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介護保険制度 改正 5段階の介護度と介護保険金

投稿日:2016年10月17日 更新日:

介護保険制度 改正 5段階の介護度と介護保険金

2017年から介護保険制度、厳密に言えば「介護度のクラス分け」が変更される。

認知症先進国の日本では

「当たり前の事」

なのだが、ドイツではようやく

「認知症の具合」

によって、要介護度が5つに区分されることになる。

介護保険制度改正

そもそもドイツではこれまで介護度認定の際、

「肉体的能力の欠陥」

が介護度決定の指針になっていたんです。

しかし認知症患者の場合は、肉体的な能力は衰えていないケースが多い。

結果、

認知症が進んでいるのに介護度が低い、あるいは全く介護が必要と認定されない。

 

という不具合が生じていた。

この不具合を解消するため、新しい介護保険制度では精神的な障害によっても、肉体的な障害同様に介護度が設定されることになった。

5段階の介護度と介護保険金

これまでは0~3の介護度だったが、2017年から1~5の

“Pflegegrad”(介護度)

が導入される。

参照 : Pflegegrad

 

一番介護度が軽いのが1、一番介護度が高いのが5です。

それぞれの介護度の区分け、及び介護保険が払う

“Pflegeleisung”(介護保険金)

は以下の通り。

介護度1

まずは軽度の介護度から始めます。

介護度1では

  • 介護士が1日1回訪問
  • 1時間までの介護で済み
  • 夜間の介護は必要ない

というケース。

介護度1と認定されると、131ユーロ/月の介護補助金が出る。

介護度2

その次に来るのが介護度2。

このステージでは一人での行動には、かなりの障害があり

  • 1日1回(2時間まで)の介護
  • 夜間の介護はごく稀

に必要なケースです。

自宅介護で済めば、347ユーロ/月の介護補助金が出る。

介護施設に日中の面倒を頼む場合、770ユーロまで保険で費用を持ってくれる。

介護度3

介護度3では一人での行動に重度の障害があり、

  • 日中6時間までの介護
  • 夜間は2度までの介護

が必要なケース。

自宅介護で済めば599ユーロ/月の介護補助金が出る。

介護施設に日中の面倒を頼む場合、1357ユーロまで保険で費用を持ってくれる。

介護度4

これが介護度4になると、

「一人での行動、あるいは能力に最大限の障害」

が認められるケースです。

このレベルになると、すべての行動において補助が必要。

自宅で介護する場合は、800ユーロ/月の介護保険金がある。

介護施設に入院して面倒を頼む場合、1855ユーロ/月まで介護保険が費用を持ってくれる。

介護度5

最大の介護が必要になるのが介護度5。

ここまで来るとほぼ寝たきりです。

自宅で介護する場合は、900ユーロ/月の介護保険金がある。

介護施設に入院して面倒を頼む場合、2096ユーロ/月まで介護保険が費用を持ってくれる。

認知症患者の増加

この介護制度の変更は、ドイツ国内でも増え続ける認知症患者がきっかけとなった。

厚生省の統計によるとドイツには認知症を患う患者が160万人おり、毎年、30万人が新たに発病しているという。

 

社会の高年齢化によりこのペースは今後加速され、2050年には患者の数は300万人を突破、毎年40万人の規模で患者が増えるという。

すなわち100人/日も新たにこの病気の患者が増える計算だ。

ドイツよりも高年齢化が進んでいる日本ではドイツのほぼ3倍、460万人が認知症に苦しんでいる。

日本はドイツの1.5倍の人口を抱えていることを考慮しても、この数字はあまりにも高く、日本は認知症の最前線だ。

効果の怪しい認知症治療薬

話は少し逸れるが、日本で認知症治療薬として処方される薬の効果は非常に疑わしい。

薬を製造してる会社は、<

「薬を常用することにより、病気の進行を遅らせることができる。」

という。

しかしこれは本当に初期の期間に限られる上、ひどい副作用がある。

 

