ドイツの達人になる 交通

電動スクーター 登場!交通法規改正 【2019年版】

投稿日:2019年11月18日 更新日:

電動スクーター 登場!交通法規改正 【2019年版】

2019年も交通法が幾つか改定されました。改正の目玉は電動スクーター / Elektrotroller / E-Scooter についての新しい規則です。

電動スクーターは日本では見かけることがない交通手段ですが、ドイツでは大ブームでそこら中で見かけます。その内、ブームが日本にもやってくるかもしれません。

日独交通法規の違い

日本では自転車や歩行者に関しての交通法規は、あってもないようなもの。横断歩道や車道には「自転車用」と書いているのに、ここを平然と歩く歩行者。それも携帯を見ながら!

自転車道に注意を払っている歩行者は皆無。信号無視は当たり前で、道路の右側を平気で走る自転車から、携帯電話を見ながら走る自転車まで!

日本ならそれで済むかもしれませんが、ドイツではこれはらすべて罰則の対象です。自転車に乗った警察官が日々、取り締まりをしています。ドイツで携帯を見ながら自転車運転をやると、即、55ユーロの罰金です。

「赤信号で止まったのでちょっと見ただけ!」という言い訳は通じません。携帯を見るには自転車から降り、駐輪してから見る必要があります。

電動スクーター 登場!交通法規改正 【2019年版】

同様に電動スクーターに関しても、事故が多いので、規則、罰則が厳格化されました。規則を知らず、「私もやってみよう!」と挑戦すると、次の街角で街替えている警察に捕まって罰金刑に処されます。

そんな目に遭わないように、この新しい交通手段についての交通法規を紹介しておきます。

電動スクーター 登場!交通法規改正 【2019年版】

日本では滅多にみないキック スケーター、ドイツでは”Tretroller”という。これがドイツで流行るきっかけになったのは、小学生。歩くより早い上、楽しく、誰でも乗れて、安価。一気に全国の小学生の間に広まった。これを見て運動不足の社会人が、通勤に使用するようになった。

するとしばらくして電池を積んだ電動キックスケーター、すなわち電動スクーターが登場した。これが社会人に受けた。電車で通勤する代わりに使用するのではなく、電車を降りてから会社、あるいは目的地まで電動スケーターを利用すると、楽で移動時間が短縮できる上、スピードが出て気分がいい。

すると需要を見た業者が、電動スクーターのレンタルを始めた。駅から降りた後の目的地への移動に最適で、人気が爆発した。しかし新しい交通手段なので交通法規がなかった。電動スケーター、スピードが20Kmhも出るので、遅かれ早かれ事故が起きるのは避けられない。早急に法整備が必要になった。

電動スクーターに乗る前に! – 道路交通認可

電動スクーターを買う、レンタルする前に、そのスクターが道路交通認可 / Bertiebserlaubnis が下りているモデルかどうか確認しよう。なにせ電動スクーターの法律が整備され、道路交通法で使用が認められたのは2019年6月15日。各メーカーは、販売、レンタルする前に交通省にそのモデルの道路交通認可を申請しなくてはならない。

来年になれば多くのモデルは認可を受けているだろうが、現時点では認可を受けてないモデルも多く出回っている。この認可がないモデルは使用禁止なので、購入、レンタルする前に認可が下りていることを確認しよう。間違っても「認可申請中」というモデルは買っては駄目。

認可を受けた車両には、

  • 最高速度は20KMHまで
  • 保険に入っている事を証明するステッカー
  • 前部、後部の照明、側部、後部に光の反射板がある
  • 2つの個別に作動するブレーキを装備
  • 警告音を出す装備

が備わっており、これらがちゃんと機能していることが条件だ。認可をもらっているモデルでも、これらの装備がない、故障で機能しない場合は、道路を走ってはならない。それでも走ると罰金の対象になります。

電動スクーター は何処を走るの?

電動スクーターは20KMHのスピードが出るので、歩道での使用は厳禁です。走るのは自転車道。日本と違って、ドイツではほとんどの街 / 道路で自転車道が整備されています。もし自転車道がない場合は?歩道?違います。その場合は車道を使用します。

一方通行の道は、自転車なら利用できますが、電動スクーターは禁止です。一方通行の道、あるいは車道の右側を日本のように逆走すると、15ユーロの罰金です。その際、人、車両に危険を与えたと判断されると、25ユーロの罰金、物損事故を起こすと35ユーロの罰金です。

電動スクーターの乗り方

電動スクーターに二人乗りしたり、横二列なって話しながら走るのは禁止されています。二人乗り、横になって走ると、15ユーロの罰金です。その際、人、車両に危険を与えたと判断されると、25ユーロの罰金、物損事故を起こすと35ユーロの罰金です。

免許証は要るの?ヘルメットは?

免許証は要りませんが、運転できるのは14歳からです。ヘルメットの装着義務はありませんが、事故が多いので、装着が推奨されています。

飲酒運転?

「今日は酒を飲んだので、車ではなく電動スクーターで帰ろう。」と思った方、アウトです。血液中のアルコールが、わずか0.5ml 検出されただけで酒気帯び運転になります。日本人女性ならワインのグラス一杯まで。2杯飲むともうアウトです。

酒気帯び運転の罰金はなんと500ユーロで、2点もらえます。場合により即免停もアリ。点数が8点になったら、自転車や電動スクーターでの違反でも、車の免許を失います!

その他の交通法規改正

電動スクーターに関する新しい交通法規に加えて、既存の交通法規も幾つか変更になる。とりわけ駐車違反の罰金が高くなるので、これまで度々駐車違反で罰金をもらっていた方は、今後注意してください。

駐車違反罰金 大幅値上げ!

ドイツでは駐車違反に対する罰金が、驚くほど安くたった15ユーロだった。この罰金額なら高い駐車場に車を停めるより、チケットを買わないで違反切符をもらったほうが安かった。例外は身体障碍者用の駐車スペース。ここに車を違法に止めるとレッカー移動されるか、100ユーロの罰金だ。

今後、歩道や自転車道に車を止めた場合、同じ罰則が採用される。そう、100ユーロだ!日本でも真似して欲しいっ!

高速道路で渋滞時、緊急車両が通れるように救出路 / Rettunngsgasse を構成しない場合の罰金は350ユーロ!

参照 : ADAC 救出路 / Rettunngsgasse

自転車の追い抜き

日本には同様の交通法規がないので日本人は知らないが、車が車道を走る自転車を追い抜く際、1.5mも幅を開けることが制定されている。郊外ではこれが2mになる。

なのに、「自転車邪魔だなあ。」的な自分勝手な考えでスレスレで追い抜くと、怪我をさせなくても罰金の対象になります。ドイツでは自転車は車道を走るものです。

前を走る自転車はスピードが遅くイライラすると思いますが、無理な追い抜きは絶対に避け、追い抜く場合は大きく迂回してください。

それだけではありません。道が狭い場合、自転車追い抜き禁止の標識も出ています!

参照 : tagesschau.de / Rettunngsgasse

日本にはない標識なので、「これ、何?」と無視したら、罰金です。ご注意あれ。

自転車横並び運転

これまでは交通法規に、「自転車は横並びではなく、縦列で走るように。」と書かれていました。今後は横並びでの運転も許されるようになります。

車の運転をしている人には迷惑な話ですが、二酸化炭素を放出しない自転車などの交通手段が優遇される以上、自動車の権利はこれからもますます制限されそうです。

-ドイツの達人になる, 交通

執筆者:

nishi

コメントを残す

アーカイブ