
今回のテーマは、「イラン製ドローン シャヘッド」です。
まず最初にプーチンがウクライナを攻撃するため、イランから購入して実戦投入。
イラン戦争ではイラン軍が、周辺諸国への攻撃に使用。
すると今度は米軍がシャヘッドをコピーして、対イラン攻撃に使用。
それほどこのドローンは優れもの。
でもこの
「イラン製ドローン」
の発祥地、実はドイツなんです。
この記事の目次
イラン製ドローン シャヘッド オリジナルはドイツ製?
事の始まりは今から40年以上も前に遡る。
奇抜な飛行機の開発で有名なドルニエは
80年代、敵のレーダー装置を発見して破壊する
「自殺ドローン」
の開発を始めた。
このプログラムはそのまんま
“Drohne-Anti-Radar”(アンチレーダードローン)
短縮して
“DAR”
と呼ばれた。
が、この開発計画はドローンの先端部分に搭載する
「敵のレーダー捜索装置」
の開発で、暗礁に乗り上げた。
パソコンさえまだない80年代の電子技術は、そこまで高くなかったんです。
ちょうどソビエト連邦が崩壊したことも手伝って、この計画は
「お蔵入り」
となった。
Harop

この開発計画、お金を出したドイツ軍が
「機密扱い」
にするのかと思いきや、イスラエルの
“Israel Aircraft Industries”(略称IAI)
に売却された。
この研究データをもとに”IAI”は自殺ドローン
“Haroq”
を開発した。
このドローンはあらかじめ設定されたルートに沿って飛ぶもので、滞空時間は6時間。
射程距離はほぼ1000Km。
頭部にはカメラを搭載しており、ライブ映像を届けることができる。
性能はイラン製のシャヘッドにかなり近い。
唯一、搭載できる爆発物は16kgと限定的な破壊力だった。
このドローンはイスラエル、トルコ、インド、そしてアゼルバイジャンに輸出された。
アゼルバイジャンは宿敵、アルメニアとの闘いでこの自殺ドローンを大規模に投入。
防御する手段を持たないアルメニアは、ボコボコに叩かれた。
アルメニアは領土を取られた挙句に、アゼルバイジャンに降参するしかなかった。
イラン製ドローン シャヘッド 誕生

この
「イスラエル製のドローンの大活躍」
に注目したのは、イスラエルの宿敵イランだった。
革命防衛隊は”Haroq”を改良して
“Shahed 136”
を開発した。
シャヘッドの両翼の大きさは2,5mとイスラエル製と同じだが、40~60Kgの爆発物を搭載でき、破壊力が格段に増していた。
その分、重量が増して射程距離は数百キロに下がったが。
プーチンがウクライナ攻撃に使用
と相手を過小評価してイラン戦争を始めたトランプ。
同様にプーチンも
「数週間でウクライナは降参する。」
と相手を過小評価していた。
ところがである。
ウクライナが降参するどころか反撃に出ると、この特別作戦は長期化した。
結果、
米国ならともかく、
「あのイタリア」
よりも経済力のないロシアは、高価な戦闘機や爆撃機の消耗に苦しんでいる。
部品を調達しようにも、西側の制裁で手に入らないのだ。
そこでイラン製のドローンの導入を決めた。
始末が悪いのは、ロシアはこのイラン製ドローン、シャヘッドに
- SIMカード搭載
- 90Kgまでの爆発物を搭載可能
- 高性能エンジンを搭載(射程2500Km)
- 赤外線カメラ搭載
- ドローン同士で群れになって飛べる
という改善を施したこと。
ロシア製のシャヘッド
“Geran-2”
は実に効果的な武器になってしまった。
対シャヘッド対策
勿論、高価な地対空ミサイルでシャヘッドを打ち落とすことはできる。
が、これでは
「ペイ」
しない。
第二次大戦中、ドイツがA-4ロケット(V2)を開発した。
が、
加えてウクライナには、そもそも十分な数の対空ミサイルがない。
唯一の効果的な防御兵器はドイツ製のゲパルトだが、
数が少ない。
広大なウクライナを守ることはでない。
これに長く悩まされたウクライナだが、
「シャヘッド迎撃ドローン”Bullet”」
を開発した。
「戦争は発明の母」
というが、短期間で効果的な武器が、そしてその対抗兵器が開発されてしまう。
結果、米国 & 湾岸諸国はウクライナにシャヘッド ドローン対抗策を乞うことになった。
米国版シャヘッド Lucas
イラン製ドローン シャヘッドの優秀性を証明する事実が、よりによって
「自殺ドローン」
で先駆者だったアメリカがシャヘッドをコピーして
“Lucas”
の大量生産に入った事実だ。
言い換えれば、
「米国製のドローンよりも効果的」
というわけだ。
さもなければ、わざわざコピーするわけがない。
まだその数は少ないが、これが大量に導入されるとイランには防御する武器がない。
もっともそれは米国も同じで、
「西海岸がシャヘッドの標的になる可能性がある。」
と言われている。
もしイランが米国本土の攻撃に成功すれば、日本軍の
「風船爆弾」
以来の
「本土攻撃」
となる。