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ドイツ軍 ニーダーザクセン級 駆逐艦調達 で大失敗!

投稿日:2025年11月26日 更新日:

ドイツ軍 ニーダーザクセン級 駆逐艦調達 で大失敗!

今回はドイツ海軍の 駆逐艦調達 がテーマ。

定期的にスキャンダルを提供して、お茶の前に話題を提供してくれるドイツ軍。

本当に頼りになります。

今度は海軍です。

新しい駆逐艦調達でやらかしました。

私一人で喜んでいないで、日本の皆さんにも一緒に笑ってもらいたい。

ドイツ軍 ニーダーザクセン級 駆逐艦調達 で大失敗!

事の始まりは2009年、ドイツ軍が

「将来の海上戦闘に必要な戦闘能力」

について、シンクタンクに研究を依頼したことに端を発します。

できあがった

„Operative Forderungen K131“

には、

「多様化する攻撃に対応できることが有用。」

と書かれていました。

すなわち!

駆逐艦の上に取り換え可能な

「さまざまなモジュール」

を積む事で、空からの脅威は勿論、海上、そして対潜防衛能力を備えた

“Mehrzweckkampfschiff”(多目的戦艦)

の調達を推奨したわけです。

当初、この新型駆逐艦調達 計画についた予算はほぼ1億円。

ロシアのウクライナ侵攻後は、予算がほぼ倍増。

ドイツ軍の戦後最大の駆逐艦調達計画だ。

F126 ニーダーザクセン級

新しい駆逐艦は、

“Niedersachsen-Klasse”(ニーダーザクセン級)

別名

“F126”

という名前に決まった。

質問
なんで?

 

この前、導入されたのが、

“Bremen-Klasse”(ブレーメン級)

だったので、

「今回はその隣りのニーダーザクセン州の出番!」

というわけです。

そのニーダーザクセン級、多目的駆逐艦だけあって、かなりの大型。

先回、オーストリア海軍への駆逐艦納入競争に参加したMEKO 200 は、

独 vs.日 オーストラリア海軍 駆逐艦 入札競争

  1. 全長117m
  2. 排水量3500トン

これがニーダーザクセンクラスになると、

  1. 全長166m
  2. 排水量1万550トン

と、飛躍的にでかくなる。

ドイツ軍が保有する駆逐艦としては、最大の大きさとなる。

乗員は100名。

計画では8隻建造して、2028年から就役する筈だった。

スキャンダル国防大臣

ここまではうまく行った。

なのに駆逐艦調達が

“aus dem Ruder laufen”(大失敗した)

のは(前)国防大臣

“von der Leyen”

のお手柄です。

この問題国防大臣、何をとちくるったか、

「EU全土公開入札」

を実施した。

参照 : von der Leyen

 

質問
名前に聞き覚えがあるけど?

 

女史は現EU の

“Präsident der Europäischen Kommission”(委員会大統領)

です。

質問
何ソレ?

 

ソビエトの書記長のようなもの

女史はメルケル政権下で国防大臣に任命され、数多くのスキャンダルを巻き起こした。

とりわけ、

“Berateraffäre”(顧問スキンダル)

では民間企業との癒着が問題になった。

そこで国会調査委員会が開かれて、政治生命が尽きるはずだった。

なのにマコン仏大統領が、

「次のEUの委員長にはフランス語を話せる人物を」

と無謀な主張。

そこで政治生命が尽き欠けていた女史が、大出世。

「人生、塞翁が馬」

とはこのことだ。

Damen Naval

この駆逐艦調達 公開入札で勝利したのが、オランダの海軍ご用達造船会社

“Damen Naval”

だった。

 

日本人にもわかるように言うと、自衛隊の駆逐艦を韓国に発注するようなもの。

公に大臣を批判する人は居なかったが、受注難にあえぐ国内の造船所は大いに不満だった。

ただし!

公開入札には、

「建造にはドイツの造船所を使ってね!」

という条件付き。

これはとりわけ建築業界ではよくある受注形態。

大手が政府から仕事を受注するが、その工事は下請けに任せる。

軍需産業でも、

“gang und gebe”(よくある事)

なんだが、これがまずかった。

駆逐艦調達 問題発生

ドイツ国内で”F126″の建造を担うのはTKMS(テユッセンクルップの子会社)のライバル、

“Naval Vessels Lürssen-Gruppe (NVL)”(キール ドイツ海軍造船所)

だ。

“そう、この前ドイツを代表する軍需産業 ラインメタル社が買収した造船所だ。

ラインメタル 海上進出 駆逐艦製造元を買収!

建造の流れはこう。

“Damen Naval”がおフランス製のデジタル造船プログラム

“DASO-Programm”

で設計図を作成する。

参照 : DASO-Programm

 

これをNVLに転送して、ここで建造をする筈だった。

ところがこの転送がうまくいかなかった。

会社側の言い訳を信用すればだが。

結果、新型駆逐艦の建造は最高で48ヶ月まで遅れるという。

そもそも5年前の駆逐艦調達計画では、2028年の引き渡し予定だった。

これが2032年になると、もう調達の意味がない。

さらに!

“Damen Naval”は駆逐艦の製造遅延で、財政難に陥った。

下手すれば倒産しかねない。

そうなるとドイツ政府が払った

「手付金」

は、1セントも帰ってこないっ!

ここに至り、ドイツ政府は”Damen Naval”との駆逐艦製造契約の破棄を決定した。

参照 : 契約破棄

駆逐艦調達 代案

代案は二つ。

最初の案はドイツ政府が

「手切れ金」

を”Damen Naval”に払い、建造計画をNVLに譲渡してもらう。

そしてNVLで

「なんとかして」

最後まで建造してもらう。

が、リスクがある。

F126は、すでに5年間も建造計画で行き詰っている。

そんな

「役に立たないプラン」

に金を払っても、うまく行く保証はない。

もうひとつの案は、

「EU全土公開入札」

で貧乏クジをひいた”TKMS”に建造してもらう案。

というのも”TKMS”はすでに

“F127”

という次世代駆逐艦を設計済み。

参照 : F127

 

が、”F127″は対空防御に特化している。

対潜能力は高くない。

加えて駆逐艦や潜水艦が

「馬鹿売れ」

しているので、

「10年先まで契約で一杯」

という有様。

まとめ

それもこれも(前)フォインデライン国防大臣が駆逐艦調達で、

「EU全土公開入札」

という間抜けな案を思いついたが為。

ドイツでは

“Wer billig kauft, kauft zweimal.”(安物を買う者は、2度買う羽目になる。)

という。

今回の駆逐艦調達がまさに、その見本!

笑ってばかりもいられないのが、今回のヘマで数千万円ではなく、数千億円が無駄になること。

私はまだドイツで税金を払っているので、本当にいい加減にしてほしい。

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執筆者:

nishi

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