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クレジット手数料 は違法なりっ!【最高裁判決】

投稿日:2014年6月15日 更新日:

クレジット手数料 は違法なりっ!【最高裁判決】
クレジット手数料 の名前を変えて徴収している TargoBank (旧 Citi Bank)

日本では当たり前でも、ドイツでは法律違反な事が多々あります。そのひとつがローンを組んだ場合に金融機関が要求する手数料。

銀行はお金を貸す際に。高い利子を課して儲けている。なのにローンを申請すると手数料を取る。「おかしい。」と思う人はいないのだろうか。

コンビニで売られているお弁当を買うと20円加算され、「販売手数料です。」と言われたら、誰でもおかしいと思う。しかし銀行はその方法で営業して一切、お咎めが無い。これまでは。

クレジット手数料 に関する法律

ドイツの民法 “Bürgergesetzbuch”には、「クレジット(ドイツ語ではローンをクレジットと言う。)申請者は、クレジットを与える側に対して、返済期日に金利を払う義務を負う。」とだけ書かれている。

参照 : 法務省

わかりやすく言えば、「金利以外は取っては駄目。」ということ。さるに、これまでは手数料を要求されることが多かった。「嫌なら、借りなくてもいいんですよ。」と言われて消費者が泣き寝入するのが日本。ドイツではそんな理屈は通じない。

ある消費者の抵抗

あるドイツ人が自宅の改装費用として4万ユーロのクレジットを、ポストバンクに申請した。銀行はクレジットを認可したものの、金利の他に融資額の3%にあたる1200ユーロの手数料を、クレジット額から天引きした。

「これっておかしいですよ。」という客の言い分には、「これが一般的な融資方法です。」と誤魔化そうとした。ところがこのドイツ人、「そうは問屋が卸さない。」と弁護士に相談した。

弁護士は銀行に対して、この手数料はクレジット申請者に負担を “unangemessen”(不当に)要求するものなので、手数料を返すように勧告した。しかしポストバンクはそのような要求を相手にしなかったので、この消費者は弁護士の勧めでポストバンクを裁判所に訴えた。

これまでの裁判例

実際の所、金融機関がクレジットに際して不当に手数料を要求したのは今回が初めてではないし、裁判になった例もたくさんあった。ところが金融機関は一審、遅くても二審で不利な判決が出ると、原告の要求を認めて手数料を撤回していた。

最高裁判所で判決が出てしまうとこれが判例となり、以後、すべてのクレジット販売に適用される。すなわち今後は手数料が取れなくなるのだ。

そんな事になるよりは、遅くても二審で負けてから手数料を取り下げれば、最高裁判所で判決が出ていないので、「まだ違法と決まったわけではない。」と、クレジットの販売に際してこれまで通り手数料を要求してきた。

クレジット手数料 は違法なりっ!【最高裁判決】

理由は不明だが、ポストバンクは二審で負けると、自らこれを不服として上告した。お陰でこの一件は、最高裁判所で扱われることとなった。5月13日、最高裁は「銀行が自身の利益になる業務で、その手数料を消費者に要求するのは不当である。」と、原告の弁護士が訴えていた内容を100%認める判決を下した。

お陰でこの消費者はドイツ中のクレジット申請者のヒーローとなったが、ポストバンクは仲間の銀行から、「なんで上告なんかしたんだ。」と後ろ指をさされることとなった。

参照 : Verbraucherzentrale

この判決のお陰で、将来クレジットを金融機関に申請する際は手数料から解放されるだけでなく、過去にクレジットを申請した消費者は不当に請求された手数料を取り戻せることが可能になった

この判決によりポストバンクだけでも20万ユーロ(2800万円相当)を失うと試算されており、ドイツの金融機関に殺到する返金要求は数百万ユーロに昇る。

手数料返却の障害

すると、「家を買った際のクレジットで手数料を取られたから取り返そう!」という方も多いのではないだろうか。問題はクレジットを申請した時期。というのもドイツの法律ではクレジットの際の不正行為は3年で時効になる。

もうひとつの例外は、賢い金融機関は手数料を明記せず、毎月の返済額をすべて合計して始めてわかるように手数料を隠している。この場合は、「手数料」と明記していないので、今回の判例とは別の扱いとなる。

運よく契約書に手数料と書かれており、さらに過去3年以内にクレジットを申請された方は、すぐに銀行に手紙を書こう。今回の判決、”Aktenzeichen XI ZR 170/13 und XI ZR 405/12″を理由に挙げて、「○月○日までに不当に要求されて手数料の返済を請う。」と書けばよい。

自分で手紙が書けなければ、消費者センターで代わって手紙を書いてくれる。勿論手数料はかかるが、銀行の手数料よりは安いので、手間をかける価値がある筈だ。

編集後記

この判決で銀行が手数料を撤回すると思っていたら、甘かった。銀行は”Bearbeitungs-Gebühren”(手数料)と言わず、他の名前で呼ぶことにした。Targobankは、”Individualgebuehr”(個人料金)と呼び、「これは手数料ではないので、最高裁の判決には影響されません。」と平気な顔をして言う

つまり誰かがこの銀行の”Individualgebuehr”を不服として最高裁まで訴え、また負けると、今度は次の名前を導入するというわけだ。銀行の想像力と厚かましさには、限界がない。

-ドイツの達人になる, 金銭 & 税金

執筆者:

nishi

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