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2021年から施行される 税制上の負担と軽減

投稿日:2021年3月17日 更新日:

2021年から施行される 税制上の負担と軽減

2021年は2020年が終わったように、始まりました。

ドイツではコロナによるロックダウンの真っただ中。

ロックダウンが1月末まで延長されたこともあり、

ドイツ政府はコロナ経済対策を上乗せ。

コロナ前黒字財政だったドイツでは、このままでは終わりません。

コロナ増税は避けられません。

「来るかどうか」

の問題ではなく、

「いつ、どれだけの大きさで来るか」

が争点です。でも2021年は総選挙の年。

選挙前に、

「大幅増税します。」

なんて公約では勝てないので、適当にお茶を濁して選挙。

政権が成立後、年末にかけてコロナ増税が決定。

でもそれはまだ来年の話。

今回は、2021年から施行される税制上の負担と軽減について紹介します。

東ドイツ復興税廃止

まずは一番おいしい税制上の変更から。

1991年に

「短期間だけ」

という言い訳で導入され、1995年から恒久的に導入されていた東ドイツ復興税 / Solidaritätszuschalg 。

所得税に5.5%も上乗せして徴収されてきましたが、30年の長き時を経て、遂に廃止されました!

少なくても国民の90%には。

年間所得(税込み)が7万3000ユーロ(単身家庭)を超える方は、今後も払い続けます。

でも、割合は減ります。

どのくらい減るの?

お給料をもらう前に知りたい方は、税務省のホームページでチェックできます。

参照 : www.bundesfinanzministerium.de

尚、これまでは利子、配当金、それに株の売却益は、750ユーロまでは非課税でした。

東ドイツ復興税の廃止で、この限度額が930ユーロに引き上げられます。

ゼロ金利どころかマイナス金利の時代なので、利子で930ユーロも入るのはまずだと思われますが。

株を所有している人は、今年の配当金から手取りが増えますよ!

付加価値税19%に復活

コロナ禍により落ち込んだ消費を支えるため、政府が実施した付加価値税の減額。

これが12月31日にて終わり、1月1日から19%に戻りました。

食料品などに課せられる付加価値税は、5%から7%に。当然、1月以降はインフレになると予想されています。

児童手当 / Kindergeld

ドイツで子供を産むと、児童手当が出ます。

それも日本みたいなケチな額じゃない!2021年からは子供は二人目まで、一人頭219ユーロも支給されます。三人目からは225ユーロにあがり、四人目からはなんと250ユーロ。

子供が4人居れば、毎月913ユーロの収入です。

「自動手当なんてなくても、生活には困らない。」

という恵まれた家庭だったら、子供税金控除額 / Kinderfreibetrag を利用すればいいです。

すると収入はさらに5460ユーロまで、タックスフリー!

参照 : www.bmfsfj.de

さらには幼稚園の費用、教育費、職業訓練費なども、2984ユーロまで経費として落とせます!

受給資格

という記事を書くと、子供を連れてドイツに引っ越しされ、

「児童手当がもらえないと言われました。」

とメールをいただくことがあります。本当に。

考えてください。アフリカでは子供を5~6人も生むことも珍しくない。

誰でもドイツに来れば児童手当がもらえるなら、アフリカに留まって子供を育てるお母さんはおらず、皆、子供を連れてドイツに来ます。

そんなことが可能なら、ドイツの国家財は破綻します。

児童手当の受給資格は、あなたがドイツで働いて税金を払っている事です。

ドイツの社会保障を目当てに、

「ドイツに行って、生活保護や児童手当で生活しちゃおう!ベルリンなら育児所もタダだし!」

と考えている方、引っ越ししないほうがいいです。

所得控除額 / Grundfreibetrag

これまでは9408ユーロの所得まで、タックスフリーでした。

2021年から336ユーロ値上げされ、9744ユーロになります。当然、皆さんが払う税金も減額されるので、お財布に多く残ることになります。

又、最高税率の42%を払うお給料額はわずかに引き上げされて、5万7919ユーロからになります。

住民税

ドイツの住民税は幾らですか?

というお問い合わせをいただくことがあります。

ドイツには住民税、ないですよ~。

二酸化炭素税

以前、こちらで紹介した通り、

ドイツでは環境保護政策の一環として、二酸化炭素税が導入されています。2021年からこの税率が上昇、25ユーロ/tとなります。

これが軽油、ガソリンにも反映され、リッターあたり10セントほど上昇します。痛いっ!

給油する車

通勤費控除 / Pendlerpauschale

かって政府が郊外に住むことを奨励したため、これを信用して郊外に家を買った人は、二酸化炭素税で家計に大きな負担。

選挙で負けるのを恐れた政府、通勤で車を使う人には通勤費控除額を上乗せしました。

21キロ目から、控除額はキロ35セントに上昇します。結果、例えば通勤に35Km走っている人は、年間で165ユーロ税金の還付を期待できます。

電気代 税制上の負担と軽減

欧州で最も高いドイツの電気代。

2021年1月の時点で全国平均が32セント/Kwh(基本料金込み)。日本円に直すと36円ほど。

名古屋の電気代は28円/Kwhなので、1.6倍です。2倍くらいするのかと思ってた。

高い電気代の原因は、”EEG”と呼ばれる再生エネルギーの補助金。

このEEGが2021年はわずかに減額されるので、値上げ(値下げも)なさそうです。

国民健康保険料

コロナ禍でPCRテスト、コロナワクチンなど、国民健康保険が負担して、大赤字。

この赤字を埋めるため、”Zusatzbeitrag”と呼ばれる保険金の追加保険料が0.2%ほど上昇します。

もっとも値上げ幅は、個々の国民保険会社が決定します。大きく上昇する保険と、ほとんど変わらない保険があります。

「値上げのお知らせ」

が届いたら、是非、他の保険会社と比較してみよう!

介護保険支給額上昇

介護施設に入れず、自宅で身内を介護している方に支払われる介護保険支給額。

介護レベルが2&3の場合、支給額が600ユーロから1100ユーロに、介護レベルが3&4の場合、1800ユーロまで。

介護レベルについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

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執筆者:

nishi

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