今回は皆さんも大好きな株式投資、それも 二番底 がテーマです。
二番底とは株価が上昇に転じる前に出現する
「予兆」
のようなもの。
これさえ知っていれば
「ほぼ底値」
で欲しい銘柄を購入する事ができます。
この記事の目次
底値を見分ける!
私は株価が低迷すると
「株価が回復すると大きく儲かるぞ!」
と投資するタイプ。
安く買った株は、
「史上最高値更新!」
というニュースで売ります。
この投資方法の問題は、
「どこで買うか?」
です。
投資家人生の初期、下落中の株
“ein fallendes Messer”(落ちるナイフ)
を掴み、血だらけになったことがあります。
「投資家あるある。」
です。
そこで、
「地面に落ちてから掴む」
投資方法に転換。
問題は、
「何処が底か?」
です。
ここで参考になるのが、株価が上昇に転じる前に出現する二番底。
二番底 何ソレ?
ドイツ最大手電力会社RWEの株価チャートで
「二番底とは何?」
を説明します。
青い⇒が底値です。
「よし、底値を打ったぞ!」
と思いきや、上昇していた株価が下落に転じ、1~2か月後に再度、底打ち。
それも
「ほぼ同じ値」
で。
これを
“Doppelboden”(二番底)
と言います。
これが
御覧の通り、
「二番底どころか、ほぼ三番底じゃん!」
というケースもあります。
あるいは
- 二番底が浅くなるケース
- 二番底が深くなるケース
- 二番底がこないケース
もあります。
しかし!
そこで二番底を狙って買えば、
「ほぼ底値」
で買えます。
それには並々ならぬ忍耐が必要です。
- 株価が下落を始めたら手がうづきますが、じっと我慢の子。
- 上昇に転じても、まだまだ我慢!
- 1か月後にまた下降に転じて、いよいよ二番底!
ここで
「いざ鎌倉!」
と財政出動。
この方法で落ちるナイフを掴むことなく、
「ほぼ底値」
で株を安く買えます。
今回の株価低迷の理由
まるで
「二番底の定理」
を証明するかのように、9月なってから株価が下落傾向に転じました。
そもそも
これに備えていたので、個人的には予想通り。
今回、株式市場が神経質になっているのは米国経済の先行き不安です。
そう、先回と一緒。
投資家は道路を歩いている鳩のようなもの。
自転車で近くまで寄っても逃げない。
「もう轢いちゃう!!」
という事態になって、初めて飛び去ります。
もっとも何度か轢いたこともあります。
投資家も同じくらい鈍感で
「そろそろ危ないよ!」
と言われても、直前まで危機を無視するんです。
自転車のタイヤが後頭部に迫ってから、
「あ、ヤバイじゃん!」
と一目散に逃げだすので、株価の暴落に繋がります。
なのに
「日経平均上昇中!4万円台突破は時間の問題だ!」
と投資すると、痛い目に遭います。
来るか 二番底?
もっともまだ
「二番底が来る!」
と決まったわけじゃない。
おそらく
「決定打」
となるのが9月6日に出る米国の雇用統計。
この記事は9月5日に書いているので、現時点では五里霧中。
折角、
「二番底が来るかも?」
と記事を書いたのに、
「ただの無駄」
で終わることもあり。
仮にですよ。
さらに連邦銀行が9月18日に、
「ヤバイがや!」
と50ポイントの利下げをすると、二番底は確定します。
その場合、DAX(ドイツ株式指標)は、二番底の17339を目指す筈!
ここが、
「いざ鎌倉!」
の瞬間です。
二番底 狙う銘柄はコレだ!
時間がたっぷりあったので、
「二番底で購入する銘柄」
を精査。
とりわけメルセデスを始めとするドイツの車メーカーを考え直し。
今年の春先
”Varta”(ヴァルタ)
で800万円近い損益を出しました。
安い中国製品に押されて、売り上げが悪化。
でも会社は
「業績は改善する。」
と言い続け倒産。
この敗北から学んだのが、
ドイツ車メーカーはそれがポルシェでも、中国で販売減少の憂き目に。
まさに
「どつぼにはまったヴァルタ」
と似ている。
そう考えた際、ドイツの車メーカーへの投資に疑問が。
二番底で買えば、損はしないだろうけど、、。。
そこで考え直した、購入希望銘柄を紹介します。
ダイムラートラック
ドイツの車メーカーの代替案が、ダイムラートラック。
世界最大のトラックメーカーです。
電気自動車では中国には勝てないが、トラックならまだ10年は安泰。
配当金は現在の株価で換算して5.9%。
二番底で買えば、6%+。
ただし!
トラックは車のようには売れません。
周期があるんです。
今はちょうど
「売れない時期」
で株価は下落中。
これが2~3年続くこともあります。
もし
「1年後にはハイリターン」
を期待するなら、買わない方がいいよ!
