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お得な情報がいっぱい!法律改正【2019年版】

投稿日:2019年2月18日 更新日:


可愛いだけでなく、お金までもらえちゃう!

お得な情報がいっぱい!法律改正【2019年版】

2019年も新しい法律が幾つも施行されました。数が多いので、全部紹介することはできませんが、今年の変更はお得な情報がいっぱい。日本人に関係ありそうな法律に絞って紹介いたします。

Familienentlastungsgesetz / 家族負担軽減法

おどろおどろしい名前だが、直訳すると家族負担軽減法。支持率の落下が止まらない政府与党が、人気回復を狙って導入した家族向けの減税対策だ。まずは”Kindergeld”(児童手当)が7月から増額される。これまでは最初の子供、二人目も194ユーロ/月の支給額だったが、2019年からそれぞれ204ユーロになる。3人目の子供は210ユーロ、4人目には235ユーロで、子供の数に上限はない。

日本でも児童手当が導入されてはいるが、その額や1万円(3歳からの額)。ないよりはマシだが、助けになる額ではない。おまけに日本のシステムでは、お金のかかる高校生になると、支給が終わる。何故?これでは子供を生む日本人が増えないもの、無理はない。ドイツでは子供が大学にいったり、職業学校に行っている間は、25歳まで支払われる!

さらには子供一人頭の税金控除額が192ユーロも上昇して、7620ユーロ/子供一人当たりになる。子供が二人いれば、子供の税金控除額だけで384ユーロ/年、お財布に多く残ることになる。これに続き大人の税金控除額も引き上げられる。

Grundfreibetrag / 所得控除額

日本では給与所得控除額が65万円とかなり低い。友人曰く、これに住民税の控除額が加われば98万円となるそうだ。ドイツには住民税がないので直接の比較ではないかもしれないが、ドイツでは控除額はずっと高くなっている。大人の給与所得控除額が現行の9000ユーロから、2019年には9168ユーロに、2020年には9408ユーロへと上昇する。

合算するとカップルで子供が二人いれば、今年から720ユーロお財布に多く残り、来年には1200ユーロもの増額になる。これはちょっと嬉しい。嬉しいのは、これだけではない。

失業保険

会社で働いている人は、お給料の3%を失業保険として払っている。ところがドイツはここ10年以上も好景気、かってない低失業率が続いている。お陰で払い込んだ保険料が余って仕方がない。そこで2019年からは、掛け金は2.6%に減額される。3000ユーロのお給料だと「たった」12ユーロだが、1年で144ユーロ。給与所得控除額と合算すれば、十分に感じられるだけの軽減になります。

健康保険

国民皆保険に加入している人は、2019年から保険料がわずかながら下がることになる。健康保険の保険料はお給料の14.6%で、この比率には変化はないのだが、”Zusatzbeitrag”(補足保険料)が減額されるからだ。

この補足保険料は、保険会社の間で競争原理を働かせるために、2015年に導入されたもの。保険料は保険会社が最高1.7%までの額で、自由に決めてもいい。そこでお金持ちの保険会社は0.4%で済ませているが、お年寄りや重病患者の多い保険会社は、しっかり1.7%の保険料を取っている。

この補足保険料はこれまで、被雇用者が払うものであった。「あったり前じゃん。他に誰が払うの?」と思われる方も少なくないだろうが、ドイツでは保険料は会社と被雇用者が折半するルールがあった。ところが補足保険料が2015年に導入された際、「被雇用者だけが払う」と不公平なシステムが導入されてしまった。

このシステムが2019年から改定されて、半分は会社が払うことになる。これにより被雇用者が払う補足保険料は半額になる。お陰で1年で数百ユーロ、お財布に多く残ることになる。

介護保険

と喜んだら、今度はがっかりする話。今年も介護保険料が引き上げられる。高齢化社会に伴い介護が必要な人、出費が増えてるが、予算も介護士も全然足らない。そこで今年も保険料が値上げになるが、上昇するのは0.3%。上述の通り、保険料は被雇用者と雇用者で折半するので、被雇用者が払う分の上昇は、0.15%。決して高くはないが、会社にとってはお給料を据え置きでも、2019年は人件費が上昇する年になる。

