ドイツでほとんどの会社は、4月と5月に株主総会を開きます。(*1)
その株主総会で配当金が株主に承認され、翌日、配当金が払われます。
これが原因で、数週間前から
「配当銘柄」
と呼ばれる配当率のいい株価は、大人気。
しかし!
4~5月は、株価の修正が来る時期でもあります。
すなわち、配当金を取りに行くと、
「ミイラ取りがミイラになる。」
で、配当金は出たが、修正でこれを超える損益を被ることも珍しくない。
だったら、配当金の前に売っちゃう?
でも、修正が来なかったら、1年この日を待ったのに大損!
アメリア人の言う、
“You can’t eat your cake & have it too.”
です。
利益確保で売っちゃえば、配当金はなし。
今週はまだ利益確保の大きな売りが入らず、DAXは今週も最高高値更新しました!
この記事の目次
増加を続けるコロナ新規感染者数
日々、増加を続けるコロナ新規感染者数。
しかし株式市況はこれを無視。
すくなくとも今の時点では。
その一方でドイツの病院のベットは、埋まりつつあります。
黒色が入院中の重傷患者。
赤色は人口呼吸装置に繋がっている患者。
日本の10倍の重傷患者用ベットを持つドイツでも、このまま2~3週間を手をこまねいていれば、トリアージです。
ドイツの政治家は、日本と違ってちゃんと働く?
いいえ、日本と同じです。(*2)
来週月曜日に予定されていた政府の、
「コロナ対策会議」
は、
「意見が揃わないなら、会うだけ無駄。」
と、延期になりました。
4月末の感染状況を見るのが、今から怖い。
5月は間違いなく、
「シャットダウン」
です。
DAX 今週も最高高値更新!
にも拘わらず、DAX は今週も過去最高高値更新!
去年の3月、DAXは8000台まで下落。
「来年の春は、15000台に達しているぞ!」
なんて言ってたら、
“Der hat wohl einen Vogel.”(小鳥を持ってる。)(*3)
と言われてたね!
DAX を最高高値に押し上げたのは、先週金曜日の米国の雇用統計。
90万を超える仕事(雇用)の増加です。
火曜日、オスターン(復活祭)の後、株式市場がオープンすると、
DAX は垂直上昇。
1万5300台の過去最高高値を(瞬時)マークしました。
Nordex 相次ぐ大型受注
日本はこれから(やっと)風力発電を設置していくことに決定。
20年遅い。
トヨタの社長も、
「こんなに遅いペースで脱二酸化炭素が進むなら、工場をヨーロッパに移すぞ!」
と、政府の及び腰を非難するほど、日本は及び腰。
その点では、ドイツは世界最先端。
そのドイツの風力発電を代表する企業のひとつが、Nordex です。
今週はフィンランドから6000メガワットの風力発電パークの受注を発表。
名古屋市が同じ風力発電パークをオーダーすれば、
「日本でもっともグリーンな街」
で、トヨタの社長もご満悦。
米国のグリーンエネルギー政策の後押しを受けて、株価は最高高値付近で足踏み中。
中国でも生産しています。
今後、中国が風力発電に大きく舵を取れば、得をする企業です。
頭の片隅に置いておきましょう。
BMW 販売台数記録更新
BMWは2021年1月~3月、コロナロックダウン中に、過去最高の販売台数を記録しました。
え~っと、63万6600台です。
気になったので調べてみると、日産は同時期108万台です。
日産の車の価格はBMWの半額なので、比べても仕方ないが。
この嬉しいニュースに株価は、
ややマイナス。
今年の最高高値が90ユーロ。
これ以上の上昇は難しいようです。
BASF 配当金よりも利益確保
株価の動きをみると、上値が重い。
まるで重い蓋がかかっているようです。
この重い蓋を押しのける明るいニュース、
「ドイツでワクチン接種者が国民の4割に到達!」
なんてあれば、さらなる上昇もアリ。
でも実際にはたったの13.8%。
これではシャットダウンは時間の問題。
配当株 BASF の株主総会は4月29日。
絶対に間に合わないっ!
配当金を取りにいくと、ミイラになるかねないっ!
売って、利益確保することに。
過去のチャートを見て、売り値を72.81ユーロに設定。
なかなか売れなくて、
「売り値を下げようかな?」
と思うも、
「あせる乞食はもらいが少ない。」
との警告を思い出し、3日間我慢の子。
すると3日目、売れました!!
この日の株価の動きを見ると、最高値が72.83。
抜群の売り値設定じゃない?
来るか修正は?
まだ9割は投資したままです。
現金化したのは、投資額のわずか1割。
Bilfinger / ビルフィンガーは4月15日が株主総会。
これまで1年、辛抱してきたので、配当日の前では売れない。
なんとかまだ間に合うんじゃない?
ドイツ銀行、コメルツ銀行は、どのみち赤字なので売れないし~。
4月中に修正が来れば、VW株を買います。
来なければ、ルフトハンザが5月に増資をするので、ここで持ち株を目一杯増やす計画です。
夏になればワクチン接種が進み、(欧州)航空会社の株は高騰するよ!
注目銘柄 TUI
今、世界で最大の旅行会社、TUI の株価が低迷中。
一時、7%ほど下げ、4.22まで行ったが、そこでリバウンド。
4.2まで下げると、
「買いが入る。」
とわかりますね。
なので買い注文はここが狙い目。
夏は必ず来る!
「なんで株価が低迷しているの?」
なんて思った方、株式投資には向いていません。
皆さんもきっと、
「コロナ禍が収まれば、何処何処に行きたい!」
と考えてますよね。
ドイツ人は世界一の旅行好き。
日本人の比ではありません。
銀行に借金してまで、休暇旅行に行くのがドイツ人。
そのドイツ人が1年以上も、休暇を自粛。
6月にロックダウンが解除されれば、夏にはドイツから人っ子一人もいなくなるほど、旅行に行くよ!
修正がくれば、買い足します。
夏になってから、
「あの時、買っておけばよかったな。」
言うなら、投資家失格。
夏が来るのは今からわかってるでしょ!
注釈 – DAX 今週も最高高値更新!
*1 ドイツでは 法律で、「株主総会は株主が出席して、、。」と、規定されていたので、去年、「オンラインでも開催可。」と法律を変更。
日本は法律を変えず、「法解釈を変える。」という意味不明な方法で対応。世界に例をみない特殊なガラパゴス法典です。
*2 日本の政治家は3週間前、「リバウンドさせない。」と国民に約束して緊急事態宣言を解除。そのわずか3週間後には、「まん防」の適用を決断。
大阪の知事に至っては、「もうコロナ病床は要らない。」と病床の減少を命じた。が、今週になって「病床を増やせ。」と通達。これほど状況判断ができない政治家も珍しい。
*3 頭がおかしいという意味になります。