まずはいいニュースから。
「5月はひどい事になる。」
と心配していましたが、各州が実施した外出規制 & 休校で感染率が下がってます。
4月28日、ドイツでは1日のワクチン接種数が110万人/日の大台を突破!
日本は最大でも10万人なので、11倍です!
EU議会で、イスラエルのグリーンパスを見本にしたワクチン接種パス導入(規定)で合意!
これで夏の休暇を阻む物はなし!?
それがないんです!
という株価上が望まれる環境の中、ドイツの株式市場での動きを紹介します。
この記事の目次
DAX 修正?それとも上昇?方向探しの1週間
米国では、4月の二週目から本宅的な企業決算の発表。
ドイツでは4月末から本格的に決算発表が始まり、5月の中旬までが旬。
何には6月になって発表する会社もあるけど、大方は4月末から5月中旬です。
その企業決算の真っただ中、DAXの動きは、、、
5日前、15267に始まって、15154。
たった113の動き幅。
パーセントで言えば、0.5%。
(今日、金曜日大きな動きがなければ。)
修正なのか?それとも上昇に転じるのか、はっきりしない1週間。
まるで何もなかったようですが、決算発表で個々の銘柄に大きな動きがありました。
以下に紹介していきたいと思います。
ドイツ銀行 7年振りの朗報
まずは私が大金を投資しているドイツ銀行から。(*1)
これまで投資家の期待を裏切り続けてきた銀行です。
2021年1月、
「コロナ禍の中、7年振りの黒字を達成!」
しましたが、アナリストの反応は冷ややか。
「一回だけのイレギュラー。」
「長続きしない。」
という見方が支配的。
期待を長期に渡って裏切ったので、全く信用されませんでした。
株価は一時11ユーロまで上昇するも、また一桁に戻りました。
今週、ドイツ銀行が業績を発表すると、
ほぼ11%も上昇!
7年振りの朗報で、
「2014年以来の大幅黒字」
だったんです。
税金や利子を払った後に残った利益が9億800万ユーロ。
去年の同時期に比べて、21倍+です。
投資部門、法人部門、個人客部門、ファンド部門の4部門、すべてで黒字。
この数字にアナリストも、
「仕方ないな。」
と、株価目標を11ユーロに引き上げました。
利益率目標 8%
ゼーヴィング頭取の目標は、
「2022年に利益率8%」
です。
ちなみに去年の利益率は0.2%。
「絶対に無理!」
と思ってましたが、2021年の決算で計算すると7.4%。
到達しちゃうかも?
デリバリーヒーロー 売り上げをまた2倍に
ドイツ版 ウーバーイーツ は、デリバリーヒーローと言います。
コロナ禍の勝ち組です。
ドイツ国内の事業を競争相手に売却したので、ドイツでは売り上げゼロ。
事業を売った金で、競争がまだ緩い途上国などで現地の企業を買収する事で、会社の売り上げを倍増。
今回も7期連続で会社の売り上げを倍増すると、
株価は垂直上昇。
ドイツ銀行とこの日のトップの座を争いました。
尚、デリバリーヒーローはまだ黒字(利益)を出したことがなく、
「いつ黒字になるかもわからない。」
と言ってます。
なので投資家も慎重でしたが、7期連続で売り上げを倍増したことにはいたく感心。
BASF 業績上方修正
世界最大のケミカルカンパニー BASFは、1~3月の業績を発表。
去年と比較して42%も業績を改善、23億ユーロの利益を計上。
まだ4月だと言うのに、2021年度の業績を(当初の目標)41~50億ユーロからを50億~58億ユーロに上方修正。
なのに株価は下落。
一時、70ユーロを割りました。
車業界が最大のお客様で、
「チップ不足で減産体制」
を迫られているのが、株価の上昇を妨げているようです。
個人的には60ユーロを割ったら、お買い得。
配当金も高いので、修正の際は買っておきたい銘柄です。
Hensoldt 危機に強い軍需産業株
人間が存続している間、なくならない仕事分野は3つ。
- 床屋
- 性産業
- 軍需産業
コロナ禍でも髪は伸びるし、キャバクラは商売繁盛だし、軍需産業は過去最高の売り上げを記録。
ドイツの軍需産業 Hensoldt は、センサー、レーダー、電気系統を製造する会社です。
とりわけ戦闘機は電気系統が性能を決めます。
次期主力戦闘機 FCASには、これが主要な役割を演じます。
「中国企業に買収されてはたまらん。」
と、ドイツ政府が株式の25.1%を取得。
25.1%あれば拒否権を発動できます。
今週は米国の投資ファンドKKRが持っていた株、25.1%が競売にかけられました。
イタリアの軍需企業、レオナルドが競り勝ちました。
落札額は25ユーロ/株。
今の株価は、15ユーロ。
なんでレオナルドは、株式市場で調達しなかったの?
Hensoldt は去年、上場されたばかり。
今買えば、安く買えるよ~。
コロナ禍、リーマンショックも、軍需株には(ほぼ)関係ない。
「遺産が入ったけど、口座に入れるとマイナス金利で手数料がかかっちゃう!」(*2)
と、長期的な金の置き場にお悩みの方にお勧め。
配当金
先日、1年待った配当金が振り込まれました。
株価下落を心配して配当金銘柄、
“BASF”
“Münchener Rück”
を売却していたので、配当金が出たのはこの2銘柄のみ。(*3)
日本のシステムは知らんですが、欧州では税金26~27%が天引き!
脱税不可能なシステムです。
注釈 – DAX 修正?それとも上昇?方向探しの1週間
*1
株を買ったのがリーマンショック前の2007年。以来、暴落して売るに売れず、早14年。
*2
ドイツでは個人の口座でもマイナス金利が導入。残高が10万ユーロからマイナス金利が発生する場合が多いですが、「最初の1ユーロから」マイナス金利を要求する銀行も。
*3
ルフトハンザ、TUIは国有化のため、配当金支払い禁止。ドイツ銀行、コメルツ銀行は再編中のため、配当金なし。