ドイツの達人になる 詐欺、盗難

フィッシング(詐欺)で口座が空っぽ!!被害者救済は?

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フィッシング(詐欺)で口座が空っぽ!!被害者救済は?

皆さん、銀行強盗って知ってますか?

銀行に押し入り、

「金を出せ。さもなくば、、」

とやる職業です。

この職種は

「死滅しつつるある職業」

なんです。

その死に絶えつつある職業の後継が

“Phishing”(フィッシング)

で、被害者増大中。

そこでドイツ留学中に被害者にならなくても済むように、

「手口と対策」

を紹介しておきます。

死滅しつつるある職業 銀行強盗


まだ21世紀初頭には、

「銀行強盗」

がテーマのハリウッド映画が製作された。

銀行を襲って一攫千金!

ウエスタンのようなロマンがあった。

あれから20年。

銀行強盗という職業が死に絶えつつある。

今、

「銀行強盗」

を職業に選ぶ人は皆無。

2022年、ドイツのお隣のデンマークでは、銀行強盗の件数はゼロ。

質問
なんで後継者がいないの?

 

儲からないからです。

ドイツの銀行では

「現金」

は金庫で保管されます。

受付で、

「自分の口座から1000ユーロ下ろしたい。」

と言うと、

「金庫が開くまでお待ちください。」

と言われ、3分程度待たされます。

銀行強盗にとってこの3分は致命的。

さらに!

銀行は

“Farbbombe”(カラー爆弾)

を用意しており、銀行強盗が差しだしたカバンにこの

「カラー爆弾」

を入れます。

すると銀行を出た途端に、

”ボン”

と音がして、爆弾が破裂。

現金には色素がしみ込んで使えなくなります。

加えてそんな紙幣をつかむと、手に色素がばっちり残る仕組み。

洗っても落ちないので、捕まります。

銀行には他にもいろんな

「銀行強盗対策」

が取られており、銀行強盗をしても

「割に合わない。」

と銀行強盗は減る一方。

日本でも最後にいつ、銀行強盗の報道がありました?

覚えてないですよね。

これに代わって登場したのが

“Phishing”(フィッシング)

です。

“Phishing”(フィッシング)とは?

「銀行強盗は割に合わん!」

と犯罪者が目を向けたのが、銀行のような

「万全の保安体制」

ができていない法人・個人です。

簡単に言うと、

「あなたのカードを使って不正利用がありました。」

という偽のメールや電話などで、

「お年寄り」

を騙してクレジットカードなどを取り上げたり、あるいは

「信用しやすい日本人」

の弱点を利用して、銀行口座の暗証番号を盗む方法です。

このように金融機関やアマゾンなどを名乗る詐欺を

“Phishing”(フィッシング)

と呼んでいます。

“Fishing”(魚釣り)

と同じ読み方です。

同じなのは読み方だけではなく、

「餌を投げて、獲物が食いつくのを待つ。」

とう方法まで一緒。

フィッシング(詐欺)で口座が空っぽ!!

これからドイツに留学される皆さんに、

「ドイツの一般的なフィッシング」

を紹介しておきます。

ある日あなたの携帯が鳴ります。

通話を受けると、

「〇〇銀行の〇〇です。」

と名乗ります。

「どうしたん?」

と聞けば、

「あなたの口座から不正な引き落としがありました。」

と言い、まずは被害者を不安にさせるのがコツ。

統一教会が

「あなたの家族は呪われています!」

とやるのと同じ手管です。

すっかり不安になったあなたに、

「幸い、引き落とされたお金は取り戻すことができました。」

といい、あなたの信用を得ようとします。

安心させると、

「詐欺師にチャンスを与えないように、今すぐ暗証番号を変えてください。」

と言われると、もう言われるがまま。

銀行からメール(最近ではSMS)が送られてきて、

「暗証番号を変える!」

をクリック。

そこにあなたの古い暗証番号と、新しい暗証番号を入れます。

その後、

「暗証番号がリセットされました。」

というメールが送られてくるので、

「これで大丈夫!」

と一安心。

ところが数日後、あなたの口座は

「すっからかん」

になっているというワケです。

フィッシング詐欺のコツ

フィッシング詐欺の味噌

フィッシング詐欺のコツは、詐欺者が送るメール(SMS)を

「本物だ!」

と信用させること。

上に挙げているような

「詐欺メール」

を送っても、

「毎回、進歩がないなあ。」

で終わり。

そこであなたに電話をして、

「信用」

を勝ち取り、メール(SMS)を読ませるのが重要なんです。

被害者には

「口座番号や住所を知っているので、銀行だと思った。」

という方が多いんですが、あなたの銀行口座や住所は、

「ダークウエブ」

で買えます。

ここで買えないのは、暗証番号です。

だから詐欺メールを送り、暗証番号を入力させるんです。

さらに!

ドイツでは銀行が客に電話するのは禁止されています。

言い換えれば、あなたの口座が

「空」

になっても電話はしてきません。

被害者救済は?

フィッシング詐欺にかかり

「口座が空っぽ」

になっていたら、まずは銀行に連絡してください。

詐欺に遭ったことが早く分かれば、詐欺者による勝手な送金を止めることができるケースもあります。

でも、1ヶ月も経っていると、もう駄目。

現行の法律では、

「銀行客が”grobe Fahrlässigkeit”(過度の落ち度)を犯したなら、自業自得。」

となっているんです。

そして銀行は、

「詐欺師に暗証番号を教えたのは、過度の落ち度に相当する。」

と解釈。

だから被害額の補填はなし。

フィッシング詐欺救済法案

なんですが、フィッシング詐欺にかかる人が増えるにつれて、

「銀行客を守る方法はないのか?」

という議論が始まっています。

というのも

「何処までが”grobe Fahrlässigkeit”(過度の落ち度)なのか?」

明確に規定されていないんです。

この為、

「詐欺メールに騙されて暗証番号を入れただけなら、過度の落ち度には当たらない。」

という解釈を採用すれば、フィッシング詐欺の被害者の多くを救済できます。

その一方で銀行には落ち度がないのに、銀行が客の損害を全部補填するのも、ちとおかしい。

将来的には、何らかの救済措置が取られると思いますが、現行では

「銀行を訴え、銀行が折れるのを期待する。」

しかありません。

そこでフィッシング詐欺にかかないように、念押し。

銀行が客に電話してくることはありません!
銀行を名乗る電話は100%詐欺です。
皆まで言えば、税務署を名乗る電話も100%詐欺です。

 

まず銀行が

「リンク付きのSMS(メール)」

を送ることはなし。

役所に至っては、そもそもメールでの連絡はせず、基本、手紙です。

これを忘れたら駄目!

銀行や役所を名乗るメールは全部、無視!

-ドイツの達人になる, 詐欺、盗難

執筆者:

nishi

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