ドイツの達人になる 金銭 & 税金

Grundsteuer 申告期限迫る!あなたは大丈夫?

投稿日:2022年10月17日 更新日:

ドイツでは2022年10月31日までに

“Grundsteuererklärung”

を税務署に提出する義務がある。

これを怠ると、たっぷり追徴金+利子が課されます。

しかしドイツ語が苦手なために、

「何ソレ?」

という人も居る。

そこで今回はこの

“Grundsteuer”

について解説いたします。

Grundsteuerとは?

まずは

「”Grundsteuer”とは何ぞや?」

という点から始めよう。

何だか推測できますか。

「”Grund”だから基礎税?」

と思った方、

“Holzweg”(大きな勘違い)

です。

“Grundsteuer”は、日本でいう固定資産税に相当します。

そう、”Grund”は土地という意味。

なので不動産を所有していない方には、関係なし。

直接は。

ドイツで不動産を所有している羨ましいアナタは、10月末までに固定資産税の申告を済ませる必要があります。

事の始まり

事の始まり

事の始まりは、2018年4月10日の最高裁での判決です。

最高裁はこれまでの固定資産税算定方法を、

「平等の原則に反する。」

と判決しました。

というのも固定資産税は、

「最新」

のものでも1964年に計算されたもの。

東ドイツに至っては、戦前の1935年の固定資産税評価方法が採用されていました。

当時は、

「一等地」

でも、今では人気のない地区になったケースもあります。

逆もしかり。

なのに最新でも60年前、ひどい場合では90年前の算定基準で固定資産税を決めるのは、どうみてもおかしい。

皆まで言えば、

「固定資産税評価は6年置きに見直すべき。」

と政府は法律に書いていたのに、60年間、何もしなかったんです!

これを

「おかしいでしょ!」

と市民が国を訴えました。

当然、政府は裁判で負け、裁判所は政府に固定資産税の見直しを命令。

それには

「誰が何処に、どんな不動産を所有しているか」

わからないと、算定できません。

そこで2022年の10月末までに

「”Grundsteuererklärung”(固定資産税申告)を済ませよ!」

とやったわけです。

言うは易し

「10月末までに済ませよ!」

と言うは易しです。

その申請方法は、ミノタウルスを閉じ込めることができるほど複雑怪奇な代物。

 

なのに政府が市民に与えた申請期間は、2か月だけ。

政府は60年も何もしてこなかったのに。

お陰で市民がオンライン申請プラットフォームに殺到、プラットフォームは墜落して機能しない日もある。

「申請期間を延長して!」

という市民の要請に地方自治体は、

「あり得ない。」

と回答。

 

ところがである。

財務大臣のリントナー氏は、お金持ちを優遇するFDP党首。

そして固定資産税申告が必要な人は、まさにFDPの投票層。

「自分の投票層に不満があっては、次回の選挙で負ける。」

と、リントナー氏は固定資産税申告期限の延長を示唆してます。

自分の支持層を最優先する政治家なので、州知事と協議をした後で、正式な発表があるものと思われる。

俺に何の関係がある?

ここまで読んで、

「俺は賃貸人。俺に何の関係がある?」

と思われた方。

間接的に関係があります。

アパートを借りていると春先、仕事が遅い大家だと初夏の頃に、

“Nebenkostenabrechung”(雑費調整)

が届きますよね。

ちゃんと読んでますか?

賃貸者組合によると、

「雑費調整の半分は間違い。」

だそうです。

 

大家に人気のトリックが、大家が払うべき費用、例えばエレベーターの修理費などを賃貸人に要求する方法です。

合法なのは大家が払った

“Grundsteuer”(固定資産税)

を賃貸人に請求する事。

そもそも大家は不動産を所有していても、使っているのは賃貸人。

なので

「賃貸人に固定資産税を回す」

ことができるんです。

今年の春先に届いた雑費調整を見てください。

そこにちゃっかり

“Grundsteuer”(固定資産税)

と書かれています。

政府の予定では、大家が提出したデータを元に2025年から新たな固定資産税が採用、課税されます。

新たに開発された地域、あるいは一等地に住んでいると固定資産税が大幅アップしますよ!

Grundsteuer 申請期間延長される

予期していた通り、Grundsteuer 申請期間が延長されました。

7月の時点で申請を済ませた人は、わずかに1/3。

税理士事務所は、パンパンでもう予約も取れないという状況。

この状況に鑑みて、各州の財務大臣が集まった

「全国財務大臣会議」

が開かれて、Grundsteuer 申請期間が延長が採決されました。

新しい提出期限は2023年1月末。

するとリントナー財務大臣は、まるで自分の手柄のように翠帳。

そもそも悪法を設定したのは、自分なのに、、

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執筆者:

nishi

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