしたかい?」

と尋ねます。

子供がこれを

「はい!」

と答えたら、

「プレゼント」

を貰えたと語られています。

これ基づき、聖ニコラオスの命日の12月6日には、

聖ニコラオスに扮した大人が子供にプレゼントを配る。

 

という慣習が広まったわけです。

もっともいつから、

「靴の中にお菓子を詰めるようになったのか?」

は不明。

でもクリスマスツリーのデコレーションに

「長靴」

のおもちゃを飾りますよね。

子供も馬鹿じゃない。

「長靴だったら、お菓子を一杯貰える!」

と考えて、ただの靴ではなく、長靴を置くようになったんです。

クリスマスは12月6日だった!?

すなわち!

今では

「クリスマスに贈り物を贈る。」

となっていますが、実はこれは12月6日だったんです。

正確に言えば、12月5日の夜に靴を玄関の前に置けば、翌、12月6日にお菓子がもらえる!

というわけです。

今でもオランダやルクセンブルクでは、12月6日がプレゼントの日です。

ルターの反逆

すると当然、

質問
なんで贈り物をする日が、クリスマスになったの?

 

という疑問がわきますよね。

これは宗教改革を起こしたルターの反逆です。

ルターは憎っくきカトリック教会の聖ニコラオスが大人気だったのに、我慢できませんでした。

宗教改革を成功させるには、

「対抗策」

が必要だと判断。

そこで12月6日の

「贈り物の日」

を勝手にクリスマス(12月25日)に移動。

同時に送り物を配る

「聖ニコラオスの代わり」

として、

“Christkind”(クリストキント)

なるものを発案。

参照 : Christkind

 

これは

  1. 子供のイエズス
  2. 羽の生えた天使
  3. 白装束女の子

が合体したものです。

この

クリストキントが12月25日に贈り物を配る。

 

と決めました。

残念ながら

「クリストキント案」

はフロップ。

名前としては残ってますが、ドイツ人もその正体をよく知らない。

ただ

「クリスマスに贈り物をする。」

だけは受け入れられて、今日に至ります。

すなわち!

ドイツの子供は12月6日と25日にダブルで、贈り物をもらえるわけです!

その意味ではルターの反逆も無駄ではなかったわけです。

サンタクロースの起源

「でも、まだサンタクロースが登場していないよ!」

という貴兄、ここからです。

アメリカに移住したオランダ人、

「聖ニコラオスの習慣」

を持ち込みました。

もっともオランダ人はニコラオスを

”Sinta Claus”

と呼び、子供たちにプレゼントを配るニコラオスを

「そり」

に乗せたのもオランダ人の発案です。

そのオランダ人の

「シンタクロース」

が次第に

「サンタクロース」

と呼ばれるようになり、広まっていたんです。

サンタクロース 発案者はドイツ人?

質問
まだドイツ人が登場していないよ!?

 

とおっしゃる貴兄、ここからです。

戦後、日本でクリスマスが広まったのはデパートの商売戦略のお陰です。

というのも当時、ケーキはとっても高価な物。

デパートは

「これがたくさん売れれば、がっつり儲かる。」

と考え、

「クリスマスにはクリスマスケーキ!」

とやったんです。

クリスマスなんて異文化を知らない日本人は、

「世界中でクリスマスにはクリスマスケーキを食べてる!」

と信じたんです。

米国でも事情は似たり寄ったり。

事は遡る事19世紀、米国で生活していたドイツ人イラストレーターの

“Thomas Nast”

が、現在広まっている

「サンタクロース像」

を考案。

これが大ヒット!

以来、聖ニコラオスはサンタクロースになり、

「フィンランドに住んでいる。」

などというまことしなやかな

「真っ赤な嘘」

が、平然と語られるように。

又、ドイツ人が今日でも

「サンタクロース」

と言わず、

「ニコラオス」

というのも、これが原因です。

コカ・コーラの功績

サンタクロースとコカ・コーラ

もっともトーマス ナストの

「サンタクロース像」

が成功した裏には、コカ・コーラの多大な功績があった。

当時、コカ・コーラは夏の飲み物。

冬になると売れ行きが激減。

「一年中、コカ・コーラを飲ませる手段はないものか?」

と考えた挙句、

トーマス ナストのサンタクロース

  • 赤いはっぴを着て
  • 頭に不思議な帽子をかぶり
  • 白いひげをたくわえたおじいさん

が、コカ・コーラを配達する姿を宣伝に使用。

これが大成功。

お陰でコカ・コーラは一年中飲まれるようになり、サンタクロースと言えば、

「トーマス ナストのサンタクロース像」

が定着した。

ちょうど日本のケンタッキーフライドチキンが

「クリスマスにはケンタッキー」

で成功したのと同じ。

お陰で日本人は世界で唯一、クリスマスにケンタッキーを食べている。

皆さんがサンタクロースと聞いて思い浮かべるその姿、実は

「コカ・コーラの宣伝」

の賜物です。

どうです?

夢が壊れました?

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執筆者:

nishi

  1. […] ところが2024年はサンタが早めにやって来た。 […]

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