自営業者の保険料大幅減額

これまでは、「自営業者です。」と申請をすると、一律2284ユーロの収入(最低)があるものと見なされてきた。実際には赤字でも、関係ない。この仮想収入に対して課される健康保険料は、最低400~420ユーロ/月。この高い保険料は会社を作ったばかりの人には大きな負担で、会社運営を阻害した。さらには、「起業してみよう!」という人のブレーキにもなっていた。

政府はやっと自営業者の声を聞いて、一律2284ユーロの仮想収入を、なんと半額の1142ユーロにまで下げた。結果、毎月の保険料は160~190ユーロと、驚くほど安くなる。これまで10数年、毎月400ユーロを越える保険料を払ってきた人間には、「遅い!」と叫びたい。

最低賃金

雇用者にとって嬉しくない法改正はもうひとつ。最低賃金が2019年から9.19ユーロとなる。日本では都道府県によって最低賃金が異なるが、ドイツでは都会でも田舎でも同じ。日本の最低賃金の700~900円に比べたら、ドイツのほうが全然高い。

「ドイツは最低賃金が高くていいな。」と思われるが、実はドイツの最低賃金が欧州内では高くない。伝統的に労働組合が強く、黄色いヴェストを来て大統領の改革案に抵抗してるフランスでは9.88ユーロ。トップはルクセンブルクの11.55ユーロだ。

社用電気自転車

オランダやデンマークと比べると、ドイツの自転車、自転車道の普及率はまだまだ。それでも車社会の日本と異なり、ドイツでは都市部ではほぼ市内全域で自転車道が設置されている。環境保護に努める街では、信号のない自転車専用のアウトーバーンも整備されており、将来はますます自転車が増えそうだ。これを助長する目的で、会社が社員に自転車、あるいは電気自転車を貸与する場合は、税金から解放される。

だたし電気自転車の場合、スピードが25kmh以上でる高いモデルは対象外となる。又、会社が自転車をリースして社員に貸与する際に、お給与から費用の一部をリース費用として天引きしてる場合も、例外となる。

燃料表記の変更

フランスのガソリンスタンドで、どれがガソリンなのかしばらく悩みました。ガソリン車に間違ってデイーゼルを入れた日には、エンジンはストップして修理工場行きです。これを避けるため、欧州全域で共通の表記が導入されることになった。

ガソリンは”E”で表記されます。E5、E10、 E80といった具合で。その違いは何処に?これはガソリンに混ぜているバイオ燃料の比率を示します。最新の車ならE10でも大丈夫ですが、古い車はバイオ燃料に対応していないこともあるのでE5を。E10の方が料金は安いですが、燃焼効率がよくないので、燃費はE5よりも悪いです。

デイーゼルは”B”で表記されます。こちらもB7, B10, B20等、さまざまな表記があります。理由は同上。これまで給油していた「デイーゼル」はB7です。ここ5~6年に生産された車なら、B10でも問題ない筈ですが、詳しいことは製造元までお尋ねください。

通話最高料金導入

かってはEU内の外国に電話をかけると、高いローミング料が課せられましたが、これも数年前に廃止。それでも隣国への電話料金は、国内通話に比べるとかなり高価なもの。そこでEU委員会は2019年5月から、EU内の通話の最高料金を設定、これが施行されます。5月からは携帯でも固定電話でも、EU内は19セント/分が最高料金となります。SMSは最高6セントまで。

もっと知りたい!という方はこちらの記事をご参照ください。

参照先 : Welt

Baukindergeld

都市部における賃貸住宅不足に鑑みて、政府がかってあった住宅補助金を形を変えて復活させました。ドイツで住宅、家を買うなら、ただでもらえちゃう補助金を申請しましょう!詳細は来月の記事にて。

-ドイツの達人になる, 規則、法律

執筆者:

nishi

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