家族の一員としてすでに認知症に苦しんでる親に

「さらに強い不快感を引き起こす薬」

を飲ませて、さらに苦しめる事の意味を疑う。

薬を服用すれば病気が治る、あるいは病気の進行が止められるなら話は別。

だが、うまくいっても

「初期に限って病気の進行をある程度遅らせる事ができる。」

という程度なのだ。

効果が出ているのかどうか、家族にも全くわからない。

日本ではアルツハイマーというと決まって副作用の大きなこの薬を処方する。

日本の医療は患者やその家族ではなく、医師や製薬会社の利益を優先しているのではないのか。

認知症治療の最前線 アルツハイマー症

認知症のおよそ2/3はアルツハイマー症が原因だという。

 

アルツハイマーの場合、脳の神経末端にこびりつく

“Plaque”

と呼ばれる淡白質、医学用語では

“Amyloide Plaque”

又は

“Amyloidbeta-Proteine”

と呼ばれる、が原因と考えられている。

このタンパク質はデータの転送をブロックするだけでない。

脳細胞がこのたんぱく質の薄い層に覆われると、脳細胞は炎症を起こして次第に破壊され、最後には死に至る。

治療薬の研究

そこでスイスと米国の製薬会社の科学者は、

“Antikörper”(英:Antibody”)

と呼ばれる植物性タンパク質をアルツハイマー初期の患者、165人に対して1年間適用したみた。

その結果、”Plaque”は明らかに減少して、思考能力の減少も最小限度に抑えられた。

そして投与された”Antikörper”の量が多く、そして治療期間が長い患者は、大部分の”Amyloide Plaque”を取り除くことができたという

今後は臨床実験対象をを2700人に増やして、さまざまな患者に対して効果を見極める。

仮にテストがうまく行っても、薬として認可されるまでは

「まだ数年かかる。」

というので、過大な期待は禁物だ。

それでもこれまで実質上、治療方法がなかったことを考えれば、大きな進展だ。

もっともこの治療テストは、

「アルツハイマーの初期段階の患者」

に対してのみ効果があった。

すでに発病している患者、その家族にとっては、薬が出来上がっても役に立ちそうにない。

日本での研究

ちなみに日本でもこの分野の研究はかなり進んでいる。

日本の学者は、

“Tau-Protein”(タオタンパク質)

がアルツハイマーの下手人ではないかと疑っている。

普段なら脳の中で成分の運搬の役目を果たすこのタンパク質が、認知症患者では脳細細胞に蓄積しているからだ。

これが蓄積されると

“Amyloide Plaque”

同様に脳細胞が破壊され、認知症を引き起こすと考えられている。

どっちが本当の原因か、双方の病状に関係があるのかまだわかってない。

しかし西欧では

“Amyloide”

が”Tau-Protein”の破壊に影響しているのではないかと考えられている。

このため、”Amyloide”を取り除く”Anti-Körper”の発見に躍起になっている。

はできない。

認知症薬 レカネマブ

ようやく日本のエーザイ社と米国のバイオジェン社が開発した認知症薬

“Lecanemab”(レカネマブ)

が、日本で認可された。

参照 : Lecanemab

 

この治療薬は上述の

“Antikörper”(英:Antibody”)

である。

もっとも由来は研究段階の植物性タンパク質ではなく、新しい方法で精製した

「モノクローナル抗体」

を使用して、脳に付着したアミロイドβ(ベータ)を取り除くという画期的なもの。

しかしその効果はかなり限定的で

症状の進行をおよそ7.5カ月遅らせる効果

 

があるだけ。

それも初期の患者だけ。

おまけにかなり激しいい副作用があり、

「一般的なアルツハイマー治療薬」

というにはほど遠い。

認知症は透析で直る?

そこで何よりも大事なのは、

「物忘れが多くなった。」

と思ったら、

「アルツハイマーだったらどうしよう。」

と悩まず、体内に

「特定の”Antikörper”」

が製造されているか、チェックしてもらうこと。

もしこれが見つかれば、

認知症を引き起こす「特定の”Antikörper”」を透析で取り除くことができる。

 

そうすれば認知症が発病することなく、通常の生活を送ることができる

ただし!

このは、透析後も免疫が引き続き製造するので、薬を飲んで”Antikörper”の発生を抑える必要がある。

でも認知症が発病することを考えれば、何でもないだろう。

日本でも同様の治療が行われているかは不明。

もしドイツに滞在してドイツの健康保険に加入している人は、健康保険がこの検査、治療費用を持ってくれる。

ドイツの医療も、まだまだ捨てたものではない。

-ドイツの達人になる, 医療、保険

執筆者:

nishi

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