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ドイツ軍 有事には二日で弾薬が切れる問題

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イツ軍 有事には二日で弾薬が切れる問題

就任後、わずか数か月で

「ドイツ史上最悪の国防相」

の異名をいただいたランブレヒト国防相。

その

「働きぶり」

には目を見張るものがある。

その国防相の手腕がいかんなく発揮されているのが、

「ドイツ軍 有事には二日で弾薬が切れる問題」

である。

ランブレヒト国防相の華麗なスキャンダル集

まずはランブレヒト国防相の

「可憐なスキャンダル集」

のおさらいから始めよう。

国防相はいい意味で、息子をこよなく愛する母。

 

どのくらい愛しているかと言えば、その息子をつれて空軍のヘリで一緒に

「公務」

に出かけるほど。

日本では公用車を私用で使っただけで、知事が辞任に追い込まれるほど極端な世界。

ドイツでこれをやると、

「私用で使ったでしょ!」

と指摘されてからお金を使えば、それ以上は問題にならない。

そんな些細な事で辞任していると、岸田政権のように大臣が居なくなるからだ。

この件でもランブレヒト国防相が、

「ルフトハンザで飛んだ場合のチケット料金」

を納めて一件落着。

かと思われたが、もっと深刻な問題があった。

それはドイツ空軍のヘリの中で撮られた

「愛する息子の写真」

だった。

大臣の馬鹿息子が、クラスメートに自慢する為にこの写真をSNSに挙げてしまった。

その写真には、㊙扱いのヘリのコックピットが写っていた。

当然、

「一体誰が、㊙を公開する写真を撮ったのか?」

と問題になった。

もっともヘリの当時の乗客は、国防相と息子のみ。

ごまかしができない状況だったのに、ランブレヒト国防相はこの質問をスルーする事で、逃げおおせようとした。

そうは問屋が卸さない!

「そうは問屋が卸さない!」

とメデイアは裁判所に、国防省宛ての情報公開請求を行った。

ランブレヒト国防相自ら裁判所に二度も出廷して、請求の棄却を要求した。

流石は弁護士だけのことはある。

が、裁判所は二度に渡ってランブレヒト国防相の要求を棄却して、情報の公開を命令した。

ここになって初めて国防相のスポークスマンが、

「国防相がこの写真を撮った。」

と認めた。

なのにショルツ首相は、一向にランブレヒト国防相を解任するそぶりを見せていない。

ランブレヒト国防相が次のスキャンダルを引き起こすのは、時間の問題なのに、、。

ドイツ軍 有事には二日で弾薬が切れる問題

そして次のスキャンダルはすぐにやってきた。

問題発覚のきっかけは、ランブレヒト国防相が財務大臣に充てた特別予算の嘆願書。

そこには、

「ロシアによるウクライナ侵攻で弾薬不足が著しい。これを補うために、もっと金をくれ。」

という内容だった。

もっともドイツがウクライナに提供したのは、1ダースほどの155mm自走砲くらい。

なのに、ウクライナ侵攻でドイツ軍全体が深刻な弾薬不足?

納得いかない話だ。

とは言え、大臣が嘆願書を出したからには、現状を調べてみる必要がある。

そこで財務省の政務官が軍事産業の代表を集め、

「何処に問題がある。金か?」

と聞くと、

「問題は金じゃない。国防省の複雑な入札制度の為に受注できず、生産を始めることができない。」

という返事だった。

この報告を受けた財務大臣は、国防相の嘆願を拒否した。

これがメデイアに伝わり、

「ドイツ軍の弾薬不足は、どれだけ深刻なのか?」

という点に議論の焦点が移った。

この議論に

「火に油を注いだ」

のが

“Business Insider”

という経済雑誌の記事。

そこには、

「有事には、ドイツ軍の弾薬はせいぜい2日しか持たない。」

と書かれていた。

30日分の弾薬備蓄義務

30日分の弾薬保管義務

Natoの加盟国には、

  • 国内総生産の2%を軍備費に充てる
  • 最低30日分の弾薬を備蓄する

という義務がある。

ドイツはメルケル政権下、その両方を無視してきた。

お陰でロシアがウクライナに軍事侵攻するとドイツは、

「ズボンを下ろした状態」

で、戦争に直面することになった。

大急ぎで政府は17兆円ほどの

「特別軍事予算」

を組み、

「この予算は、(これまでないがしろにしてきた)ドイツ軍の装備の補充に充てる。」

と発表した。

これが2022年3月初旬の事である。

偶に撃つ弾がないのが玉に瑕

偶に撃つ弾がないのが玉に瑕

ロシアによるウクライナ侵攻から10か月、特別軍事予算が組まれてから9かヶ月以上経っている。

なのにランブレヒト国防相は2022年の12月になってから、

「弾薬不足を解消するために予算を付けてくれ。」

と言っている。

これが2022年の3月だったらまだ話はわかる。

12月まで一体、何をしていた?

そもそもランブレヒト国防相はロシアがウクライナに軍事侵攻を開始した2月24日、

「早朝出勤した?」

かと思いきや、まずは

“Nagelstudio”(爪のマニキュア店)

に行ってから、登庁したという肝っ玉の持ち主。

そんな大臣でも、メルケル政権下なら使えたかもしれない。

戦時では無用の長物。

しかしショルツ首相は

「任命責任」

を問われる事を恐れて、一向に解任するそぶりさえ見せていない。

もう開いた口が塞がらない。

新年のあいさつスキャンダル

新年早々、ランブレヒト国防相は新たなスキャンダルを提供した。

市民が花火で新年を祝っている中、ロシアによるウクライナ侵攻について講釈を垂れた。

が、お説教は花火の破裂音にかき消されてしまっている。

一体、何を考えて真夜中に街角に立って、お説教をネットに流したのだろう?

国防相にどんな企図があったのか知る由もないが、この配信の効果は長く待つ必要がなかった。

政界では、

「ショルツ首相はいい加減に、ドイツの恥をまき散らす国防大臣を更迭すべきだ。」

という声が大きくなっている。

が、首相官邸はこの非難をスルー(聞こえないフリ)でやり過ごそうとしている。

まあ、見てるがいい。

ランブレヒト国防相、次のスキャンダルまでどれだけの時間が必要だろうか?

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執筆者:

nishi

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