2020年、 ホームオフィス (*1)で過ごした方も多いだろう。
自宅で働くとインターネット、仕事場、電話などさまざまなものが必要になるが、会社側からその経費を支給されないケースも多い。
「通勤(費用)を節約できるでしょ。」
「全部、家にあるでしょ。」
というわけだ。そこでドイツ政府は2020年 & 21年に限り、コロナ特例を導入した。これにより確定申告でホームオフィスの費用を、必要経費としてあげることができる。
参照 : www.n-tv.de
この記事の目次
ホームオフィス 600ユーロまで必要経費なり!
被雇用者が、2021年 & 2022年の確定申告で
「必要経費」
として挙げれる費用は、1日5ユーロまで。
「だったら365日 X 5 ユーロ=1825ユーロじゃない。やった!」
と喜んだ方、ドイツの税務署はそこまで甘くない。そもそもコロナウイルスが蔓延、シャットダウンしたのは3月になってから。なので365日、落とせるわけがありません。ましてや週末、祝日は対象外です。
そこで必要経費で申告できる最高額が設けらており、600ユーロまで。
さらにはこのコロナ特例のホームオフィス経費は、被雇用者の確定申告で認められている”Werbungskosten”の項目を利用する。この為、悪く言えば、
「一緒くた。」
にされ、折角のコロナ特例が効かないケースもある。
Werbungskosten って何?
ここで問題になるのが、”Werbungskosten”って何?という点。
無理やり日本語に直すと、(被雇用者の)仕事で必要になる出費。
詳細はこちらを読んでいただきたいが、
被雇用者が仕事の為に使う仕事用の服、仕事用の道具、それに資格などを取得するために通う学校の費用 / Weiterbildung など。
被雇用者が確定申告で申請しなくても、こうした仕事で必要になる出費は、自動で1000ユーロまでの失費があったとして、税金が計算されている。
すなわち、ホームオフィスの他に全く仕事で必要になる出費がなかった場合は、
「1000ユーロ以下なので、残念でした。」
と、全く得をしないのである。
もしあなたが仕事用の道具を1000ユーロで購入していれば、丸々600ユーロを経費に上乗せできるので、税金の還付が期待できる。
もし何も買った品がないと、今年中に仕事で使うパソコンを新調すればいい。もっとも私用でも使えるパソコンは、購入額の半額までしか仕事で必要になる出費として認められない。
コロナ特例を受けるためには、パソコンは最低でも802ユーロ以上で購入する必要がある。なればその半額の401ユーロ+コロナ特例の600ユーロ=1001ユーロを必要経費で申告できる。
もっとも1ユーロ戻ってきても、嬉しくはないが。
コロナ特例の長所
という内容なので、コロナ特例が利用できる人は限られているかもしれない。
しかしこのコロナ特例を利用するには、パソコンや仕事着のように証拠を出す必要がない。そもそもホームオフィスの証拠なんぞ出す事は不可能なので、税務署もそこまでは要求しない。
だから、もし運よく今年、仕事で使う高価な品を購入していたら、確定申告で600ユーロのホームオフィス費用を還付してもらえる。
尚、
「証拠は必要ない。」
とは言っても、あなたが屋根の瓦張をする”Dachdecker”で、
「ホームオフィスしますた。」
と言っても、税務署が信用しないのは自明の理。
お断り
このページ、本来は会員用のページです。が、今回は特別に一般に公開しておくので、2020年の確定申告にご活用ください。
その代わり、
「ここがわからんので、教えてください。」
というご希望にも沿えません。当社の仕事
ではないためです。不明な点はお近くの税理士事務所で尋ねるか、頑張って自分で勉強してくださいっ!
注釈 – ホームオフィス
*1
会社ではなく自宅で働く事を正しい英語では、ホームオフィスと言います。日本では何故かテレワークと言いますが、、、。