ドイツの達人になる 規則、法律

得意技でアルバイト – 音楽の路上パフォーマンス

投稿日:2018年11月17日 更新日:


目指せ!大道芸人

ドイツの都市で中心部を歩いていると、頻繁に見かけるの大道芸人。楽にお金を稼いでるように見えるので、「私もやっちゃおう!」、路上で芸を披露すると大きなトラブルの元。

ドイツ人の路上パフォーマーは、1000ユーロの罰金を受けたこともあり、これでは収入どころか、大赤字。ドイツでは法律で規定されてない項目は皆無。路上パフォーマンスも例外ではありません。

参照元 : Berliner Zeitung

ローケーション

ホテル業では、「ローケーション、ロケーション、ロケーション」と言われますが、路上パフォーマンスも同じ。収入の高さは、歩行者の交通量に比例します。でも、「ここは人通りが多いから、ここでやろう。」と芸を披露する場所を勝手に決めるわけにはいきません。地方自治体が、芸を披露してもいい場所を決めているからです。そこで、まずは市役所に行って場所の選定から始めてください。

場所を調べる手間を省き、「ここは先週、路上パフォーマーがやっていたから、ここならいい筈。」とやってしまうと、意外と禁止地域だったりします。役人に捕まってから、「先週、ここで路上パフォーマーを観た。」と言っても、あなたの違法行為が無罪になるわけではありません。ちゃっかりその場で罰金を課されます。そこで路上を芸を披露する前に、どこならパフォーマンスが許可されているのか、調べることから始まります。

許可証

ハンブルクやベルリンでは、路上パフォーマンスが許可されている地域、場所であれば、自治体からの許可証は必要ありません。しかしお堅いミュンヘンでは、自治体から許可証を取ることが必要です。「じゃ、申請すればいい。」と思いますが、そこはお堅いバイエルン州、許可証を取るのはかなり困難です。まずその数。1日あたり10通までと上限が決まっており、「あっ。」という間に上限に達してしまいます。

さらにはパフォーマンスの内容も審査されます。市民に不快感を与えると判断されると、許可は下りません。さらには場所。このページの写真のパフォーマンスはかなり場所を取り、また子供とぶつかる危険もあるので、滅多に許可が下りません。なのに、この写真はミュンヘン市内で撮ったも。明らかにこのパフォーマーは違法行為、通称「やり逃げ逃げパフォーマー」です。真似をされませんように。

得意技でアルバイト – 音楽の路上パフォーマンス

クラシック音楽の国だけあって、ドイツで一番の人気は音楽のパフォーマーです。オーボエやバイオリンの単独演奏よりも、数名でグループを組んで演奏するほうが注目度が高いです。すでにメンバーを組んでいる場合は、練習してから週末などに街角で演奏すれば、結構、いい収入になります。ただし!

「もっと大きな音を出したい。」とスピーカーなどを置くのは禁止されています。さらには店舗の商売の邪魔をしないように、パフォーマンスが許可されている地域でも、最長の延長時間は30分まで(自治体により異なります)。30分後は最低でも150m(自治体により異なります)。以上、移動することが必要です。

観光客の多いハイデルベルクではスピーカーは言うに及ばず、管楽器、打楽器は禁止、同じ場所で1時間までの演奏なら可能という徹底振りです。お陰で何か芸を披露してお金を稼ぐのは難しく、ハイデルベルクでは滅多に路上芸人を見かけることがありません。

CD等の販売

音楽系のパフォーマーが、楽器のケースを募金箱として使用、自費で作成したCDなどを販売している光景をみたことがあると思います。しかしCD等の販売は禁じられています。例外は似顔絵などを描く、パフォーマー。ただしパフォーマンスの許可が必要で、20ユーロ程度の「ショバ代」を自治体に払うことが前提です。

チップの集金

法律上、路上パフォーマーと乞食はほぼ同じ扱いになります。そう、ドイツでは乞食のやり方も法律でびっしり決まっています。では正しい、乞食の方法とは?それは街角、あるいは店舗の入り口に座ると、空のカップを置いてお恵みをじっと待つ方法。

違法なのは、「恵んでください。」と積極的にアピールする方法。例えば鼻の下にカップを突き出してきたり、歩行者に話しかけてくるのは違法です。店先などの乞食に不快に感じたら、遠慮なく110番通報できます。

路上パフォーマーも同様です。ショーの後に積極的に個々の観客に帽子を突き出して、チップをせがむのは違法です。もっともドイツ人は基本ケチなので、積極的にチップを要求しないと、なかなか小銭は集まりません。このため見ている側に不快感を与えない程度のチップの要求は、見つかっても多めにみてもらえることが多いです。

尚、来るクリスマスはドイツ人が1年で唯一、「太っ腹」になる時期です。外はとっても寒いですが、クリスマスにちなんだ曲を演奏すると、募金箱はコインばかりか紙幣が入っていることも。クリスマスは路上パフォーマー、最大の収入のチャンスです。

税金フリー

あくまでの副業としてパフォーマンス、利益追求を至上課題としていないパフォーマンスであれば、なんと税金を納める必要がありません。あのドイツで税金フリーです!理由。チップは募金とみなされるからです。もし芸術家として滞在ビザを取り、路上で芸を披露して生活している人には、しっかり税金がかかります。

 

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執筆者:

nishi

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