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極右政党AfD議員 国民扇動罪で罰金刑を課される!

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極右政党AfD議員 国民扇動罪で罰金刑を課される!

先週、極右政党AfD議員が国民扇動罪で罰金刑に処された。

とっても面白い顛末だったので、一人で楽しんでいないで、日本の皆さんにも紹介したい。

口災

ドイツの政治家にとっての禁句は

  • ナチスのスローガン
  • 高速道路のスピード制限導入
  • 高速道路の有料化

と決まっている。

これさえ言わなければ、大方の問題発言は

「表現の自由」

で済まされる。

なのに、夏になると

「高速道路のスピード制限導入」

を言い出す政治家がいる。

それも毎年。

 

政治家は過去から学ばない。

絶対に。

でもまあ、

「高速道路関連の失言」

は、

「また言ってるよ。」

くらいで済まされる。

ナチスのスローガン

冗談で済まないのがナチスのスローガン。

質問
なんで?

 

ドイツではナチスのスローガンを公共の場で用いると、

「国民扇動罪」

が適用されるからです。

勿論、ユダヤ人団体も黙っておらず、速攻で非難声明が出る。

大方、24時間以内に釈明会見となる。

以前、バイエルン州の政治家が強制収容所アウシュヴィッツの門にあげられていた文句

”Arbeit mach frei”

を演説で引用したことがある。

メデイアから集中砲火を受けて

「以前、何処かで読んでいい文句だと思った。アウシュヴィッツの文句だとは知らなかった。」

と言い訳したことがある。

間抜けな限りだが、この言い訳には真実味があった。

政治家も謝罪したので、それ以上は問題にならなかった。

刑罰対象になるのはスローガンだけじゃない。

ナチス式の敬礼やシンボルの使用も罰金刑。

日本から来てドイツで

「ハイル ヒトラー」

なんて冗談やると、警察に通報されて4桁の罰金刑です。

「あれは冗談です。」

は通用しません

Z世代の皆さん、おきをつけあれ。

問題発言 “Alles für Deutschland”

日本人がそんな誤りを犯すのは、わからないでもない。

今回問題になっているのはドイツの極右政党AfDの議員。

演説で

“Alles für Deutschland”

とやってしまった。

これは

”SA”(突撃隊)のスローガンで、

「すべてはドイツの為に。」

というスローガン。

勿論、禁止。

今回この問題発言をしたのは、ネオナチの温床テューリンゲン州の極右政党AfDの議員長Björn Höcke氏。

極右政党とは言いながら、

「議員長」

がそんな問題発言をするのが、いかにも極右政党。

「法律なんかどうでもいい。」

という態度が見え見え。

極右政党AfD議員 Björn Höcke氏の言い訳

Björn Höcke氏の問題発言は

「あっ」

という間に警察に届け出された。

テューリンゲン州検察は、氏を国民扇動罪で告訴。

こうしてBjörn Höcke氏は裁判所に出頭して、自己弁護をするという

「お金を払ってでも見たい」

喜劇が展開された。

氏は裁判で

「ナチスの台詞だとは知らずに使用した。」

と自己弁護した。

しかしBjörn Höcke氏には、上述の政治家とは大きく異なる点があった。

氏は州議会議員になる前、高校の歴史の教師であった。

高校の歴史の教師が歴史、それもドイツの歴史を知らない?

極右政党AfD議員 国民扇動罪で罰金刑を課される!

5月14日、ハル地方裁判所で判決が下された。

裁判所は

「氏は禁じられたナチのスローガンだと知って使用した。」

とみなし、1万3000ユーロ(220万円)の罰金刑を課した。

 

2日後、氏は判決を不服として最高裁に上告した。

今年、テューリンゲン州選挙があるので、今の時点で罰金刑はあまりよろしくない。

そこで今回の上告は、最終的な判決を遅らせるだけのもの。

判決が代わるとは思えない。

極右政党AfD内で権力争い勃発!

楽しいニュースはそれだけでは終わらなかった。

極右政党AfDテューリンゲン州議員が公に、Björn Höcke氏の役職からの辞職を求めたのだ。

 

争いの原因は来る州選挙でのAfDの公式立候補リスト。

ドイツでは基本、比例代表制です。

政治家の名前ではなく、あなたが支持をする党に投票する。

だから政治家が当選するかどうかは、あなたが公式立候補リストの何番目に載っているかに拠る。

そこでBjörn Höcke氏は議員長の立場を利用して自分の取り巻き、要求をなんでも聞き入れる候補をこの名簿に入れた。

しかしこの候補者リストは、AfDが作成した公式候補者リストとは大きく異なっていた。

そこで極右政党の議員が

「選挙詐欺だ!」

と議員長の辞職を求める運びとなった。

この争いがどっちに転んでも、民主主義にはいい事しなかない。

1930年代ならともかく、

「ナチスのスローガン」

を21世紀の今、平然と使用する人物がトップにいるのが極右政党。

今、ロシアと中国の諜報機関から金をもらった廉で調査されているのも、極右政党AfDのEU議員。

中国のスパイを捕まえろ!極右政党幹部秘書官逮捕

あまりにもレベルが低すぎ。

せめて極右と言うなら、日本の右翼のように、

  • ロシア打倒
  • 中国排斥

くらい要求すべき。

ドイツの極右政党の面々は、自身の利益追求しか考えていない。

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執筆者:

nishi

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