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コロナ ロックダウン 店舗の家賃は払う必要があるの?

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コロナ禍で政府が課したロックダウン。

店舗の経営者は収入がないのに、店舗の賃料を払う事を迫られた。

運が良い経営者は

「話の分かる大家」

と話をして、賃料の調整をしてもらった。

しかし中には賃料の調整に応じない大家も多い。

ちょうど今回、コロナ ロックダウン中の店舗の家賃支払い義務について、最高裁判所の判決が出た。

参考になると思うので、今回は

「コロナ ロックダウン 店舗の家賃は払う必要があるの?」

について検証してみよう。

コロナ ロックダウン 店舗の家賃は払う必要があるの?

賃料の減額に応じない大家が居れば、

「営業できないなら賃料は払わない。」

と、一方的に賃料の支払いをやめてしまう経営者も居た。

スポーツ用品大手のアデイダスや、衣料品大手のH&Mなどがその筆頭。

大企業がこれをやると、政治家から非難された。

 

もっとも多くのケースではその後、経営側と大家が話し合い、和解した。

ところが中には頑固な経営者も居て、大家との交渉に応じず、

「営業できないなら家賃は払わん。」

と、言い通す会社もあった。

それが衣料品のデイスカウント大手、”KIK”。

ドイツ全土に支店を持つ”KIK”は各地で家賃の支払いを拒否して、大家から訴えられた。

その訴えのひとつが今回、最高裁まで行って判決が出ることになった。

参照 : KIK

地方 & 高等裁判所判決

最高裁判所の判決を見る前に、まずは地方裁判所と高等裁判所がどのような判決を下したのか、みておこう。

まず地方裁判所は、”KIK”に全額の家賃の支払いを命じた。

これを不服として”KIK”側が控訴した。

すると高等裁判所は、

「フィフティーフィフティーにすべき。」

と判決した。

“KIK”は家賃が半額されることになったが、今度は大家側はこれに控訴。

こうしていよいよ、最高裁判所で争われることになった。

コロナ ロックダウン 店舗の家賃減額可能なり

コロナ ロックダウン 店舗の家賃減額可能なり

ドイツ中で似たような裁判が行われており、最高裁の判決は社会の大いな注目を浴びていた。

その最高裁は2022年1月12日、

商業目的で借りた店舗がコロナ ロックダウンで営業できない場合、家賃の減額を求めることができる。

と判決を下した。

 

質問
じゃあ、”KIKが勝ったの?

 

そこが問題なんです。

最高裁はロックダウンにより、

  • 政府からの救済金
  • 加入していた保険金の支払い

があったか、なかったを考慮した上で、

「家賃の減額は認められるべき。」

と判決。

言い換えれば高等裁判所の、

「すべてフィフティーフィフティーにすべき。」

という判決を

「いい加減だ。」

と判決したわけです。

謂れてみればその通り。

そもそも

「高等」

という名前を冠しているのに、高等裁判所の

「フィフティーフィフティー」

って、適当な判決ですよね。

判決の影響

まだ、

「どちらがどれだけ負担するのか。」

という細かい点の調整が必要だが、

「ロックダウン中の店舗の家賃の減額は可能」

という大原則になる判決が出た。

今後、ロックダウンを余儀なくされ、大家に家賃交渉を断わられ

「経営側で全部かぶってきた」

経営者には、お金を取り戻すいい機会が訪れる。

もしあなたが2019年以降のロックダウンで、

「店舗の賃料を全額払った。」

なら、減額を求める権利があります。

2019年の請求権は、2022年12月末で時効になります。

それまでにいい弁護士を見つけて、必要とあれば裁判所に訴えることが必要です。

裁判所に訴えていれば、あたなの請求権は10年間は維持されます。

-ドイツの達人になる, 規則、法律

執筆者:

nishi

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