今回取り上げるのは、ウーマナイザーと呼ばれる
「世紀の発明」
です。
発明したドイツ人曰く
「大人のおもちゃ業界のIphone」
だそうです。
事実、世界中で大ヒットしました。
なのにガラパゴス化している日本ではまだ無名。
知らないと
「もったいない。」
ので、ここで紹介します。
この記事の目次
発明家 Michael Lenke
バイエルン州の
「東の端っこ」
に
“Metten”
という小さな町がある。
人口は5000人にも満たない。
そんな小さな町に
「個人発明家」
の”Michael Lenke”が住んでいた。
彼のこれまでの
「発明品」
と言えば、
“Erdbebenfrühwarnsystem”(いちご早期警戒システム)
など、誰も興味を示さない商品ばかり。
そんなレンケ氏はある日、
「女性のほぼ50%は、オーガズムを体験した事がない。」
という医学記事を読んだ。
これが私なら、
「そうなんだ~。」
で終わり。
しかしレンケ氏は、
「いちご早期警戒システムと違い、国民のほぼ半数が潜在的な客だ!」
と研究開発を始めた。
研究開発
開発にあたりレンケ氏は女性器が男性器と異なり、
「官能点」
がクリトリスに集中していることに注目。
その数なんと8000点。
しかるに市場に出回っている
「女性用の大人のおもちゃ」
は
「点」
で、この官能点に接触するだけ。
これでは
「一部だけ」
しか刺激されない。
そこでレンケ氏は
と考えた。
具体的には患部を軽く吸引する事で
「ずれ」
を防ぐと、
「標的に”Druckwelle”(空気振動)を送る事で、患部全体を刺激する。」
というもの。
ドイツ人の世紀の発明品 ウーマナイザー
が、製品開発には
「大きな障害」
があった。
レンケ氏は
「試作品」
がちゃんと機能しているか、自分で試すことができない。
まさかアルバイトを募集するわけにもいかない。
そこで奥さんに頼み込んで、
「実体験」
してもらうことに。
これが日本の奥さんだったら、
「いい年して、役に立たないものばかり開発してないで、、。」
と愚痴を言われて相手にしてもらえない。
しかし奥さんは文句を言わずに献身的に協力。
お陰でレンケ氏は画期的な女性専用の
「大人のおもちゃ」
の開発に成功した。
これまでの女性用のおもちゃは、接触により振動を伝える形。
新型のおもちゃは非接触型。
おまけに肝心の空気振動は、
「ハチドリの翼の動きと同じ速さ」
の超高速振動を実現。
被験者はかってない快感を味わうこができる。
まさに画期的な発明だった。
流石、ドイツ人。
販売促進
画期的な製品を発明する事と、これを成功裏に販売することは、
「二つの異なる課題」
である。
成功裏に販売するには、
「いかした製品名」
が欠かせない。
間違っても、
「大人のおもちゃ」
では全くれない。
そこでレンケ氏は発明品を
“Womanaizer”(ウーマナイザー)
と名付けた。
あとは販売。
幸いドイツと言えば
”Messe”(見本市)
の本場。
「大人のおもちゃ」
も例外ではなく、
“Erotikmesse”
が開催される。
ここに人気 & 新人の
「AV女優・男優」
が、出演作品の販売促進にやってくる。
勿論、
「大人のおもちゃ」
も多数、販売されている。
そこでまずはパテントを取得して、ここにウーマナイザーを出店してみることにした。
ウーマナイザー 成功率98%
出店と言っても、
「中年男性が売ってる聞いたこともない商品を買おう!」
という人は稀。
そこでレンケ氏は
「20歳から65歳までの女性」
にウーマナイザーを提供して、
”Tester”(商品テスト者)
になってもらうことにした。
要するに、
「一種のアルバイト」
だ。
幸い、エロチックメッセには
「その種のアルバイト」
にオープンな女性が多く、60名の治験者を獲得することに成功した。
その
「治験結果」
にはレンケ氏自身も驚いた。
「5秒で逝った。」
という女性を筆頭に、なんとオーガズムを体験できた治験者は98%にも上った。
ウーマナイザー 権利の売却
こうしてウーマナイザーの
「一般販売」
が始まった。
勿論、販売は大成功してヒット商品になった。
しかしレンケ氏は販売をさらに促進するには、
「販売のプロに任せた方がいい。」
と判断。
エロチック業界大手の
“Amorelie”
に
「ウーマナイザーパテントを買わないか?」
と打診した。
ところがである。
ウーマナイザーを商品として取り扱うことには喜んで了解したが、
「商品権利の取得」
を断ってしまった。
これをみた”Amorelie”の販売部長は、
「人生で一度のチャンス!」
と悟ると会社を辞職。
投資家の支援を受けて、ウーマナイザーのパテントを取得した。
その会社が今や業界最大手に成長した、
“WOW Tech Group”
である。
サクセスストーリー
パテントを取得した
“WOW Tech Group”
は、ウーマナイザーに幾つかの改良を施した。
まずは外見。
女性に受けるデザインにして
「大人のおもちゃ」
のイメージから脱却した。
そして販売方法。
「あのドイツ」
でも一部の女性は
「SEX関連商品」
の通販購入には抵抗がある。
そこで
「商品送付の箱」
には会社名も何も書かれていない箱を採用。
女性が安心して注文できるようにした。
お陰でウーマナイザーは世界中で売れまくっている。
とりわけ歌手のケイテイー パリーが
「ウーマナイザーの宣伝」
をしてくれたことも、認知度を高めることに貢献した。
そうそう、ウーマナイザーは日本でも販売されている。
女性には
「ドイツ人の世紀の発明品」
を、試していただきたい。
ちなみにウーマナイザーは、日本のアマゾンでも販売されている。
でもアマゾンには中国のコピー商品も多い。
ウーマナイザーは
「大人のおもちゃ業界のIphone」
というだけあって高級路線。
安いのは総じて偽物です。
要注意。
成功した人 失敗した人
こうしてウーマナイザーを発明したレンケ氏と献身的に開発に協力した奥さんは、
「大金持ち」
になった。
加えて商品の価値を見抜く才能があったマネージャーも、世界で活躍する大企業の社長になった。
その一方で
「哀れ」
なのは、ウーマナイザーのパテント取得に反対した親会社。
実は”Amorelie”の親会社はドイツの大手テレビ局、
“Pro7 Sat1”
なんである。
フジテレビのようにお年寄りばかり会社の運営陣が、ウーマナイザーの秘める可能性を理解できるわけもなかった。
こうしてみすみす
「大儲けのチャンス」
を逃した。
そしてテレビ業界は広告収入の減少で、家計は火の車。
売れる製品の可能性を見抜くことができない会社の経営陣を抱えているのは、日本の会社だけではない。
それが故、
「役に立たない経営陣」
を抱えている会社は、日本でもドイツでも経営難に陥っている。