ドイツの達人になる 金銭 & 税金

電気料金がただ? おまけにお金までもらえる?

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電気料金がただ? おまけにお金までもらえる?

もし、「電気料金がただの上、お金までもらえるよ!」

なんて言う輩が居たら、

「嘘にしても、もっとましな嘘を考えろ!」

と、一喝してただだろう。

ところがこれ、嘘じゃなんです。

以下に詳しく解説します。

再生エネルギーの躍進

2024年、ドイツでは総全発電量に再生可能エネルギーが占める割合が

「ほぼ60%」

に達した。

参照 : Handelsblatt

 

日本は

「ほぼ26%」

なので、文字通りレベルが違う。

 

すると

「だからドイツの電気料金は高いんだ!」

とお嘆きの貴兄、本当の原因は別の箇所にあります。

【ドイツ経済】原発廃止が景気後退を招いた?

過剰発電

でも

「凄い!」

と、喜んでばかりもいられない。

お日様が照り付ける昼間、ソラーパネルは消費を超える電気を発電する。

放っておくと送電線がパンクして

「ブラックアウト」

になる。

これを避けるため、過剰に発電した電気は隣国に無償で

「おすそわけ」

している。

問題は夜。

発電量がガタ落ちする。

結果、国内の発電量ではまかなえず、隣国から輸入。

そう、昼間にただで電気をあげた国から、夜になると高い金を払って電気を輸入している。

これで電気料金が安くなるわけがない。

電気料金 がただ? バルコニー発電所

今、ドイツではバルコニー発電所が大流行

バルコニー発電所 大流行!採算は取れるの?

きっと知り合いのドイツ人から

「ウチは電気代がただだよ!」

という自慢話を聞かされたことだろう。

しかし上述の通り、昼間はすでに過剰発電状態。

本来ならソラーパネルで発電した電気を、電力会社に売れる筈だった。

“weit gefehlt”(大きな間違い)

です。

そもそも電力会社は

「ありあまる電気」

の行き場所に困っているので、あなたのバルコニー発電所にお金を払うわけがない。

実際には1セントも入ってきません。

帰宅して

「自家発電」

の電気を使用したくても、すでにお日様は沈んだ後。

結局、高い金を払って電気を買う事になる。

だからバルコニー発電はあまり意味がない。

電気代がただ? Batteriespeicher

それよりも

「もっといい方法」

をお教えします。

ソラーパネルの代わりに、

“Batteriespeicher”(蓄電池)

を買うんです。


電気自動車でもいいですけどね。

この蓄電池を

「昼間の安い電気」

を使って目一杯充電。

自宅に帰ったら、この蓄電池の電気を消費して生活すれば

「電気料金はただ同然」

です。

電気料金 がただ! “Dynamische Stromtarif”

ただし!

それには

“Dynamische Stromtarif”(変動電気料金)

が欠かせません。

これは最近、日本でも

「格安電気」

で人気を博している

「変動式電気料金」

の事です。

皆さんが契約しているのは、

「固定価格契約」

なので、電気料金が安くなっても電力会社が得をするだけ。

そこで次回の契約更新時に、

“Dynamische Stromtarif”

に変えます。

最近、法律改正があり

「電力会社は個人客にも変動電気料金を提供すべし!」

 

となりました。

この為、原則どこの電力会社もあなたに変動電気料金を提供する義務があります。

が、

「売りなくない。」

というのが電気会社の本心。

そこで見つからないように隠してます。

ぐぐったほうが早いです。

おまけにお金までもらえる?

肝心なのはここから。

変動電気料金にすると太陽がさんさんと照る真昼間、

電気料金がマイナスになることがあります。

 

あまりに多くのソラーパネルが稼働して

「電線がパンクする!」

というリスクがある為です。

そんな時間帯に蓄電池を充電すれば、

「電気代がただ!」

の上、お金まで貰えます。

そこで今、ドイツ中で

“Batteriespeicher-Park”(蓄電池公園)

が、タケノコのように各地で急増中。

勿論、目的は

安価な昼間の電気で充電して、夜の高い時間帯に売る!

 

という

「他人のふんどしですもうを取る。」

商売です。

これほど楽して儲かる商売はない!

さらに!

今、蓄電池の価格が

「加速的に下落中」

なんです。

お陰でドイツでは今、ものすごい勢いで蓄電池公園が増えてます。

電気料金 高騰 Dunkelflaute

昼間でも暗いドイツの冬

ただし!

変動電気料金にはリスクもあります。

 

12月のドイツの天気と言えば、

「昼間でも夜のように暗い天気」

で有名。

さらに風も止む天候を

“Dunkelflaute”(ドゥンケルフラオテ)

と言います。

風力発電も太陽発電も発電しないので、

「電気が足らない!」

という緊急事態になります。

すると北欧からスイスまで、電気を蓄えている国から

「高い金」

を払って電気を輸入します。

すると電気代金が10倍、20倍も夢じゃない!

そんな状態が数日続くと、蓄電池があってもお手上げです。

高い電気を買わなくてはなりません。

が、

「1年を通してみれば電気代が安くなる!(筈)」

と言われています。

-ドイツの達人になる, 金銭 & 税金

執筆者:

nishi

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