株価が29ユーロを割ったら買います。
工場閉鎖 & 初の解雇で揺れる VW
「ドイツの車メーカーの株は買わない!」
と書いたばかりですが。
このVW(フォルクスワーゲン社)の5年チャートを見てください。
93~94ユーロなんて出てこないっ!
こんなに株が安かったのは2010年。
それもそのはず、全然儲かっていません。
とりわけ
“Butter- und Brotgeschäft”(日々のパンを確保する仕事)
のVW車がボロボロ。
どんなに効率が悪いか、それは利益率をみれば一目瞭然。
VWのロゴがある車の利益率はたったの2.3%。
VWグループでもチェコのシュコダは6%の利益率。
これが豊田になると、なんと8%の利益率。
しかし!
そこで遅かれ、早かれ、国内工場を閉鎖してメキシコに移転は避けられない。
労働組合がこれを呑む筈もなく、初の工場閉鎖と初の解雇で揺れてます。
前途多難ですが、株価が80ユーロまで落ちたら買います。
株の上昇でも下落でも
「勢い」
がつくと、想像してない高さ(低さ)までいきます。
すでにボロボロのVW株。
米国の景気後退懸念が強まると、石のように落ちます。
見ててください。
産業サービス Bilfinger
かってはドイツ最大の建設会社。
仕事のできない政治家を社長に据えて、奈落の底に転落。
建設会社なのに、建設部門を売却して運営資金を確保。
もうだめぽ!
と思ったら見事なカムバック!
今は産業用にいろんなサービスを提供しています。
業績は毎回、予想を上回る!
この前までは買収候補だったのに、他社を買収するまでに!
春先、52ユーロで売却。
ヴァルタの損益を取り返しました。
以来、何故か株価低迷。
売ってて良かった~。
4,5%の配当金もでる。
二番底で買い戻します。
世界最大の再保険会社 MünchenerRück
下落する事を知らない銘柄が Münchener Rück。
社長は、
「(仮に)業績が下がっても、配当金は下げない。」
と豪語。
コロナ禍でも配当金を下げず、約束を守りました。
コロナ禍を除くと毎年、増収増益。
今の株価で3.4%の配当率。
という方にピッタリ!
ただし!
10月からは北米でハリケーンの季節。
被害が大きくなると、業績を悪化するので株価が下がり気味。
二番底、あるいは
「市場最悪のハリケーンが米国に接近中!」
というニュースを見たら、思い出してください。
二番底 を狙え! Allianz
リスク回避の為、
「Münchener Rück一本釣り」
ではなく、投資資金をAllianzにも分けて投資しましょう。
こちらは世界最大の保険会社。
こんなに株価が高騰しているのに、配当率は5.3%。
時々、
「ガクン!」
と株価が下がります。
長くは続かないので、
「落ちた時が買い時」
です。
二番底で狙ってます。
この銘柄も、10月からのハリケーンシーズンには敏感に反応します。
業界三位 再保険会社 Hannover Rück
「もっと分散投資でリスクを減らしたい!」
という貴兄にはハノーファー再保険。
業界三位です。
配当率は今の株価でも3.3%。
業績は超~安定してます。
8月になってから株価が急に高騰。
急に高くなった株には、利益確保の売りが続きます。
「二番底の定理」
では、212ユーロまで落ちる。
果たして?
その他 二番底注目銘柄
その他にも
- DWS(投資信託)
- Rheinmetall(軍需)
- BASF(化学)
- TUI(旅行会社)
など、こっそり狙っている銘柄も。
でも過去の記事で取り上げたので、今回は紹介を割愛。
米国雇用統計
日本時間で金曜日の夜、発表された米国雇用統計。
アナリストの予測(平均値)が16万の新規雇用。
実際には14万2000でした。
予想よりも10%低い数字。
Bank of Amerikaは
「いやいや20万行くよ!」
と予想して赤っ恥。
だからこの銀行は信用できない。
面白かったのはマーケットの反応。
てっきり下落すると思ったのに
投資家は
- 心配してたほどひどくなかった!
- 失業率は改善した
と上昇したんです。
が、16時以降、セルオフ!
言わんこっちゃない。
あの数字見て買う投資家は、
月曜日は日本でも血の海よ!
来るか0.5ポイント利下げ?
これでまずは
「二番底」
の最初の条件はクリア。
残るは連邦銀行の利下げ。
アナリストは米国の雇用統計の発表を受け、
「0.5ポイントの利下げが必要。」
と言い出しました。
もしその通りなら、二番底はもう避けられない。
0.5ポイントも利下げするということは、
「米国の景気が失速しかけているから、大急ぎで対抗策を打たねば!」
というFRBの金利政策の失敗を露呈するもの。
これはマーケットに受けない。
だから7月の時点で利下げしておけば、良かったんだよね~。
ま、そのお陰で株を安く買えるわけだが、、、