ドイツの達人になる 犯罪・詐欺

銀行詐欺 リスクなしで高金利ゲット?

投稿日:2025年2月18日 更新日:

銀行詐欺 リスクなしで高金利ゲット?

欧州で銀行詐欺が流行っている。

この物価高の中、

「リスクを冒さず、少しでも高い利子を!」

という消費者の心理をうまく利用したトリックだ。

皆さんが被害者にならないように、その手口を紹介しておきます。

貯蓄口座からTagesgeldkonto

ドイツ人はケチで有名。

無駄使いを、

「悪魔が聖水を嫌う」

ように嫌う。

そんなドイツ人の心をがっしり掴んでいたのが

“Sparbuch”(貯蓄口座)

だ。

余裕があるときにお金を払い込めば、1年以上預けている残高に5%の利子が付いた。

これを銀行に行って記帳するのが、ドイツ人の心の喜びだった。

しかし長年のゼロ金利でその喜びは消滅。

【検証】 マイナス金利は効果があったのか?

今、かっての貯蓄口座にとって代わったのは

“Tagesgeldkonto”

だ。

Tagesgeldkonto とは

ドイツで口座を開設すると、

「嫌」

と言ってもついてくるのが

  • Tagesgeldkonto(普通口座)
  • Festgeldkonto(定期預金口座)

です。

“Tagesgeldkonto”

は他にも

“Girokonto”(ジロー口座)、あるいは”Gehaltskonto”(給料口座)などの、いろんな呼び方がある。

名前は違っても機能は同じ。

利子が(ほとんど)ない代わりに、日々、自由にお金を出し入れできる口座だ。

日本の普通口座に相当。

ところがである。

インフレ対策で金利が上昇すると、この普通口座に高い利子を提供する銀行が出てきた。

銀行にしてみれば、消費者から預金を集めて米国の国債を買えば、

米国国債

5%を超えるリターンがある。

抜粋元 : 米国国債

 

勿論、

「利益となる差額」

は微々たるものだが、

「塵も積もればマウンテン」

でリスクがない。

これが目的で、春先のタケノコのように高金利を提供する銀行が次々に出現中だ。

利子はどのくらい?

と聞けば、

「利子はなんぼ?」

と聞くたくなるのは、ドイツ人だけじゃない筈だ。

ここに利率が高い銀行一覧がある。

利率が高い銀行一覧

なんと

“bunq”

という名前を聞いたことのない銀行は、4.02%もの金利を普通口座に払うという。

抜粋元 : verivox.de

 

ちなみに私のメインバンク、三菱UFJの普通口座の利息は0.02%。

 

この銀行なら日本の銀行の200倍もの利子が付く!

だから日本の口座にお金を置いておくのはバカバカしい。

ドイツ留学中の方、ドイツで開設した口座はそのままにしておき、

「日本からでも使えるの?」

と銀行に相談してから帰国しましょう。

安全なの?

ドイツの安売りスーパーがよくやる手法は、

「たったの1ユーロ!」

として食品を安く提供して客を呼び込む方法。

勿論、赤字だ。

なので提供する品数は少ない。

あまりに少ないとあからさまな

“Lockangebot”(撒き餌商品)

として違法な手法になるので、要注意。

高金利の普通口座もこれによく似ている。

高い金利(撒き餌)で客を呼び寄せると、

「やられた~。」

と後悔する罠が待っている事が多い。

だからせめて2番目の銀行を選ぶつのがコツ。

一番利子が高い銀行、一番価格が安い店には、ほぼ必ず落とし穴がある。

“bunq”とは?

では”bunq”という銀行はどうなのだろう。

「ブンク」

という名前もいかにも怪しいが、、

参照 : bunq

 

銀行はオランダ籍。

道理でおかしな名前なわけだ。

2012年に設立された

「フィンテック」

だ。

「住んでいる国と国籍に関係なく、口座を提供する。」

がモットー。

業績は順調に伸びているが、赤字経営。

う~ん、やっぱりちょっと心配。

欧州の銀行は基本、

”Einlagesicherung”(預金保障)

がある。

10万ユーロ(1650万円)までの預金なら、国(正確には銀行組合)が補填してくれる。

問題はここから。

補填してくれるとは知っていても、やっぱり心配なことには変わりない。

おまけに補償は自分で、しかもオランダで挙げる必要がある。

これをできる人がどれだけいるだろう。

オランダ語は読めないし~。

そこで

「桜散る!」

となった際、ドイツで補填請求を上げれる銀行に絞れば、こう。

普通口座利子の高いドイツの金融機関

抜粋元 : verivox.de

 

あまり欲を出さないで、このくらいの利子で

「妥協」

しておいたほうがいいと思います。

銀行詐欺 リスクなしで高金利ゲット?

銀行詐欺 リスクなしで高金利ゲット?

ところがである。

経験のない若者、あるいは欲を出しすぎた高齢者は

「最高の利子」

を追求する。

そんな人を

「待ってました!」

と待っているのが銀行詐欺の方々だ。

銀行詐欺 その方法は?

「利子が高い銀行口座」

でぐぐると、詐欺サイトがヒットします。

これがよく出来ているので素人には詐欺とは見えない。

ところがである。

冷静に考えれば上述の例が示すように、

「リスクを冒しても、利子は最高4%まで」

なのがわかります。

なのに詐欺サイトでは5%、あるいはこれを超える利子をお約束。

詐欺ですからね。

言うは安し。

「これは凄い!」

「すぐに口座を開設しよう!」

というボタンを押すと、

「口座開設のために、あなたのパスポートのコピーが必要です。」

という返事がきます。

そこでコピーを送ると本当に開設してくれるんです。

「あとはお金を送金するだけ!」

というわけです。

早速、貯金を外国の口座に送金すると

「ありがとう。」

と詐欺師が現金を自分の別の口座に送金して

“Auf Wiedersehen!”(さようなら!)

です。

そう、詐欺師はあなたの名前ではなく、自分の名前で口座を開設していたんです。

 

あるいは詐欺師もアクセスできるように、共同口座を取得していたんです。

何故、騙される?

とりわけ若者などは友達からの

「用心しなよ!」

というアドバイスを、

「大丈夫って書いているよ!」

という言葉で無視。

そもそも詐欺師は、

「これは詐欺です。」

とは書かかず

「100%安全です。」

と書くんです!

一方、高齢者は欲が張り過ぎて、リスクが見えない。

いや、見ないといったほうが正解か。

銀行詐欺は投資詐欺と一緒です。

投資詐欺に遭う人は、自分で株の勉強をしないで他人にてお金儲けを企む人。

 

鴨葱です。

銀行詐欺も自分で口座開設しないで他人に任せる人は鴨葱です。

この

「他人に任せてお金を稼ごう!」

という考えが、詐欺師に付け入るスキを与えます。

-ドイツの達人になる, 犯罪・詐欺

執筆者:

nishi

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